Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

東フィンランド大学
2015年5月号 法学部 N.S

【この留学を振り返って】

この留学を志し、無事派遣されることに決まった時は、正直あまり英語学に関心がありませんでした。フィンランドの人が何を考え、どのようにして生活しているのか、実際に見れば何となく分かるだろうだとか、授業は受動的に聞いておけば何とかなるだろうとか、慢心して甘く考えていたのが事実です。

しかし、くどいようですが英語は唯一のコミュニケーションの手段です。フィンランド人は寡黙で何を考えているのか口頭で聞かなければ分かりませんし、講義でひたすらインプットのみに集中していてもあまり意味がありません。パーティに行って何も喋れずひたすら酒を飲み続けるのなら、部屋で一人で飲むのと何ら変わりません。実際、現地に来て実感するのと、事前に人伝で言われて持つ危機感とは訳が違うと思いますが、何をするべきか問われたならば、やはり日常的に英語に触れることだと答えると思います。

自分の場合、前期は引っ込み思案で大学関連のイベントにもあまり参加しなかったのですが、冬休みを経たところで、このままでは留学期間が終わってしまう、という危機感から、催しの参加率がかなり上がりました。より様々な国籍の友人と絡む機会が増え、考えさせられる事も増えましたが、前期と後期どちらの方が充実していたか問われれば、確実に後者です。最低限の会話力・「でも」を振り切る少しの積極性など、きっとそこまで肩肘を張らずとも留学生活は楽しめるものなのだと思います。少なくともフィンランドは、皆あまり時計を見ず、めりはりを付けつつものびのびと生活しています。

この留学をする際、非常にお世話になった先輩から、ヨエンスーの街を楽しんでくれることこそが一番嬉しい、と言葉をいただきました。勿論歯痒かったり悔やむべきところもありましたが、その目的は果たしたと、自分なりに言えることが出来る留学生活でした。

 

【帰国後どう留学経験を活かす予定か】

初めは芸術教育に興味があったにも関わらず、渡航準備の際、「国民の幸福度」が気になってきてしまいました。また、前述したようこれまで物凄く積極的に伸ばそうとしていなかった英語に関しても、焦点を当てるようになりました。

また、学部で課せられているフィールドワークをする際、あまり大きくない大学の棟で主に情報を集めていました。知らない現地の学生に話しかけるのはいつまでも慣れず、一日の成果に中々期待できなかったにも関わらず、帰国寸前まで新しい出会いに恵まれ、新たなチャンスが向こうからやってきてくれる事もありました。帰国を間近にしてようやく気付いたのが、どうせ同じことをやるとしても、自室に籠ってやるのと学校の公共の場でやるのとでは、他人と接点ができる機会が異なってくる、ということでした。

やはりこの9か月間、わたしにとっては非常に色々なことがあり、語り尽くせないものがあります。成長したのかと問われれば自分自身のことであまり実感がないのが正直なところで、この留学を経て逆に自分がいかに未熟か実感させられたのも事実です。自分の理想と現実の差を少しでも縮めるため、日本でも努力を怠らず、この留学で得たものを活かせるチャンスを積極的に探したいと思います。