春学期の試験は4月最後の週から五月の初めにかけて行われました。今学期も引き続き①Español para extranjeros(留学生向けのスペイン語の授業)に加えて②Literatura Mexicana(メキシコ文学)と③Formación humana y social(道徳、自己分析のような人間哲学のような授業)を受講していました。
スペイン語の試験は前学期同様に、筆記・リスニング・会話の3項目があり、試験範囲は習ったところ全てでした。今回は割と接続法に的をあてた試験だったと思います。
メキシコ文学は、名前の通りメキシコの有名な著者達(今回は20世紀に限定されていました。)の作品を覚える必要がありました。授業の大半は生徒同士でのプレゼンテーションで、回数をこなして行くうちに作者とその代表作を少しずつ覚えていくことが出来たので特に難しくはなかったです。最終評価はレポート提出で現地の学生は本2冊だったところ、日本人は直前に担当教員に頼まれた「俳句」についてのプレゼンテーションを行う代わりにレポートの本は1冊にしてもらうことが出来ました。評価の発表の日は、皆でタコス、アイス、サラダ、トルタ(メキシコ版のサンドイッチ)、お菓子などを持ち寄ってパーティーをしたのが(ダンスの時間もありました。)メキシコっぽいなと思っていました。(笑)
3つ目の授業の試験は行われず、平常点や提出物で総合評価が出されました。
以前のレポートにも書いたように、メキシコに来てから特に身の危険というほどの物は感じたことがありませんでしたが、ここに来てようやく日本との治安の違いを感じさせられています。
6月に二週目頃から挨拶もかねてルームメイトの実家のあるオアハカを訪れていました。丁度そのタイミングで政府の教育改革に対する抗議デモが始まり、それによって6月11日から18日頃までオアハカ周囲の主要道路が封鎖されオアハカ-プエブラ間はもちろん、オアハカ出入りの交通手段が絶たれました。歩いてバリケードを越え移動する人達も多かったようです。18日からは警察が出動し道路封鎖は終わったものの状況は悪化し歩きでの移動手段も今は危険だと言われています。実際、教師達と警察官の抗争に巻き込まれた地域の住人が怪我をしたという記事も見ました。今でも長距離バスの運行は再開されていません。私と同じように移動手段をなくしオアハカから出られない人、またオアハカに帰れない人も多いと思われます。プエブラ-メキシコシティ間の封鎖や、空港の封鎖も試みられていたので今はただただ無事に日本に帰れる事を祈るのみです。
警察の民間人への発砲や暴行に対しての抗議も各地で行われ(プエブラでも行われたようです。)オアハカ教師達の抗議から今はメキシコ全体の問題へ拡大しているように感じます。
日本と大きく違うところは民放テレビ等で情報が一切流れないことです。事件を伝えようと抗争現場で取材を試みた記者が殺されるという事態も起こっているほどです。インターネット上でしか情報が入手できず、一番の情報源が市民によるものです。警察が動くこと自体が悲惨な方に動くことも私の感覚では考えられないものでした。今特に思うのは、やはり起きる時は何か起きるもので、他の日本人学生も旅行をしていた中全員が今まで無事で過ごせて良かったなということです。また私からのアドバイスは例え夕方や夜ではなかったとしても、人通りが少ない道や、歩いていて人を見かけなかった場合は昼間でも十分注意して下さい。
『外務省 海外安全ホームページ』
メキシコ:CNTE(教育労働者全国協議会)の抗議活動に関する注意喚起(6月22日)
http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcspotinfo.asp?infocode=2016C169