Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

中国人民大学
2023年11月号 文学部 S.N

「授業紹介」

 今回は語学留学生として国際文化交流学院(学部)に属している私の授業について紹介する。授業は1コマ90分、私の授業は平日の1限2限にある。1限は8時からなので日本よりも早いが、毎日午前中に授業へ行き、午後はフリーというこの生活スタイルは時間を有効的に使うことができるのでとても気に入っている。留学生が中国語を学ぶために設けられたコースにはレベルが初・中・高級とあり、それぞれHSK4・5・6級レベル程度である。内容はリーディング・スピーキング・リスニング・作文がありそれぞれ担当の先生が指定された教科書に沿って授業を行う、リーディングはさらに精読と閲読に分かれている。私は初級クラスに属して、毎日同じ15人程度のクラスメイトと一緒に中国語を学んでいる。リーディング(精読・閲読)・作文の授業は文章を読んで理解することに焦点が当てられているので日本人の私にとっては比較的理解がスムーズだ。と言っても、理解がスムーズというのは教科書上の選択問題のようなものに答えられるというだけで、例えば先生に「今回の文章の内容を紹介してみて」と当てられた時は簡単ではない。スピーキング・リスニングは日本人の私にとっては難しく感じる。私以外のクラスメイトのほとんどは英語が堪能だ。これは本当にいいことだが、逆に中国語を使わなくてもコミュニケーションが取れてしまうというところがある。私は英語が苦手なので、英語で話すなら中国語を伸ばした方が早い。コミュニケーション手段が中国語しかない環境は、中国語を伸ばすにはとてもいいと言える。

 

「中国語の勉強の仕方」

授業紹介というテーマに関連して、どのように中国語学習を行なっているのか紹介しようと思う。留学先の中国の大学の授業は全て中国語を用いて行われているが、実は初めの1ヶ月ほどはほとんど聞き取れなかった。私は日本の大学では第二外国語として中国語の授業を受けていたが、その授業はもちろん教えてもらう言語は日本語なので気がつかなかったが、自分が思っているよりもリスニング力がないことに留学してからやった気がついた。多くの日本人が当たる壁ではないかと感じるのだが、漢字を見て理解できる単語も音だけ聞いたら理解できないということが度々あった。質問されても何を言っているかわからないので答えられず、こんな簡単なことも答えられないのかと本当に悔しかった。私のクラスは私以外全員欧米から来ていたのでこのような悩みを共有することができず少しだけ苦しくもあった。ただ、欧米系のクラスメイトは漢字を一から覚えなければいけないし、初めて見た漢字に対して、「言偏から言葉に関連した漢字だ」、「三水から水に関連した漢字だな」と推測する感覚をとって見ても私たち日本人よりは圧倒的に不利だと言えるのではないだろうか。彼らの方が何倍も努力して今のこのレベルにいるのではないだろうかと思うと、落ち込んでいる場合ではないと気を引き締めることができた。初めの1ヶ月ほどはとにかく音に着目して授業で扱われた全ての文章や単語は、少しでも曖昧なものにはひたすらピンインや四声をふった。しばらく続けていると、私は四声を覚えるのに特に時間がかかることがわかった。それからは四声に注意を向けて読んだり覚えたりするよう心がけた。そうすると自分でも驚くほどリスニング力が向上した。1ヶ月後には先生が授業の中で話す言葉の9割ほどは聞き取れるようになり、それが自信になり積極的に発言することも増えた。とはいっても、スピーキング・リスニング、私の場合は特にリスニングが今でも苦手だ。これからも自分の特徴を探し、どのような学習方法が最も自分に合っているのか探りながら、このような良い環境の中でこれらかも効率よく中国語を伸ばせるように努力したい。