①カルチャーショックについて
エストニアに来てもう9カ月目になりますが、まだまだカルチャーショックは感じます。特に、他国からの留学生との衛生観念に関する違いにはいまだに慣れません。例えば、パンをテーブルの上に直接置いたり、テーブルの上で直接生地をこねて料理をすることです。寮のテーブルは特別綺麗とか消毒されているわけでもなく、キッチン自体私かもう一人の日本人の留学生くらいしか掃除をしないので清潔とは言えません。ですが、そんなことは誰も気にしませんし、留学生を見ているとかなり普通な事なようです。もちろん人によりますが、日本人は綺麗好きといういのは本当だったんだと初めて思いました。もう一つのカルチャーショックは、ほとんどの学生が大学院に進学することです。日本では大学を卒業したら就職する流れが一般的ですが、ヨーロッパでは大学院に進む方が一般的です。ヨーロッパの公立大学・大学院の学費は無料もしくは年間で僅かしかかからないので、大学院に進む経済的なハードルはかなり低いです。また、大学院に行かないと就職できないことも要因として大きいと感じます。仕事と大学・大学院での専攻が直結していることが多く、仕事と関係のない専攻なら応募条件に満たないことがほとんどだそうです。その為、私が自分の専攻と異なる職種に応募すると伝えると、かなり驚かれました。私は以前は日本の就職活動事情について懐疑的でしたが、就職先を見つけやすいこと、また大学での専攻と関係ない職にも応募できることは良い点だと思いました。
②現地の学生・友人について
カルチャーショックに関連して、現地の友人たちについても書きたいと思います。ヨーロッパにはErasmusというヨーロッパ内での留学を促進させる制度があり、年度によって偏りもありますが本当に色々な地域から学生が集まってきます。私が今回の留学で特に仲良くなったのはリンダというドイツとエストニアのダブルの女の子と、アヤというカザフスタンから来た女の子です。リンダとは前学期のChinese Tea Cultureの授業で出会いました。私は自身をかなり内向的だと感じているのですが、彼女も落ち着いた内向的な性格でとても気が合いました。ヨーロッパには日本と比較して外交的な人、もしくは誰かと何かをしたいという人が多かったので、まさかこんなに性格の似た人に出会うとは思っていなかったのでとても驚きました。一度、彼女の帰国前に自宅に招待してもらいましたが、とてもいい思い出になりました。反対に、アヤは外交的な性格なのですが、どこか似ているなと感じる部分もあります。あまり国や地域で人々の性格を決めつけるのは良くないとは思うのですが、やはりヨーロッパで暮らすアジア人同士分かり合える部分が多いので仲良くなり易いです。帰国前に彼女とカザフスタンを旅行する予定があるので、とても楽しみです。現在、タリン大学には私の知る限り私を含めて5人の日本人留学生がおり、そのうちの一人はフラットメイトです。留学先で日本人と交流するのは避けたい、という話をよく聞きますが、程よい距離間で仲良くすることはむしろ良いと思います。私がルームメイトとトラブルになった時、母語で相談できる相手がいるというのはとても心強かったです。また、同じ文化圏で育った人同士、食べ物やカルチャーショックなどを共有できることも異国で生活するにおいて精神的に助かった部分が大きいです。それに、留学に来ているだけあって(それも日本では知名度の低いエストニア)、出会った日本人留学生は個性豊かでたくさんの刺激を受けました。先ほど言った通り私は内向的な性格なので積極的に人と交流する性格ではありませんが、カテゴリーに囚われず多くの人と交流して、色々な価値観に触れることはとても良い人生経験になっています。