Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

東フィンランド大学
2012年10月号 文学部 M.A

<授業紹介>

東フィンランド大学では講義の開講日が定まっておらず、個々の授業によって大きな差があります。私は今までに二つの講義を受講しましたので紹介します。

『Intercultural competence and professionalism』

この講義は、国際化が進んでいくこれからの世の中においてどのように異文化交流を進めていけばいいのかをレポートにまとめる講義です。自分の持っている価値観や倫理観、文化や習慣などを他国のものと比べ、より互いの理解を深めようというのがコンセプトでした。今まで漠然としか考えてこなかった異文化交流についていろいろと深く考えることができる良い機会でした。WEB上で行われる講義なので自身の内面と向き合うことに重点をおいてるように思います。

『English Academic reading and study skills』

この講義は英語を学んでいくうえでの基本的な技術を学ぶというものです。英語で書かれている論文の読み方やエッセイの書き方、言葉のつなぎ方などを教わりました。開講期間が短く、少し物足りないような気もしますが、一回一回の授業内容は濃かったです。

私自身は受講していないのですが、キノコの種類の見分け方を教わる講義も開講されているようです。ただ、残念なことにフィンランド語で開講されている授業なので受講することは難しいと思いますが、キノコを採取するフィールドワークには留学生でも参加することができるらしいので時間が合えば参加してみるのも面白いと思います。

 

 

<カルチャーショックについて>

大きなカルチャーショックというのはまだ経験していません。カルチャーショックと言えるのかどうかはわかりませんが、小さいものならいくつか経験しました。まず、シャワーの出し方に戸惑いました。必ずしもそうではないようなのですが、私の寮のシャワーは日本のように捻るタイプではなく、回して引っ張るという少し変わった使い方をするものでした。こちらに来た当初は訳が分からずに悪戦苦闘したのも、今となっては良い思い出です。

日本の大体の商品には箱の内側にもう一度袋に包まれてから商品が梱包されていますが、フィンランドでは大抵の商品が箱に直接入れられています。以前、ホットケーキミックスを買ったのですが、箱を開けた瞬間に粉が舞い上がった時には驚きました。箱に入ったアイスクリームもパッケージに書かれているように袋に包まれておらず、箱に直接入っています。フィンランドの方曰く、フィンランドは日本に比べて湿気やカビ、細菌などが少ないから袋に包んでから箱に入れるといった方法をとっていないのだそうです。二度手間にもなると言っていたので、これも一種の合理性の追求の表れかなと思います。

スーパーの入り口には駅の改札口のようなものがあり、レジの横を通らなければ店の外に出られないのも一つの特徴です。万引き対策だと思うのですが、買うものがないときは少し出にくいです。

 

 

<自由テーマ>

選挙のことについて書こうと思います。フィンランドでは今年、4年に一度の地方選挙が行われる年にあたるようです。10月末には投票が行われるので、今は様々な政治活動が行われています。フィンランドの選挙活動は日本のように選挙用の車の上で支援者の方と一緒に公約を言いながら回っていくというのではなく、町の広場にテントを立て、そこで有権者の方と会話をするといった形式をとっているようです。そのテントでは政党のチラシと一緒に無料でコーヒーや飴、ちょっとした食べ物などが配られています。配っている方々はボランティアか支援者の方だと思っていたのですが、大半の方が立候補者の方でした。なぜこのような形式をとっているのか訪ねところ、「こうして無料でコーヒーや飴などを配ることで人々が関心を持ってくれる。そしてそこから会話が始まり、私たちは市民の方々と意見交換ができるから」と仰っていました。

普段はあまり人のいない広場に建てられたテントの周りには人だかりができ、にぎわった様子で人々が御喋りを楽しんでいました。その姿を見ると、確かにテントを張ってコーヒーをふるまうのは一つの有効的な手段だと思いました。町に設置されているポスターの前ではご高齢の方から学生に至るまで、様々な年齢層の人が足を止め、政治のことを話し合う姿が見れるなど、国民全体の政治意識も高いように思います。