Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

フォンティス応用科学大学
2019年4月号 国際学部 K.G

今月はカルチャーショックと1人旅について紹介しようと思います。

カルチャーショックについて

オランダで生活を始めて8か月ほど経過しましたが未だに日本との違いに驚くことがたくさんあります。中でもオランダはサービスが適度に不便で過剰に便利過ぎないという点が驚きでした。例えば郵便の配達ですが、日本の場合、不在時は再配達が当たり前でさらに時間指定までできます。一方オランダの場合不在の時は荷物が近所の人に預けられたり、再配達をするにしても時間指定ができなかったりします。一番衝撃があったことはコンビニがなくスーパーが遅くても10時には閉まってしまうことです。日本のスーパーもおおよそ同じくらいの時間に閉まりますが、コンビニがないので夜遅くに買い物をしたい場合ナイトマーケットと呼ばれる小さな商店を探さないと買い物ができません。オランダに来た当初は不便だと感じましたが、オランダでの生活を続けていくうちに徐々に慣れていきました。個人的にはオランダのように少しくらい不便でも慣れてしまえば問題はないように感じました。

 

一方、日本での生活はとても便利で、便利であればあるほど満足できる社会であると思っていました。しかし、オランダに来て適度な不便さを経験することによって人的なサービスは便利であればあるほどいいという訳ではないことを実感しました。というのも、社会全体での満足度を考えてみると必ずしもプラスにはならないと考えたからです。日本の低価格で高品質という二項対立的なサービスを維持する場合、労働者が労働対価未満の賃金で働くことでその歪を吸収しなければならないからです。本来はサービスの質を上げれば上げるほど人件費が必要になります。人件費を削減する方法として労働者に対する賃金を抑える方法が採られます。ところが労働の対価に見合わない賃金はオランダのようにサービスの利便性そのものを見直すことで労働状況とその対価のギャップを埋めることが可能であると感じました。

僕はこの分野に関して専門的に学んでいるわけではないので今はこれ以上のことは言えませんし、極めて表面的にしか議論できませんが、この経験を通して新しく学んでみるのも面白いのではないかと思いました。

1人旅について

学期の中間に差し掛かり、前セメスター同様1週間の休みがありました。この休みを利用して先月の記事に書いたように1人旅に挑戦してきました。今回は1週間と今までの1人旅より長く、そして複数の都市に行きました。旅行先はベラルーシの首都ミンスク、ウクライナの首都キエフ、そして音楽の都ウイーンです。中でもミンスクはベラルーシ語、ロシア語が公用語で、空港でしか英語が使えなといっても過言ではなかったです。ミンスク滞在中のコミュニケーションは英語力の問題ではなく、もはや話しかける度胸があるかどうかで、コミュニケーションをとるのにここまで手も足も出ない経験をしたことが無かったのでかえって新鮮でした。自分が話せるのが日本語と英語だけなので相手が理解できる可能性がより高い英語で話しかけるもロシア語っぽい言葉で返されるばかりで最終的には身振り手振りで意思疎通をするしかなかったです。自分が滞在先での言語を話せないという意味でお笑い芸人の出川哲朗さんが話す、いわゆる出川イングリッシュを使ったコミュニケーションがどれほどすごいことかを身をもって痛感し、ほぼ英語が話せないのにも関わらずめげずに一生懸命に自分の意思を伝えようとする彼の姿勢を心から尊敬しました。ミンスクでの滞在は冗談抜きでスマートフォンが無ければどうしようもなかったと思います。この旅行の様子や各都市で感じたことは来月号以降で書きたいと思います。