Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

ハワイ大学マノア校
2015年4月号 国際文化学部 M.T

①カルチャーショックについて

ハワイに来てから約9ヶ月が経った今、普段カルチャーショックを感じることは少なくなくなりましたが、やはり日本の文化との違いに驚いたり、ショックを受けたり、嬉しかったりすることはたくさんありました。ここでは、私が感じた文化の違いをいくつか紹介したいと思います。

一つ目は、ごみの分別の仕方です。日本にいるときは、燃えるゴミ、燃えないゴミ、缶、ビン、ペットボトルなど、ごみの種類によって分別することが当たり前でしたが、こちらでは、燃えるゴミ、燃えないゴミの2種類にしか分別しません。ビンや缶などを含め、燃えるごみ以外のものは殆ど燃えないゴミに分別されます。また、学校のカフェテリアやお店でも、使い捨てのお皿やコップ、スプーンを使っているところは多く、あまり環境への配慮やリサイクルのシステムが整っていないように感じました。それゆえハワイでのごみ問題は深刻で、美しい自然があふれる一方、処理しきれないほどのごみが放置されていたり埋め立てられていたりする事実にはショックを受けました。

もう一つは、授業のスタイルや先生と生徒との関係です。日本の授業のスタイルと違い、こちらでは授業中に生徒が発言したり質問したりするのが当たり前です。またディスカッションの時間もよくもうけられるため、自分の意見をしっかりと持ち相手に伝えることが 重要になってきます。クラスには様々な年齢の生徒がいますが、年齢に関係なくお互いの意見を受け入れているように感じます。また、どの先生も一人ひとりの生徒にとても親身に接してくれます。オフィスアワーや、ときには休日も使って生徒の勉強のサポートをしてくださり、質問があるときや困っているときなど、生徒にとって先生はとても近い関係であるように感じます。

文化の違いに時には戸惑うこともありますが、それらを体験することはとても新鮮でもあります。日本にはない考え方や習慣に出会うたびに、独特の文化の良さに気付いたり、また新しい発想を与えられたりします。

 

②マウナケアと天体望遠鏡

先日、ハワイ大学のキャンパス内でマウナケア保護のための集会が開かれ、ハワイ語のクラスの皆で参加しました。

マウナケアとは、ハワイ島にある世界一高い山です。日本ではあまり話題になっていないかもしれませんが、現在、この山の山頂にTMT(Thirty Meters Telescope)と呼ばれる巨大望遠鏡が建設されており、たくさんのハワイアンたちがこの土地を守るために署名運動やデモを行っています。ハワイアンたちがこれに反対している理由は環境への悪影響だけでなく、この山は彼らにとってこの上なく神聖な場所であり、自分たちの先祖である神々が住んでいると信じているからです。彼らは、メディアが”protestors”(抗議するもの)と呼ぶ自分たちのことを、“protectors”(保護するもの)と呼んでいます。

この日ハワイ大学で行われた集会では想像以上に多くの人が集まり、自分たちの土地と文化を守るために頑張っている人たちの姿からとても刺激を受けました。そこでは、参加者みんなで長い一本の列を作り、Ahuと呼ばれる祈りを捧げるための場所をつくるため、石を渡していきました。完成した後、Ahuを囲みハワイアンのリーダーたちが詠唱を捧げましたが、それはただただ神聖な空気に包まれていました。大人だけでなく地元の子供たちも参加しており、小さいながら声を張り上げている姿からは何か訴えてくるものがありました。実際に自分たちの力で変化を起こそうとする姿からは学ぶものがたくさんあり、日本もこの巨大展望台の建設に携わっているため自分にも何か行動を移す責任があると強く感じました。