Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

カトヴィツェ経済大学
2023年 4月号 国際学部   R・M

余暇の過ごし方について

出発前はバイトや大学、留学準備など忙しく過ごしていたのですが、ポーランドでの生活を始めて自由時間が増えました。今回はそんな留学生活での余暇の過ごし方についてお話しします。

「留学」といえば、旅行に行ったり友達とパーティなどが思い浮かびますが、インドアの私は、日本での生活と特に変わらない毎日を過ごしています。もちろん長期休暇には旅行に行ったり、ヨーロッパに滞在している友達に会いに行ったりすることもありますが、主な余暇はゆっくり散歩したり、絵を描いたりゆったり過ごしています。ですので参考になるようなことは全くありません。ただ私が伝えたいのは、留学に来たからといって活動的になる必要はないということです。一年という期限付きのヨーロッパ滞在で、日本では経験できないことを存分に楽しみ吸収することはもちろん素晴らしいことですが、それをしていないからといって落ち込むことはないと思います。学期初めは他国から来た留学生も留学生活を楽しむために、異文化交流を盛んに行っていますが2ヶ月ほど経つとみんな落ち着いて、新しい生活に対応していきます。私も最初は友達とクラブやパーティに行ったりしていましたが、だんだん自分のやりたいことではないということに気が付き、今は適度な距離感保っています。気分ではないときは断ることも重要です。それで切れてしまうような交友関係は表面的なものに過ぎず私には必要ないなと考えています。期限があるからこそ、楽しいことだけでなく悲しいことや落ち込んでいることも共有できる人と過ごすことが最も価値のあることだと信じています。確かに自分が想像していた留学生活とは異なりますが、想像よりもはるかに人生において何にも変えられない時間を過ごしていると確信できます。異文化交流において寛容な姿勢をもつことは大切なことですが、自分らしくいられる環境に身を置くこと以上に重要なことはありません。以前は日本らしい考え方とされていることや、自分の日本人らしい側面に嫌気が差していたのですが、今は自分の日本人としてのアイデンティティが好きになりました。

 

差別について

差別はありません!と言いたいところですがやはり少なからずそれを経験することは避けられないので、ヨーロッパに滞在する予定の方々にアジア人としてヨーロッパで生活することの現実についてお伝えしたいと思います。これは国によって大きく変わってくると思います。ポーランドでは差別的な言葉をかけられたことはほとんどありません。大学生活で関わった人たちも私の出身国を熱心に聞いてくれたり興味を持ってくれる人がほとんどでした。人種差別を経験をすることもあるだろうと予想していたので、思っていたよりもそんなことはないんだなと楽観的に捉えていました。しかし、イタリアに訪れた際、街で差別的な言葉をかけられることが多々ありました。観光地ということもあったからだと思いますが、ポーランドとの違いに驚きました。1人だとそういうことはないのですが、アジア人で2人以上でいると声をかけられやすいのだと思います。そういうときは無視することが一番です。そういうことを言ってくる人たちは酔っ払っていたり、集団なので、相手にするのは良い選択肢とは言えません。最低限度の教養を持っていたらそんなことをしないだろうし、ほとんどの人々はそんなことをしません。身体的に自分より弱い相手を選んで、差別してきているような人たちはloserなので、堂々としていれば良いと思います。差別への向き合い方は人それぞれですが私はそう思っています。ただ、6年前にイギリスに滞在していたときよりは、少なくなっていると感じました。人種差別を経験することは留学するにあたってネガティブな側面かもしれませんが、マイノリティとして生活するということは貴重な経験になりますし、差別を理由に留学を避けることの方が勿体無いと思います。白人至上主義の傾向が残っているとしてもヨーロッパに留学する価値は充分にあります。