グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

米国仏教大学院
2014年5月号 実践真宗学研究科 H.S

①この留学を振り返って

この留学は私にとって2回目の長期留学となった。なので、外国に住むということでのカルチャーショックを受けたり、生活面でしんどいなと思うことはなかった。だが、学問に関しては自分の勉強に対する姿勢を根底から覆されるほど、大きな影響を受けた。それまでの自分がしてきた勉強の甘さが露呈し、素直に受け入れられないこともたくさんあった。アメリカは世界中の学者や研究者が集まる場所であり、そこで行われている研究のレベルの高さには驚かされた。IBSで一緒に授業を受ける生徒や先輩、先生方を見て、自分が大学院生ということが恥ずかしくなるほどだった。それと同時に、このような素晴らしい環境で10か月もの間勉強させていただいたことの有難さを感じるようになった。特に英語で仏教を学ぶことの素晴らしさを実感した。仏教の教義に関しては、正直なところ龍谷大学でのほうが書籍もそろっている。しかしながら、世界中の仏教学者が書く論文や書物で日本語に訳されていないものはたくさんあり、それらを英語を手段として読むことができる、学ぶことができるというのは日本にいてもなかなか機会もないので、本当に素晴らしい経験となった。こんな考え方があるのか!こんな視点からも仏教を学ぶことができるのか!と日々驚きの連続であった。自分の研究の視野もかなり広がったと感じた。

さらには、多くのお寺を訪問する機会にも恵まれた。住んでいた西海岸を初め、ハワイ、さらには東海岸のお寺にも行くことができた。そして、何度かご法話をさせていただく機会にも恵まれ、現地のご門徒さんや僧侶の方々とお話しする機会も本当に多かった。日本とアメリカとではお寺の組織作りや、法要の手順も違う等、比較できる点がとても多い。1年間通して見て、日本とアメリカのそれぞれのよい面や悪い面も自分なりに考えることができた。そして私たち日本にいる僧侶もアメリカの寺院活動等、良い面は幅広く見習うべきであると私は感じた。良いか悪いかは各々の判断となるが、それらをよく吟味して、排他的になるのではなく、日本の仏教界の活性化への大きなヒントをそこから見出すことができると私はアメリカ仏教を見ながら感じた。

 

②帰国後この留学経験をどう活かす予定か

私は帰国の後、1か月後に今度はヨーロッパ仏教の調査へ2か月半ほどヨーロッパへ滞在する。自分の中ではこの留学はこの調査のための準備期間でもあると位置づけていた。もちろん準備期間以上の本当に素晴らしい経験をさせてもらったことは言うまでもない。西洋言語で仏教を学ぶ、英語自体を学ぶ、西洋での仏教事情を知る、それらがヨーロッパでの調査に向けたアメリカでの目的であった。そして、その積み重ねた経験、知識を基にヨーロッパにおいての仏教の調査を行う。アメリカから帰国直後に行くのも、日系社会に根付いたアメリカの仏教と、日系社会にない場所で発展したヨーロッパ仏教の比較をしやすくするためである。

ヨーロッパから帰国後はまず、この1年間でのことをまとめる。そして、修士論文を書き、修了という順序になるだろう。そこからのことはまだ未定であるが、できることなら浄土真宗の海外開教にたずさわることのできる仕事や勉強がしたいと思っている。その時に今回の留学の経験が大いに活かされると信じている。もし、そのような機会にめぐり会えなかったとしても、海外で学んだ様々な仏教徒の活動やそこで得た経験は、日本においての布教伝道にも十分に生かせるものだと思っている。少子高齢化等でお寺に来る人が減る一方、仏教に関する関心が年々増えている現状において、この海外からの新鮮な風を日本での伝道に活かさない手はないと考える。そのためには今はさらにさらに宗学や伝道の勉強を続け、いつかなんらかの形で今回の留学の経験が活かせる場を様々なところで作りだせていけたらな、と思う。

 

 

バークレー仏教会でのご法話

 

 

 

ワシントンDCの惠光寺