授業紹介①(受講している科目について)
授業には、必修科目と選択科目があります。必修科目はInitiation à la Culture Française(フランス文化入門)とFLE(フランス語の授業)の2つです。Initiation à la Culture Françaiseは、週に1時間あります。毎回テーマが決まっており、フランスの文学やメディア、政治などについて学びます。FLEは、週に2時間続けてあります。主に文法を中心に勉強します。今、私のクラスでは中性代名詞を学んでいます。宿題には、仏作文や読解問題が出されます。
選択科目は、どの学部の授業でも選ぶことができます。私は、言語学部の翻訳授業をメインに履修しています。日本語からフランス語に翻訳する授業は、特に難しく感じます。予習をしないと、授業についていくだけで必死になってしまいます。小テストは、2~3週間に1回必ずあります。こんな風に書くと大変そうに見えるかもしれませんが、授業はみんなまじめに取り組んでいるので楽しいです。
リヨン第3大学は、1限や2限といった授業時間区分はありません。1時間単位の授業もあれば、1時間30分単位の授業もあります。また、「休み時間」というものがないので、前の授業が押してしまったときは大急ぎで次の授業に向かいます。授業は、口頭だけの説明が多いです。板書がある場合でも、フランス人独特の書き方や人によって書き方に癖があるので、慣れるまで少し読みにくいです。また、ノートをとる時、フランス人学生の多くが小型のパソコンを使っています。授業によっては、キーボードを打つ「カタカタ」という音が教室中に鳴り響いています。
カルチャーショックについて
まず一つ目は、フランス人は知らない人でも気軽に話しかけることです。私は、スーパーの文房具売り場で書きやすいペンはどれか尋ねられたり、バスの中で「学生?」と声をかけられたりしました。初めは少し驚きましたが、語学を学ぶにはとても良い環境だと思います。なぜなら、逆にこちらからも気軽に話しかけることができるからです。
次に、挨拶が大切にされていることです。私のレジデンスでは、エレベーターに乗り合わせた時や玄関ホールで顔を合わせた時に、知らない人でもきちんとお互いに挨拶します。スーパーのレジでもBonjour(こんにちは)やBonsoir(こんばんは)から始まり、最後にAu revoir(さようなら)やMerci(ありがとう)と言って別れます。非常に短い時間でも、そこには人と人とのコミュニケーションがあります。また、フランスの店員と客は対等な関係にあり、お互いにコミュニケーションを取ろうとしているように感じます。それに対し、日本人は無言のままお会計を済ませることが多く、日本の店員と客の関係はコミュニケーションのない機械的なもののように感じました。
最後に、日曜日の街の静かさです。フランス人は週末にパーティをして、日曜日は家でゆっくり過ごす人が多いです。日曜日はお店もほとんど閉まっているので、外出する人は少なく、街全体が本当にひっそりとします。反対に、金曜日と土曜日は夜遅くまで街中がにぎやかです。
自由テーマ~フランス語の学習方法
「交換留学したいけど、どうやって勉強したらいいの?」こんなふうに悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。参考までに、私がやっていた学習方法を紹介したいと思います。
私は、主に大学の授業と市販の文法書で学習しました。大学の授業では、必修の授業がなくなった後は、フランス語セミナーを受講しました。出された宿題は、毎回しっかりやるようにしていました。また、先生に頼んで国際文化学部のセミナーを聴講させてもらったりもしました。それと並行して、同じ文法書を何度も読んで、問題集を解きました。おすすめの文法書は、清岡智比古『フラ語入門、わかりやすいにもホドがある!』白水社です。これは、堅苦しくないので楽しみながら学ぶことができます。さらに詳しい文法書だと、森本英夫・三野博司『新・リュミエール』駿河台出版社がわかりやすいと思います。
リスニング対策としては、シャンソンやNHK WORLD French、TV5などを聞いていました。また、スピーキングの練習のためにRECのフランス語会話の講座を受講したり、交換留学生のスピーキングパートナーになったりしました。言語は実際に話した方が楽しいのですし、自分の実力がはっきりわかります。少しでもフランス語を話す機会を設けることをおすすめします。他には、アリアンス・フランセーズの暗唱大会に出たりして、ほかの参加者と触れあうことでモチベーションを持続させるようにしていました。