Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

ロッテルダム応用科学大学
2018年12月号 国際文化学部 Y.U.

【治安について】

オランダに住んでいる人と聞かれて、どのような人を想像するでしょうか。

ではシンキングタイムよーい、はじめ。はい終了です。

2018年現在、オランダには17,000,000人(日本のおよそ10分の1の人口)が住んでおり、国民の2割弱が東欧諸国や旧植民地(南アメリカのスリナム、東南アジアのインドネシアなど)からの移民だと言われています。この移民の比率はイギリスの13%や、移民の受け入れに積極的だったドイツの19%と比較すると、かなり高い方であることがわかります。実際に街を歩いていてもゲルマン系の見た目の人が多い中で、東南アジア系や中東系の顔立ちの人やアフリカ系の人もよく目にします。読んで頂いている方の中には、ゲルマン系のいわゆる”白人”系の人ばかりだと思った方もいるかと思います(実際私はオランダに来るまでそう思っていました)。

さて、前置きが長くなりましたが、オランダにはさまざまな人種的ルーツを持っている人がいることを理解していただけたかと思います。同じ国に住んでるとはいえ、バックグラウンドが違えば文化の違いも少なからずあるでしょう。そうした違いは多様性という言葉のように良い意味で捉えられることもあれば、差別などネガティブな事柄の標的になり得ることもまた事実です。特に欧州の人は差別的な言動に対して敏感だと言われます。これはオランダでも例外ではなく、多様なバックグラウンドが混在するなかで、互いがリスペクトを欠くことなく暮らしている印象を受けます。日本人として生活していて、珍しそうな反応をされることはたまにありますが(在留邦人はおよそ1万人と比較的少ないので)、差別的な扱いをされた経験は未だありません。オランダ語を話せないと言うと、面倒くさそうに英語で対応し始める店員さんもたまにいますが、、、

治安という観点からは少しズレるかもしれませんが、オランダは多くの文化やバックグラウンドをリスペクトし許容しているため、主観的に見れば周りからとても受け入れられるように感じるとても良い国ですが、逆もまた然りで、受け入れられているように感じるということは受け入れてくれている人がいるということに他なりません。現在同じ国に住んでいる一市民として、周りの環境に対してリスペクトと理解を示す必要があると感じています。

 

【シンタクラースについて】

12月と聞いて真っ先に思い浮かぶ行事といえば、12/24,25のクリスマスですよね。ですがオランダにはクリスマスと12月の人気を二分するイベントがあります。それが12/5,6のシンタクラース祭です。この日には多くの家族が子供にお菓子やプレゼントをあげたり、友達同士でプレゼントの交換をしたりして楽しみます。

シンタクラースはSint-Nicolaasという4世紀ごろの人物が由来となっており、オランダでは古くから親しまれています。11月の中旬から首都のアムステルダムを皮切りに、真っ赤なマントと帽子にサンタクロースを思わせる豊かな白い髭のシンタクラースに扮した人が従者を連れて市街地でパレードを行い各地を回っていきます。(残念ながらインターンの都合で見に行くことは叶いませんでしたが)シンタクラース関連のイベントは11月中頃からずっと行われていますが、12/5が彼の命日ということでその日をプレゼントデーとして24日のクリスマスに先駆けてファーストクリスマスを楽しみます。

私のインターン先のオフィスでもシンタクラースの日はクリスマスと同様に家族や友人と過ごすことを推奨しており、お昼すぎになるとほとんどの人が仕事を切り上げ14時には退社していました。またシンタクラースに扮した従業員がオフィス内でお菓子を配っていたりしていて、こんな日に仕事してられるかって雰囲気でした。