【授業紹介】
私は、カリフォルニア大学デービス校のキャンパス内に併設されているExtension centerという施設で、語学の講義を受講しています。Extension centerには多数のコースが用意されており、私は”Intensive English program”という10週間プログラムのうちの4週間分の講義を受講しています。このコースでは、Reading and Vocabulary、Grammar、Composition、Listening and Speakingという授業があり、1クラス13名ほどで講義を受けます。プログラム開始前のオリエンテーションの際に受けるテストの点数によっては、TOEIC対策講座や発音のクラスなども受講できます。私のクラスには、日本、中国、韓国、トルコ、ブラジル、イランの学生がおり、年齢は10~40代、職業も様々で、彼らとの会話は非常に興味深く、毎日が刺激で溢れています。私は、研究をするために留学をしているので、授業の取り方を事務の方と相談し、Grammar、Composition、Listening and Speakingの講義だけを受講しています。講義方法は日本と異なり、学生が積極的に自身の意見や回答を発言し、大変賑やかです。最初は自ら発言をすることに抵抗があり戸惑う日本人学生が多いですが、積極的に講義に参加することで英語力も格段に伸びるので、恥ずかしさを捨てることが重要だと感じました。
【カルチャーショックについて】
私が驚いたことは、学生の勉学に対する姿勢の違いです。現在、カリフォルニア大学デービス校の日本語クラスのティーチングアシスタントをしているのですが、日本では、講義中は板書を中心とし、静かで、先生の声だけが響く授業風景が一般的ですが、アメリカでは、先生が生徒に積極的に質問を問いかけ、学生も疑問点や意見を次々と発言します。日本では、質問することは恥ずかしいこと、ダサいことと考えられていますが、分からないことをそのままにしていることの方が、もっと恥ずかしいことだと感じました。時に講義が脱線することや、騒がしく感じることもありますが、彼らの勉学に対する熱意や貪欲さに刺激を受け、自身の勉学の方法を見直す良い機会となりました。講義後も積極的に学生が発音や単語の意味など積極的に質問にきます。印象的だったのが、名前をカタカナで書く際、“Vivi”は「ビビ」か「ヴィヴィ」のどちらで記載すべきなのかという質問と、カタカナの長音記号“―”と漢字の“一”の見分け方をどのようにすればいいのかという質問でした。日本の外から日本を見ることで、改めて日本語という語学の難しさを実感すると共に、自国の言葉に対する理解力の低さにも気づかされ、良い機会となりました。
【自由テーマ】
今回は、留学目的である研究にまつわる話を書きたいと思います。
留学当初は「英語をマスターし、将来は研究について・・・」という意気込みに燃えていても、渡米し、時が経つにつれて疲れや思惑違いを多々経験するうちに弱気の虫が出てくることがあります。楽をしたくなるのは人の常です。その際は、研究以外で周囲の人とコミュニケーションをとることや、日本人と目一杯日本語を話すなど、リフレッシュ方法を見つけることが大切です。研究を効率的に進めるにも、楽しい研究生活を送るためにも、モチベーションの維持は、日本にいる時以上に意識することが極めて重要だと感じました。
また、全く専門分野の違う人に対して、自分の研究や将来目標の話をする機会が多々あります。たとえ専門家でなくても、知的な人は的確な質問をしてくるため、それに触発され、自身の理解できていない部分が明確になることがありました。そのため、技術的な詳細までは伝えられなくとも、自分の研究がおおよそ何を目指し、それが広い意味で社会とどう関わるのか、研究を達成するためには何が必要か、といった話を素人にも分かりやすく、興味を持たせる話ができるよう準備をしておくことが大切だと感じました。