Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

東フィンランド大学
2013年4月号 国際文化学部 T.U

<この1年を振り返って>

この1年は長かったようであっという間に時間が過ぎていってしまいました。最初、こちらに来た当初は、分からないことばかりで不安でいっぱいでした。もちろん街中にあふれているフィンランド語も全く理解できず、買い物をするときに苦労することも少なからずありました。しかし、時間が経つにつれてこちらでの生活にも慣れてきて、フィンランド語の授業で学んだあいさつや単語を生活の中で積極的に取り入れていくことで、生活をするうえでの不便も感じなくなり、むしろこちらでの生活が次第に楽しくなってきました。また、フィンランドの宗教やフィンランドとロシアの国境地帯であるカレリアの歴史について学んだりする中で、フィンランドへの関心がより深まっていきました。授業で学んだ土地を実際に訪れ、自分自身の体で感じることでより深く理解することが出来、身近に感じることが出来ました。

とてつもなく長く感じたフィンランドの厳しい冬の間も、寒さのあまり家から出るのが嫌になったり、日本に帰りたくなったりした時もありました。しかしその一方で、フィンランドで過ごす冬は日本では味わったことの無い感動的な体験でいっぱいでした。空気中でキラキラと光るダイヤモンドダストや空一面に広がるオーロラを見ることが出来たり、カチカチに凍った川の上を歩いてみたり、フィンランド流のクリスマスを過ごしてみたりと、自分なりにフィンランドの冬を満喫できたと思います。

この1年、授業や机に向かってする勉強だけでなく、人との触れ合い(留学生、現地の学生、地元の人々)や様々な所へ自ら訪れ、体験することなどによって学ぶことも多くありました。文化の違いや言葉の壁などに苦戦するときもありましたが、そういった違いを受け入れ、理解しようとすることで自分の視野を広げる契機となったのではないかと思います。また、日本では当たり前だと考えていることが、他の国の人にとってはとても不思議なことで決して当たり前のことではないということを改めて実感することがありました。様々な国から来ている留学生と交流する中で気づかされ、自分が今まで持っていた固定概念を崩されることも多くありました。こちらでの生活の中で、感じ、学んだことは私自身の成長にも繋がっているのではないかと思います。

 

 

<帰国後どう留学経験を活かす予定なのか>

帰国後は、こちらで得た英語力を落とすことの無いように英語を積極的に使うように持続させたいと思います。また、就職活動も差し迫っているのでそちらに向けたTOEICの勉強にも集中して取り組んでいきたいと思います。しかし、私は将来就きたい職業というものがまだはっきりと定まっていません。自分がやりたいこともはっきりとしないまま闇雲に就職活動を始めてしまっても良いのかという疑問もあります。こちらに来て驚いたことは、すでに結婚している人や一度大学を卒業してからもう一度異なる大学に入り直して勉強をしている人が多くいること、そしてその多くの人が将来像をはっきりと持っているということです。そのような中で、友人に将来は何をしたいのかと聞かれてもはっきりと答えることのできない自分にもどかしさを感じました。今までの私は「大学卒業→就職」ということが当たり前のことだと思っていました。そのため、将来何をしたいのか分からないまま、どんどん時間は過ぎていってしまって、焦りを感じることもありました。タリンの旅行中に偶然出会った方からは、人生はまだまだ長いのだから苦労してでも素直に自分のやりたいことを追い求めてみてもよいのではないかと、様々な人生経験のお話と共に教えてくれました。一度、自分と真剣に向き合って、長いスパンの中で自分は何を目的として、そのためには何をする必要があるのか、何をしたいのかということを帰国後、今一度考え直す必要があると感じました。これまで出会った人から聞いた様々な話を参考に、自分の将来について落ち着いて考えたいと思います。

また、こちらに来てチューターや現地の学生には様々な面で助けてもらいました。そして、彼らとの触れ合いは私のこちらでの留学生活をより有意義なものにしてくれました。私も帰国後は、日本に学びに来ている留学生と交流できるような活動に積極的に参加していきたいと思います。私が留学生活の中で困ったこと、不安に感じたこと、大変だったことなどの中には、日本に来ている留学生も共通して感じている点があるのではないかと思います。自分の経験した留学生活を基に、留学生の役に立てるようなお手伝いができたらと思っています。そして、日本に来ている留学生の生活がより価値のあるものになるような交流をしたいと思っています。

 

 

<自由テーマ>

自由テーマについてですが、今回はこちらでの授業が終わってから日本に帰るまでの間に計画している旅行について述べたいと思います。私はこちらでの授業が5月7日に終わるので、その次の日から友達と一緒に約1か月間ヨーロッパ諸国を回る旅行に出かけようと考えています。トルコ、ギリシャ、イタリア、フランス、スペイン、モロッコへ約1か月間かけて廻ろうと計画しています。そのため4月の頭から少しずつ計画を立てはじめました。できるだけ安い値段で旅行をしたいので、格安航空券を探したり、安く泊まれるゲストハウスを探して予約したりしています。コリアンゲストハウスは比較的安い値段で泊まれて、朝食・夕食が含まれているのでコリアンゲストハウスを中心に探しています。しかし、コリアンゲストハウスのホームページは韓国語表記のみの所が多く、解読不可能のときもあったので、そんな時は韓国人の友達に助けてもらって予約をしました。また、オーナーの方が英語を喋ることが出来ないので他のゲストハウスを探してほしいと予約の時点で宿泊するのを断られてしまったこともありました。また、コリアンゲストハウスや日本人経営の宿の宿泊予約をするためにホームページに載っているメールアドレスにメールを送ってみても、メールの返信がいっこうに返ってこないということも少なくありませんでした。これから行こうと思っている国出身の友達やその国に行ったことのある友達から話を聞いて様々な情報を集めています。旅行の計画を立てるのはなかなか大変でしたが、最近やっと計画が固まってきました。1か月という長期の旅行への不安も少しあるのですが、それよりも期待の方が何倍も大きく、楽しみで仕方がありません。今はヨエンスーでの留学生活がもうすぐに終わってしまうことへの寂しさと、その一方でこれから始まる旅への期待と、両方の気持ちがぐるぐるとまわっており、複雑な心持ちでいます。何にせよ、こちらでの留学生活もこれから始まる旅もどちらも悔いの残ることの無いように自分が出来る限りのことを一生懸命に取り組みたいと思います。ヨエンスーでの残された数少ない日々を1日1日大切に価値あるものにしたいと思います。