授業紹介
リネウス大学では、1セメスターが4つのピリオドに分かれています。留学前に授業を選択しますが、リネウス大学の履修システムを理解するのは複雑で時間がかかりました。私はそれぞれのピリオドで100%ペースの授業を1つだけとっています。1セメスターで30単位分の授業が選択可能と聞いてましたが、他大学の学生は30単位に加えて7.5単位もしくは15単位のスウェーデン語の授業もとっています。龍谷大学の他の学部のシステムは分かりませんが、私が所属している経済学部にはスウェーデン語の授業がなく、単位交換ができないので、私はスウェーデン語の授業はとっていません。
1ピリオド目は「Perspectives on globalization」という授業を受けました。私は龍谷大学で国際協力について学ぶゼミに所属しており、グローバル化を学ぶ必要があると思ったのでこの授業を選択しました。毎回のレクチャーでは経済・環境・政治・文化などのテーマがあり、それぞれの側面からグローバル化がもたらした、または今後もたらす影響について学びました。平均で週3回授業があり、午前2時間・午後2時間というスケジュールでした。
午前中のレクチャーの最後に先生から質問が出題されて、その質問についてグループメンバーとディスカッションを行い、午後の授業を受けます。テーマに沿った質問の他に、「Is globalization good or bad?」と毎回問われました。1番最初の授業では「Globalization is good」と答える学生がほとんどでしたが授業が進むにつれて「Globalization is bad」と答える学生が増えていきました。グローバル化には利益と犠牲があって、グローバル化にどう対応していくかが大切であると学びました。
2ピリオド目は「History and Religion in Sweden」という授業をとりました。この授業は週2回で午前中にスウェーデンの歴史、午後に宗教について学びました。クラスには8人ほどアメリカ人留学生がいましたが、「先祖がスウェーデンからの移民だったからこの授業をとった」という学生がほとんどでした。そしてスウェーデン人を先祖に持つ学生のほとんどが、ミネソタ州出身でした。というのも、スウェーデンからミネソタ州に移住する人が多かったそうです。若い男性が職を求めてアメリカに移住したことで、スウェーデンに残った女性(その中にはシングルマザーも多かったそうです)は必然的に働くようになり、この頃から男女平等、福祉国家として知られるスウェーデンに移り変わったと学びました。授業ではヴァイキング時代から現代のスウェーデンまで幅広く学びました。
授業の進め方
それぞれの授業にはだいたい2、3冊教科書が指定されています。私は留学前に経済学部でマクロ・ミクロ経済学、統計学、金融論などの授業を取り、GDPや比較優位・株価の計算方法やグラフの作成方法などを学びました。使用する教科書は専用書で教科書に書かれていることは絶対的である、という認識がありました。まず計算方法を理解し、その後は練習問題をひたすら解くという勉強方法をとってきました。
しかし「Perspectives on globalization」 の授業で使用した本はいわゆる単行本で、本の内容が必ずしも正しいとは限らず、本を批評的に読む力が問われました。他の学生が筆者の主張・分析に関して先生に質問をする一方で、私は教科書を読んでも質問が浮かぶことは少なく、私は受け身で本を読む癖があると感じました。
本を批評的に読む力はセミナーでも必要とされました。この授業の1回目のセミナーでは事前に1グループ1冊本が指定され、その本とセミナーのテーマの関係性を分析したseminar paper を先生に提出します。そしてセミナー当日は他のグループと指定された本とセミナーテーマの関係性についてディスカッションを深めました。私は分析、語彙力が足りず、うまくディスカッションに参加できず悔しい思いをしました。すぐに改善できることではないかもしれませんが、物事を批評的に判断・分析することを意識してこれからの授業、セミナーに取り組みたいと思います。