・この1年を振り返って
この留学も残すところ約一か月となりました。セメスター2は時間が経つのが早いということを過去の留学生らに聞いていましたが、まさにそのように感じました。二月にこちらの大学に到着し、右も左もわからない状況ながら、毎日どうにか周囲について行こうと焦っていた頃を既に懐かしく思います。しかし、マードック大学の日本人留学生コーディネーターの森山先生、サポートクラスを担当して下さるジェームス先生などをはじめする恵まれた周囲に助けられながら、どうにか乗り切ることができそうです。
セメスター1の間は、授業やこちらの生活に慣れることで精一杯だったように思います。毎回、readerの予習がどの授業にもありましたが、全て読み切ることが出来た事は少なかったように思います。しかしtutorial中に発言するためにはそういった予習や、授業の復習が必須になってきますので、予習・復習は欠かせないと思います。
セメスター2では、新たな授業を受講することで、周囲の生徒の色も前期と全く異なっているように感じました。それは、前期ではアジア研究、後期ではメディア学を主に受講した為かもしれません。後期では、前期よりもすぐ授業のペースなどを把握できるようになり、時間に余裕を持てるようになりました。ですから、前期ではあまりできなかった友人と出かけたり食事をしたり、日本クイズ大会に参加したり、残りのこちらでの生活を楽しむことと勉強の両立を心掛けるようになりました。
そういった一年間を通し、英語や受講した科目の内容などの勉強面だけでなく、状況適応力や自分のペースを保つことなど、日常の面でも成長できたのではないかと思っています。支えてくれた先生方、同じ交換留学生、現地の学生や日本語を勉強している生徒の皆に心から感謝しています。
・帰国後どう留学経験を生かす予定なのか(帰国後の予定)
私は同じようにマードック大学に交換留学生として来ている皆と異なり、既に卒論を書き終え、卒業保留という形で交換留学に来ていますので、翌三月に卒業となります。現在の目標としては、日本語教育指導の資格の取得です。また、海外の大学院への進学も考えていますが、未定です。明確なことはまだ何も言えないのですが、どのような道に進んだとしても今回の留学経験は活きてくるだろうと確信しています。といいますのも、やはり留学前と後では物事の考え方が異なっているように感じますし、曖昧な言い方となってしまいますが、広い視野を取得するきっかけを得ることができたように思っています。例えば、日本では「~歳だからもう絶対…していなければいけない」といった、真面目な考え方が一般的なように思います(勿論、人によって異なります)が、こちらでは年齢などは些細な事と考えている人が多いように感じました。私が、「日本では普通、大学は四年間で卒業するけど、私はもう五回生なんだよね。」と言うと、「でもまだまだ若いから何でもできるよ」と言われたことがありました。その考えを糧に、今後もいろいろな事に挑戦したいですし、この留学で満足するのではなく、今回の留学をスタート地点とし、今後も英語の学習や興味のある分野の学習にも励んでいきたいと思っています。
・自由テーマ
2セメスターの授業が全て終了しましたので、受講した授業をテストや課題を主に振り返っておきます。
[MCC116: Introduction to Screen] : 授業の最終週にConcept Testという、Short Filmを見て1000 words程度でエッセイを書くというテストがありました。映画の時間は8分程度、エッセイを書く時間は90分与えられました。因みにこのようなテストの形式になったのは今年から(来年以降はわかりませんが)のようです。それまではmultiple choiceなどが主だったようです。この授業では他に、エッセイが二回、プレゼンテーションが二回課されました。この授業で最も印象的だったのは、黒澤明監督の「羅生門」がInternational Screenとして取り上げられたことです。この映画についてエッセイを書いたのですが、Tutorに「視点が我々と違ってとても興味深い」と言っていただけたことや、その先生がお気に入りの黒澤監督のDVDを貸していただいたことがとても嬉しかったです。この授業に限らず、留学生であること・日本人であることというアイデンティティーを活かすことは留学中に大切なことの一つなのではないかと思います。
[MCC103: Contemporary Culture] : この科目は期末テストではなく、毎週のtutorialで小テストを受ける形式となっています。小テストには授業やReaderからの引用が求められます。よって毎週の予習復習が特に大事になってくる科目です。この授業は文化学に興味があるので受講したのですが、今期で一番苦労した授業でもあります。それはTopicの幅広さや、多くの日本人には馴染みのない文化を学ぶことがあったためではないかと思います。その一方で、日本、オーストラリアや欧米に共通する文化現象も学びました(例えばBody Cultureで女性の痩せ型思考など)。文化人類学に興味のある方にお勧めできる授業です。
[BUS102: Introductory Chinese]: この授業ではテストのみが成績評価の対象となるので、毎回の小テストと期末テストの対策をきちんとする必要があります(現時点で期末テストはまだ受けていません)。先生曰く、やはり漢字のアドバンテージがあるので日本人は毎年成績が良いそうです。確かに読み書きは他の生徒より習得しやすいように思いますが、個人的には聞くことや話すことはとても難しく感じます。先日、Oral testを受け終えたのですが、反省点が多く、今後もっと頑張ろうと思いました。語学学習に興味のある方や、他に難しい・忙しい授業を受講する方に、漢字というアドバンテージを活用できるのでお勧めの授業です。日本人以外の生徒と同じスタートラインで、新しい語学を始めるというのは楽しく、周囲と共に成長することを実感できるのではないかと思います。