ハンガリー、特に首都のブダペストに滞在して感じたことは、街全体の治安が非常に良好であるということです。渡航前はヨーロッパの治安に対して一定の警戒心を持っていましたが、実際に生活してみると、身の危険を感じるような場面には一度も遭遇しませんでした。
私個人の経験を挙げますと、深夜まで友人と飲酒し、記憶が曖昧になるほど泥酔してしまったことがありました。しかし、そのような無防備な状態であっても、財布やスマートフォンなどの貴重品を盗まれることはなく、身体的な危害を加えられることもありませんでした。また、私の周りの日本人留学生からも、重大な犯罪はおろか、軽犯罪に巻き込まれたという話も全く聞いていません。これらの経験から、ハンガリーは夜間であっても基本的な防犯意識さえあれば、安心して過ごせる国であると言えます。
一方で、街中の治安の良さとは対照的に、生活の拠点である居住空間において「身の危険」を覚えるトラブルが発生しました。それは、同居していたイラン人のルームメイトとの人間関係です。
そのルームメイトは、私や他の同居人に対して、些細なことで激しく怒鳴り散らしたり、威圧的な言葉で脅してきたりすることがありました。物理的な暴力にまでは至りませんでしたが、逃げ場のない家の中で強い言葉で詰め寄られる状況は、非常に恐ろしく感じました。
しかし、この一連のトラブルは、単なる「怖い経験」で終わったわけではありません。この状況を解決するために、私は彼と対等に英語で渡り合い、自分の主張を伝え、時には喧嘩に近い形で議論を交わす必要に迫られました。
日本の教育を受け、周囲との調和を大切にする傾向が強い日本人留学生にとって、外国人と真正面から英語で衝突し、自分の身を守るために言葉を尽くすという経験は、ある種の「留学の洗礼」とも言えます。私も例外ではなく、この衝突を通じて、教科書的な学習では決して得られない「生きた英語」を駆使し、自分の意志を貫く強さを身につけることができました。
多くの日本人留学生が経験するであろう「英語で外国人と喧嘩をする」というプロセスを経て、自身の英語力が飛躍的に向上したことを実感できたのは、非常に大きな収穫でした。治安が良い国だからこそ、外部の犯罪に怯えるのではなく、こうした対人関係の摩擦を乗り越えたことが、私の留学生活における最大の成長に繋がったと確信しています。