オーボアカデミーでの授業を紹介します。1つは心理学のEmotions、もう1つは哲学のTruth, Power and Justiceという授業です。オーボにはself-study courseという、参加する授業そのものが存在しない、自分だけで与えられた課題を提出し評価をもらう形態のものがあるのですが、対面の授業受けたい派なので僕はこれをとらないことにしました。現在すでにもうこの2つの授業を完了しているので大まかに評価します。
Emotions
Emotionsは人の感情の働きを俯瞰して深く観察し分析する授業でした。各授業毎に愛、喜び、怒り、嫌悪などテーマの感情があり、それをディスカッションするなどして深堀します。それぞれの感情によって体のどこが熱くなって、体はどんな反応を示し、どんな信号を脳に送るかなどを学ぶことができました。評価方法はグループプレゼンと本を一冊読んで受けるテストの2つです。プレゼンでは教授から実際の精神的な問題を持った患者のケースを渡され、どんなアプローチをするかを発表するものでした。人の感情をこんなに深く分析したことはなく新鮮で、なによりグループでどんな処方が最適解か導き出すのが楽しかったです。テストに関してですが、読み物が苦手なので本は一切読まず、用意されていた例題を全て暗記して挑んだ結果合格することができました。この授業は専攻が違っても基礎知識などもいらないのでおすすめです。
↓プレゼンで作ったモデル
Truth Power and Justice
この授業は難しかったです。毎週読むのに素人の自分には軽く4時間以上かかるエッセーを読んでから参加する必要があり、生徒も上級者が多く、ディスカッションの時には何を議論するかも全く理解できていなかった自分にとっては地獄でした。かといって沈黙に逃げることはしたくなかったので、とりあえず頭に思い浮かんだ質問を投げかけたりしていました。こっちのレベルに付き合ってくれる優しい人もいたのですがほとんどの場合態度でねじ伏せられ、専門家たちだけで早口で議論を始められます。評価方法は、長い哲学論文を読みそれに関するエッセーを書くことと、その論文に関してプレゼンを一人で15分することです。このプレゼンは人生でこれ以上きつい挑戦は訪れないだろうなと思ったぐらい挑戦的でした。哲学に長けてない人はこの授業は避けた方がいいと思います。
フィンランドの授業
どちらの授業も生徒は20人ほどです。日本の授業形態との差に毎回驚きます。生徒は授業中躊躇なく教授に質問を投げかけまくります。質疑応答だけで授業が終わってしまうようなこともありました。質問というか、教授の言ったことに反論したりすることもあり、それに対して教授より先にまた反論をぶつける人などもいます。生徒は教授の名前を呼び捨てし、カジュアルに接します。最初の授業でびっくりして、先生と仲いいの?と聞いたところ、教授と生徒は対等な関係だから別にこれが当たり前だよと言ってました。
値段
フィンランドの物の値段は高いです。しかし買うものに気を付ければ日本での出費と同じぐらいにできると考えています。一概に物価が高いといっても、物によって全く違います。すぐ思い浮かぶ高いものは、お肉、外食、惣菜などの出来上がってる食べ物、お酒、輸入品、雑貨類などです。野菜やフルーツ、卵、交通費、服などは日本と同じぐらいだと感じます。逆にパスタの麺やジャスミン米、オートミールなどは日本より全然安いです。今は円安で1ユーロが160円を前後していて、毎回1ユーロ=100円なら日本と同じなのになーと感じるので、物価は基本日本の1.6倍だと感じます。
特にペン一本800円以上したり、プラスチックの本立てが1000円ほどしたりなど、日本だと百均で買えるようなものが信じられないぐらい高いです。お肉も高く、日本人留学生で肉が高すぎるためにベジタリアンになった人がいます。お酒が好きな人は残念ですが、もちろん飲み放題は存在しておらず、一杯800円前後のビールを売っているバーがあれば超ラッキーです。フィンランドは酒税がすごいらしく、6%以上のアルコールはAlkoという政府が管理する店でしか買うことができません。これが理由でフィンランド人はよく国境を越えたクルーズ船の上でお酒を買いだめして持ち帰るそうです。
↓1つ3000円のサーモンスープと1杯1500円のビール
生き方
料理の既製品が高いのでとりあえず毎日料理すること、必要なら弁当を作って出かけること、外食が高いのである程度友達からの遊びの誘いを断る勇気を持つこと、服類に関してははセカンドハンドショップで買うことを大前提にすることです。あと、年末年始はどのお店でも超特大セールをするので電化製品や家具など大きな買い物をしたいときは年末まで待ちましょう。幸いにフィンランドの水道水は京都の100倍おいしいので、飲み水に困ることはありません。
フィンランドのスーパーは興味深いです。入口が一つしかなく、レジを通るまで出ることできません。買いたいものが見つからなかった場合レジの横を申し訳なさそうな顔で通り抜けましょう。野菜やフルーツなど基本裸でおかれており、個数の値段ではなく、重さの値段が書いてあります。下の写真は玉ねぎ、ここは1キロ1.35ユーロで、自分が欲しい分取って、重さを自分で計って自分で値段のシールを貼ります。なんでも量を調節できるので一人暮らしにはありがたいシステムです。野菜以外でもほぼ全てのものの1kgあたりの値段が書いてありすごく便利だと思います。
学食
学食はおすすめです。学生証をもっていると一律ちょうど500円ぐらいで、毎日メニューが豊富なので飽きることはないし、フィンランド人が普段どんなものを食べるのかを安く知ることもできます。この日食べたのはパスタです。メインを一つ選び、お皿の上にパンや野菜などのサイドを乗せられる分乗せるこることができます。ビーガン専用の大きなコーナーもあり日本と違うなと感じます。