Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

リネウス大学
2013年4月号 社会学部 M.I

<この1年を振り返って>

この留学生活の中で私が最も変化したことは、人の考えに流されないようになったことです。私は今まで自分の意見や行動を他人に合わせて、自分の意思をはっきり伝えることが苦手でした。自分のしていることに自信が持てず、他人の方が良く見えたり、正しく見えたりして「みんながそうするなら私も同じように」という風に、結局周囲に流されてしまっていました。少数派よりも多数派の一員になった方が気持ちが楽ですし、たとえそれが良くない結果に終わっても自分の責任ではないという錯覚に陥っていました。  しかしこちらに留学に来てスウェーデン人の価値観に触れ、私の考え方は日本特有の価値観であるということに気づきました。日本人は集団主義的な価値観がありますが、スウェーデン人は個人の自由を重視する個人主義的な価値観を持っています。そのためすべての選択は個人に任されており、その責任も個人で負うのが当たり前です。このような環境の中で沢山の刺激を受け、私もしっかり自分の意見を貫こうと思いました。  自分で選択して自分で責任を負うという一見当たり前のことですが、周囲に影響されないよう自分自身をコントロールするということは私にとって非常に難しいことでした。この留学生活で自分の意志をしっかり持つということ、そして責任を持って最後までやり抜くことの大切さを学ぶことが出来ました。

 

 

 

<帰国後どう留学経験を活かす予定なのか>

この留学生活は私にとって価値観を大きく変えるきっかけになりました。勉学はもちろん、私生活に関してもスウェーデンや留学生から沢山のことを学び、互いに刺激し合える関係を築くことが出来ました。しかしそんな中でも、自分の意見を伝えたい時に的確に説明できなかったり、相手の言っていることが正確に理解できない時があるとやはり語学のレベルを上げる必要があると感じます。  また世界情勢を知るため海外のニュースや記事を読む際や、海外の文化を学ぶ際にも英語を頻繁に使うので、帰国後も英語を使う環境に身を置き学習を続けていきたいと思います。  そしてこの留学生活でこちらの学生の学びに対する積極的な姿勢を見て、自身の学生生活を振り返る良い機会となりました。残りの大学生活では、私も周囲の学生に刺激を与えられるよう一生懸命勉学に励み、意義のある学生生活にしたいです。

 

<スウェーデンの教育について>

こちらで授業を受講することでスウェーデンと日本の教育の違いに気づき、スウェーデンの教育について関心を持つようになりました。こちらでは、幼い子供であっても親や先生に頼らず問題は自己解決するのが当たり前です。大人は基本的に遠目で子どもを見守るという形で、子どもに相談を求められた時にはアドバイスを与えるというように子どもの選択(進路など)に干渉するようなことはめったにないそうです。  また、大学教育でもスウェーデン式の教育を垣間見る機会が多々ありました。例えば、語学の授業では先生が生徒に教える時間よりも、質問時間や自習時間を長く取っていました。詰め込み教育よりも自主的に学ぶという教育に初めは疑問や戸惑いを感じましたが、今となってはその方が「やらされている」という感じが無いので、勉強に対する意欲が上がるのではないかと感じました。また、講義中もディスカッションや生徒の質問を優先する教授が多いように感じました。一人の教授によると「教授の教えることは参考文献を読めば理解できる」とのことでした。学生が自ら問題に気づき、疑問を持ち、考え、解決する。そのような環境で自力で考える能力や解決能力が養われるため、スウェーデン人はとても自立してると感じました。