Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

ヴィリニュス大学
2024年 6月号 国際学部 K.Y

Labas:))

いよいよ最終号となりました。

今、このリトアニアでの生活を振り返ると、約一年住んでいたはずの記憶が、まるで夢のような時間であったと感じます。リトアニアへの留学は、人生の中で最も刺激的で充実し、多くの人との出会いで溢れ、自分自身と良く向き合うことのできた、かけがえの無い経験となりました。

  

 

留学をふりかえって

 この留学中、私が得た大きな気付きは、自分がどれほど“無知”であったかということです。それは、世界の事象についても、また特に日本の事象についてもです。私が現地で出会った学生達は、高度な英語能力を持ち、世界の歴史から現在の世界情勢までと幅広い知識を持っていました。自分と近い年であるにも関わらず、彼らとのかけ離れた知識や能力の差を知り、何度も悔しい思いをしましたが、そのような環境に身を置き毎日新しいことを学ぶことは、自分にとってとても刺激的でした。彼らは自国についてのプライドを持ち、その歴史や社会事象について熱心に語ることが出来ていました。しかし、私の場合、日本の歴史や文化について尋ねられた際、答えることのできなかったことが多く、海外の方の方が日本について良く知っているような感覚でした。自国について無知ということは、日本人として恥であると感じ、それが日本をより良く知り、その情報を伝えたいという大きなモチベーションになりました。

 

 また、リトアニアという小さな国で生活したことにより、自国である日本に対する見方が変わりました。日本のポジティブな面とネガティブな面を異なる角度から発見したからです。そして、日本の当たり前は海外での当たり前とは違うという点を強く実感させられました。24時間営業であるコンビニがある、自動販売機がある、トイレは無料で使用出来る、これらはヨーロッパの国では当たり前で無く、日本がどれだけ大きく、恵まれた国であるか、そしてどれほど娯楽や技術が進んだ国であるかということに気付きました。一方で、日本では残業は当たり前、敬語文化、同調圧力、そして人にとても気を遣うなど

 日本にいた際よりもフリーな時間が増えたため、私はその時間をとにかく人と会い、話をするということに費やしました。この積極的に“人と出会う”という行動は、是非留学をする全ての皆さんに挑戦して頂きたいです。多くのイベントや交流会に自分から積極的に参加した結果、世界中からの多様な人と出会い、その出会いが新たな出会いを呼び、自分を新しい世界へと導いてくれました。留学中にしか出来ないことは何かと考えた際、それは人と会うことだと思います。その場、その時でしか会えない人と出会い、お互いの国の言語や文化についての知識を交換する、そのような経験は留学をするからこそ得られる経験です。英語を学ぶことは日本で十分にできますが、様々な人と出会うことは、その都度運命であるからです。今を振り返ると、私の留学が充実していたのは、すべて、私の周りにいた多くの友人、また日本からサポートして下さっていた方々のおかげであり、自分を取り巻く“人”とその出会いに対するありがたみを強く感じました。これからも出会いを大切に、何事にもオープンに、アクティブに生きたいと思います。

 

 私は、この一年で結構な程のリトアニア愛が増加し、ヨーロッパでの生活を日本よりも快適に感じているため、留学中に苦労したことはあまり思いつきません。しかしながら、初期段階の寮生活(衛生面や他の人と何かを共同で使うこと)や、英語で学問を学ぶことは簡単なことではありませんでした。この一年間様々なトラブルを経験しながらも、それらをひとつずつ乗り越えていく上で、”死ななければ大丈夫”といったメンタルを得て、落ち着いて冷静に解決法を考案できるようになりました。留学という大きなチャレンジを通し様々な世界を知り、色々なことに足を踏み入れたことで、自分自身も人として一回り成長したように感じます。

 

 この一年間は、自分のやりたいことに全力で取り組み、小さな夢を少しずつ叶え、広い世界を知り、また自分を取り巻くすべての存在への感謝を見つけた、とても充実した一年になりました。世界は広く面白く、私の見ていた世界は本当に小さいものでした。まだまだ数えきれない程の知らないことを追いかけ、またオープンな価値観を育成させながら、また生きていきたいと思います。

 

                        

 

この経験をどう生かすか

リトアニアでの経験を通して得た多くの力や気付きの中で、特にこれからの人生の中で掲げ続けていきたいことが三点あります。

まず、広い視野を持ち続け、何事にもオープンでいることです。留学中に出会った多くの多様な人々や価値観、文化のおかげで、今の自分自身は幅広い視野を持ち、様々な違いに寛容になったと感じています。1つの考えや常識にとらわれず、十人十色を尊重していき、多くの人々とのより良い交友関係を目指したいです。また、常に様々なことにオープンに生き、出会いを逃さず、充実した人生に繋げたいです。

二つ目は、好奇心と探求心を持ち続けることです。留学中は、様々な事象に対し、常に興味と問題意識を持ち、疑問をその場で調べることをしてきました。大小様々な事象に対し、“なぜか”と考えその理由を調べることや、友人と簡単なディスカッションを日常的に行っていたおかけで、小さな知識を沢山得た上に、物事の大きな繋がりまで発見してきました。新しいことを“知る”経験はとても面白いもので、この世界がより興味深いと感じるようになりました。また、好奇心があると、様々なことにチャレンジする機会が広がり、そこから得た貴重な経験や出会いがありました。好奇心と探求心は、毎日の生活を豊かにするものであると実感しているため、今後もこの二つの要素を大切にしていきたいです。

三つめは、チャレンジ精神を忘れずに、色々な経験を自分の成長の糧にすることです。人生は苦労なしには語ることが出来ず、沢山の困難が待ち受けていると確信しています。しかし、この留学をやり遂げたという事実に誇りを持ち、不可能を可能に変える勢いで、様々なことにチャレンジしていきたいです。

そして最後は、人と自分を大切に生きることです。留学を通して、この素晴らしい経験が周りの人にどれだけ影響されて成り立っていたか、ということに気付きました。留学の思い出を振り返ると、ほとんどの記憶は、誰かとともに過ごした楽しく、時には辛く、しかし幸せな時を思い出します。人が人を呼び、新たな出会いと経験を導き、それらが自分の経験となっていきました。また、人と出会い、人を知り、助け合い、刺激を貰い続けることにより、自分自身を発見することにも繋がりました。自分の人生にかかせない全ての人々を、これからも大切にしていきたいです。そして、人を大切にすると共に、自分自身を大切に考えるヨーロッパの思想が魅力的に思えたため、自分自身も大切にしていくよう心掛けたいです。

将来は、日本を飛び出し、ヨーロッパに戻ることが夢であります。今は、私の小さな夢として、リトアニアに何かしらの形で関わり、リトアニア文化の発信と保存に貢献したいと考えています。また、自分は知識を共有することと旅行が趣味であるため、観光業に携わりながらまだ知らぬ世界を見ていきたいという目標も出来ました。卒業後の予定として、海外の大学院か、就職か、海外にワーキングホリデーにいくかなど、様々な道があり今も尚悩んでいるところですが、自分の将来について良く考えながら、自分のやりたいことに素直になり、また自分の可能性を最大限に発揮出来るような道を選びたいと思います。

 

 

 

ミニコラム ~これから留学を考えている、または決定している方へ~

 まず、留学をするか、しないかで迷っているならば、絶対に“する”です。もちろん、海外に行くことは、本当に大きな挑戦で、膨大な不安があると思います。しかし、そう思うのは当たり前であり、留学を経験してきた方全員が抱いていたものです。自分にとって簡単とは思えないことにあえて挑むことが挑戦というものであり、そこに価値があると思います。何かにチャレンジするからこそ、何かしらの形で必ず得るものがあり、それらが私達の人生を豊かにしていくと実感しています。必ず、自分にとってプラスになるものを収穫できるので、是非、留学への一歩を踏み出してほしいと思います。大丈夫です!

 

 また、留学が決まっている方へ、その留学をより充実させるためのアドバイスとして、留学中での具体的な夢や目標を書き出してから渡航してください。これは私が実際に行っていて、充実した留学ライフを送るためにとても重要なことであると実感しています。私の場合は、渡航前に、まず留学を通して達成したい全体的なゴールを決めた後、リトアニアで行いたいTo do リストを作り、最後に毎日必ず達成したい小さなノルマを三つ考えました(一日一回リトアニアにおけるインスタ投稿、英語で日記を書く、新しい人と会う)。どんな小さな目標であっても、それを忘れず掲げることで、目標達成のための新しい行動が生まれます。そして、その小さな一歩を重ねることで、やがて大きな世界に足を踏み入れることになり、有意義で充実した毎日へと繋がります。また、目標を達成した際の達成感が積み重なり、さらに色々なことに挑戦するモチベーションが生まれます。ゴールを明らかに、そして常に目的を持って生活することは、留学という貴重な機会をさらに良いものへと導き、また、今後の人生をより良いものにするためにも重要なことであるため、是非、留学中に実践して頂きたいと思います。

 

ここまで見てくださった方々、本当にありがとうございます!

Iki!(Bye!)

 

 

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