Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

リネウス大学
2019年4月号 経済学部 A.M

①現地の学生・友人について

スウェーデンに留学に来る前は、日本人留学生は少ないと予想していましたが実際には2018年秋セメスターに35人以上の日本人留学生がいました。そのうちの約20人は同じ寮に住んでいました。留学をする前は英語漬けの生活を目指して、日本人とは出来るだけ話さないようにしようと考えていましたが、同じ国で育ったからこそ悩みを共有できたり、協力できたこともありました。

私は、以前にも紹介したスウェーデン人のバディ、台湾からの留学生、同じ寮に住む日本人や同じ授業を取っていた学生と食事・Fikaをしたり、サイクリングに行くことが多いです。最近は、私と同じくSustainabilityに興味がある友達と一緒にSustainabilityに関するイベントや活動をしている場所に訪れたりしています。彼女は環境の側面からSustainabilityについて勉強していて、経済的な側面からSustainabilityについて勉強している私とは異なった意見・アイディアを持っているので意見・アイディアを交換するのがとても楽しいです。最近は、気温が上がってきて部屋にいるのがもったいないので湖の近くでご飯を食べたり、帰国後の学生生活の予定を立てたり、ただ座ってぼーっとするなど、スローライフを楽しんでいます。1人の時間と友達と過ごす時間のバランスが上手くとれていると思います。

リネウス大学には「フレンドファミリー」と呼ばれる、ベクショー周辺に住んでいる家族と留学生の交流企画があります。私のフレンドファミリーは海外の文化に触れたり、学生と話すことが好きな方で、一緒に日本食を作ったり地域のイベントに行ったりしています。日本で一人暮らしをしていたときは地元の人との交流がなく、疎外感を常に感じていましたが、ベクショーが自分の「Home」だと感じることが出来るのはフレンドファミリーやバディがベクショーのことをたくさん紹介してくれているからだと思います。スウェーデンのことについて知りたい人はこの制度を利用することをお勧めします。

 

②キャッシュレス社会

スウェーデンは世界で1番現金使用率が低い国と言われるほどキャッシュレス化が進んでいます。私はFinTechやキャッシュレス社会に興味があったので留学先としてスウェーデンを選びました。スウェーデンでのキャッシュレス生活体験についていくつか紹介したいと思います。

今までスウェーデンで生活をしてきてクレジットカードを使えない店が1つだけありましたが、その代わりSwishと呼ばれるモバイル送金アプリでの支払いは可能でした。現金しか使えない店は今のところ見たことがありません。私が住んでいるベクショーでは定期的にマーケットが開かれます。そこでもクレジットカード・Swishでの支払いが可能です。市バスはクレジットカードで支払うと割引がききます。私はスウェーデンに来て2週間ほど経ったときに現金を下ろしました。店での支払いのためと言うよりは、友達と割り勘をしたときの返却用です。友達と一緒にご飯を作ることが多いのですが、その際にかかった費用を分担する作業がとても面倒です。返却しなければならない額の現金を常に持っているとは限らないし、足りない場合はまたATMから現金を下ろさないといけません。ATMからお金を下ろすのは手数料が高すぎるという理由から留学期間中1度も現金を下ろさない学生もいました。一度、アメリカからの留学生がMessengerアプリ内の送金機能を使って私に送金しようとしましたが、日本で購入した私の携帯は、同じアプリであるにも関わらずその機能がありませんでした。私は、留学生にこそモバイル送金アプリの需要があると思います。一時的に暮らしている国で、使い切ることが出来るか分からない額の現金を下ろすのはとても煩わしいです。

リネウス大学の図書館で借りた本の返却期日を過ぎてしまったことが1度ありました。リネウス大学の図書館では返却期日を過ぎると罰金10 SEK(日本円で約120~130円)を払わないといけないのですが、この際の支払いもクレジットカード払いが可能でした。職員の人がカード払いの機械を取り出してきた時はさすがにびっくりしました。期日までに返却しなかったことはよくなかったですが、予期していなかった場面で新たな発見が出来ました。

2018年12月に日本人留学生で企画したJapanese Dinner Party のチケット購入は現金払いのみで対応しました。留学生はスウェーデンの銀行口座を作ることが出来ないのでSwishも当然使えず、クレジットカード払いの機械も持っていませんでした。支払い方法についてはFacebook ページで前もって告知していましたが、Facebookページを見ずにチケットを買いに来た人で現金を持っておらず、しかもATMが大学から遠いためチケット購入を諦める人がたくさんいました。クレジットカードやSwishでの支払いに対応していればチケット販売はもっとスムーズに行えたと思います。

日本では訪日外国人が年々増えており、キャッシュレス化の対応が求められています。しかし、元号の変更に伴って紙幣のデザインが変更されるという記事を見て、日本のキャッシュレス化にはまだまだ時間がかかりそうだな、と感じました。私はキャッシュレス社会で生活をして現金を使用することのデメリットをたくさん感じました。日本でもキャッシュレス化が進んでほしいですが、銀行口座をもっていない貧困層やスマートフォンを持っていない人、視覚障がいがある人への対応などの課題も同時に抱えています。引き続きスウェーデンのキャッシュレス社会について勉強したいと思います。

Swishと呼ばれるアプリをダウンロードして、指定の番号を入力すれば支払いが完了します。飲食店としては、現金に触れる必要がないというメリットがあります。

 

リネウス大学の学生団体の会費をクレジットカードで支払いました。この団体は様々なイベントを企画していてチケット販売の際は必ずこの機械をもっています。