Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

アリゾナ州立大学
2017年1月号 国際文化学部 R.M

試験について

ASU の試験制度は受講するクラスのタイプや教授によって変わりますが、ざっくりと三つに分けられるかと思います。まず、ASUでは龍谷大学とは違い、一つのセメスターの中でもクラスが三種類の受講期間に分けられています。それらはセッションと呼ばれA,B,Cで分かれていますセッションCがセメスターのすべて(15週間)を通して受講するタイプで、セッションA,Bがセメスターの前半と後半に分かれているタイプの授業です。なので後者の二つは約7週間で受講を終えるため獲得単位数は比較的少ない傾向にあります。また、オンライン単位大学ASUの特筆すべき点でもあるオンラインによる受講(Icourseと呼ばれています)はセッションAかBに振り分けられています。

セッションCのほとんどのクラスでは、中間テストと期末テストの二つが用意されています。中間テストでの成績が芳しくなかった場合は、その時点で履修辞退を申し出ることが可能です。ASUではGPAが履修登録の際の必要条件になることが多いので、中間テストに失敗すると履修辞退をする人も多いみたいです。私たちJ-1ビザの生徒たちも登録の際に12単位(Icourseを除いて授業に出席するタイプは9単位の登録)が必須ですが、途中での履修辞退や単位未修得の場合でも強制送還となることはないようです。テストの回答方法や難易度は様々ですが、やりがいのある授業がたくさんあります。

セッションA,Bは短い期間で単位取得を目指すものなのでテストなどはとても多様です。セッションA、Bの授業はオンライン授業や体育など様々ありますが、私はオンラインの授業と、一つ風変りな授業を今期に受講予定なので、体育については残念ながらわかりません。オンラインの授業については約2週間ごとにテストが設けられていて、それまでに個人でオンラインにアップされている講義を受講しておく、という形を取っています。講義はUnitという形で4つに分けられ、各Unitに4つの単元が用意されており、さらに各単元ごとに15~30分の講義が2~4つあります。物量としてはセッションCの前半部分の授業数に相当するぐらいかもしれませんが、総体の受講時間は比較的少なめです。ただ、個人がパソコンで受講するタイプのものなので、友人をクラス内で見つけることは難しいですし、友人と共にテスト勉強するという経験はできないかもしれません。

しかし、ビデオ形式の講義なので理解するまで何度でも受講可能なところがオンライン受講のメリットとして挙げられます(ちなみに字幕はありません)。

また、私が今期受講予定のもので二日間美術館に行ってレポートを提出するという、授業のものがあります。これは1単位しかありませんが、その指定されている2日間のみが受講期間となっていますので、受講期間がセッションの中でも限られているものもあります。またこの授業のように、実質テストと呼ばれるものが存在しない授業もまれにあります

 

 

自由テーマ -Arizona State University, Phoenix とは-

今月号の自由テーマでは、ASUとその町Phoenixについて記載したいと思います、というのも、交換留学に申請するときに願書を出す必要があるかと思いますが、私はそれの作成にとても苦労しました。当時は英語も読めず、ASUのサイトの情報や日本語サイトのみで苦心しながら作成した記憶があります。なので、お節介なのは承知の上で、現地のアメリカ学生や、留学生たちとのこれまでの経験をもとにASUとPhoenixの街の特色について記載し、交換留学を目指している方で、アメリカ留学を視野に入れている方の力に少しでもなれたらな、と思います。

まず、やはりASUはビジネス、宇宙関係などの分野で力のある大学として有名です。伝え聞いた話によると次の火星に関するプロジェクトにも関わっているとかいないとか。ビジネスの分野ではW.P.Cという学部があり、現地の学生、留学生ともに、この学部があるからASUに来たという学生が多くいます。また、英語の研究も盛んで、Academic Writingなどにも定評があります。なので、多くの留学生の一年目の学生はWACENGという単元で英語の基礎を学びます。現在私もこれらの授業を履修していますが、基礎でありながらWritingに必要不可欠なRhetoric(修辞学)を学ぶことが出来ます。これもASUのひとつの強みではないかと思います。

Phoenixという街ですが、比較的歴史が浅く、私たちと同世代の学生の多くは、生まれてから家族で移住してきた人や、単身大学のために来ている人が多く、アメリカ人といっても色々な地方からきた学生が多いです。なので国際色豊かな大学でありながら、地方色の強い学生とも会うことができ、アメリカ国内でのアメリカ文化の違いを発見することもできます。また、開発が比較的後発であったためか、道路の整備がかなり画一的です。アメリカの道路は格子状で区切られていることで有名ですが、Phoenixは道路が広く、文字通り直線で区切られているため、様々な場所へのアクセスが容易です。そのため、ほとんどの生徒が自分の車を持っており、車通学の生徒も大勢います。残念ながら龍谷大学では交換留学生の車の運転は認められていないため、友人か、Uber等の運転代行サービスに頼るほかありませんが、この車社会の在り方もPhoenixという街の歴史と関わっており、非常に興味深い生きた文化の一つではないでしょうか。

最後になりますが、移住してきた世代と、従来から住んでいた世代、という世代間の差を直に感じれるところもPhoenixの特徴です。タイムリーな話題になりますが、トランプ新大統領が一番の例かも知れません。アリゾナは最終的にトランプ派の投票が上回りました。理由としては、Phoenixという街には大学があり、私たちのような世代が大勢いますが、現状としてトランプ氏を支持していると言われる世代が依然として多いからだ、と現地の人々から耳にしました。私はトランプ氏を支持することや、アメリカの政治に口を出せるほどの教養を未だ持ち合わせていません(日本についても同様です)が、現在のPhoenixの街で、グリーンカードを持っている友人から、差別的発言を受けることが増えた、もしくは初めて言われたという話を聞き、そういった言論が行いやすい雰囲気になりつつあるのかもしれいと感じる程度にはなりました。もちろん、アジア圏に友好的な人々も多く、むしろ国際色豊かな大学ですので、アジア圏だけでなく白人系(こういった括りは非常に失礼なのですが)の方たちとも交友関係を持つことは多いです。アリゾナ州立大学を選ぶ理由の一つが、まさにこれかと思いますが、国際的というだけでなく、アメリカ国内での地方的、歴史的な横の関係性、また世代間の文化差異という縦の関係性も経験できるのが、アリゾナ州立大学の素晴らしいところではないでしょうか。

 

 

Dateのところにセッション別の受講期間が出ます

 

少し変わった授業です