①余暇の過ごし方
来週から一か月間のイースター休暇が始まります。イギリス人とヨーロッパから来た留学生の多くは帰省するようですが、私は他の多くのアジア人学生のように現地に留まる予定です。イースター休暇が終わるとすぐに試験期間が始まります。その為、試験が終わった後にあるクリスマス休暇とは異なり、今回は試験とレポートのことを気にしながら休日を過ごさなければなりません。レポートに関しては今日その内容が公表されたので、休暇中に書くことができます。クリスマス休暇中は日照時間が短いのと混雑するシーズンだったのでどこにも出かけませんでしたが、今回の休暇中はロンドンとケンブリッジを訪れようと考えています。私が所属するサークルの中に、クリスマス休暇中に日中のロンドンの地下鉄の駅で、突然見知らぬ人に顔面を殴られて救急車で病院に運ばれた中国人留学生がおり、運が悪ければテロに限らずどこからでも災難は降りかかってくるものなので、特に都会では気を抜かずに行動する必要があるようです。
②イギリス人学生と日本人学生の違い
2月号の記事でも言及しましたが、イギリスの学生は日本の学生以上に学校の勉強と遊ぶことに熱心です。イギリス人には個人主義と、権利と義務の関係が彼らの感覚の中に深く根付いているようです。彼らは一概に皆フレンドリーで、挨拶の時には笑顔を作ります。日本だと挨拶の時に笑顔を作るのは親しい間柄に限られる場合が多いですが、イギリス人は基本的に誰にでも笑顔で接しています。その為、いつも笑顔を作ってくれると言っても、それは社交辞令的なもので、特に自分に好意を寄せているわけではない点に注意する必要があります。来日したイギリス人はアメリカ人と同じく誰に対しても明るくノリがいいイメージがありますが、これは欧米人は他人に対して広く浅く接する傾向があるためです。この大学には、キャンパスの中心に酒場とロック音楽の会場があり、そこで毎週イベントがありますが、なぜ大学にこのような施設があるのか謎でした。その理由をイギリス人の学生に聞いてみると、大学は勉強と同時に対人関係の技術も学ぶ場であるので、このような施設が必要なのだそうです。日本人はシャイで大人になっても他人とどう接してよいのかわからず困る人が多い傾向があると感じますが、これを聞いて、学校でも対人関係の技術を教える講座等があっても良いのではと思いました。また、イギリスの大学のサークルの活動は日本よりも活発ではないと聞きましたが、これは本当で、サークルにもよりますがメンバーが集まる機会は少なく、イギリス人の交流の中心は自分の友人と自宅や酒場でパーティーを開くことです。彼らを見ていると、市民権を得て享楽的な生活を送る古代ローマの市民を連想します。イギリス人学生は義務である学校の勉強に熱心に取り組んだ後、権利である自由を存分に行使して遊びます。私はイギリス人の学生に、「イギリス人が働く動機とは何か?」と尋ねると、皆がお金の為だと答えました。彼らは現実主義的で、仕事や勉強とは生活の為にしなければならないものとして割り切って実行します。また、私が暮らす寮で同じ階となったイギリス人の新入生で、この階ではパーティーが開かれないとわかると他のより社交的な人が集まる階にすぐに引っ越したり、自分が思っていた学部と違ったため、すぐに別の大学に移った人がおり、彼らには自らの権利を行使して、自分の望む環境に自らを近づける決断力が日本人以上に備わっているように感じました。日本の学生は何のために大学で学ぶのかわからず、出席率が重要なため気が進まずに授業に参加して授業中に私語をすることも多いですが、イギリス人学生がそうならないのは権利と義務の関係が感覚の中に染みついており、メリハリをつけることが可能であるからだと思います。さらに個人主義の感覚が強いため、自分と友人以外の人や自分に関係のない出来事は自分の意識の外に置くことが容易である点も、彼らが自分のしなければならない勉強と遊びに没頭できる要因であると感じます。