Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

中国人民大学
2016年4月号 文学部 R.D

環境について

大学内には様々な施設が揃っており、生活を送るには申し分のない環境です。私の住んでいる留学生寮一号楼は12階建て、2人部屋で部屋は3m×4mほどの広さです。各階に共用のトイレ、シャワー、洗濯機、キッチンがあります。寮には様々な国籍の留学生が住んでいます。最も多いのは韓国人です。ルームメイトにも恵まれ、日々様々な人と交流することができています。日本人留学生が北京の他の主要な大学と比べて圧倒的に少ないことも、大きな特徴です。

寮の一階には留学生食堂やコンビニがあり、歩いて3分ほどの場所にも大きな食堂があります。普段の食事は大学内だけで済ますこともできますし、大学の外に食べに行くこともあります。大学内にはいくつもの食堂があり、すべての食堂のメニューの数を合わせると3000近くにもなります。日本と比べると値段も安く、かなり量が多いです。

大学内には緑が多く、春になるといたる所で様々な花が咲いています。冬から春になり空気が良い日も増えてきて、屋外の運動場などでは夜になると沢山の人が体を動かしに集まってきます。

大学を出てすぐのところにバス停と地下鉄の駅があり、交通の便は非常に良いです。中国の交通はどれも日本に比べて非常に安く、北京市内の名所に気軽に行くことができます。特にタクシーは日本と比べて格段に安くついつい利用してしまいますが、交通量が多いためちょっとした渋滞が非常に多いです。繁華街の横断歩道などは常に人と車とバイクとが入り乱れ、クラクションが絶え間なく鳴らされています。

大学の周辺は繁華街というわけではありませんが、田舎という感じでもなく、まさに丁度いい環境です。近くにはスーパーマーケット、少し歩くとショッピングモールがあり、少しバスに乗ると繁華街に着きます。

決して綺麗な都市だとは言えない北京ですが、首都だけあって良くも悪くも中国らしさに溢れています。

 

北京の春の“雪”について

北京では4月の頭から白い綿毛が飛び始めます。真っ白な綿毛が舞っている様子は、まるで雪が降っているかのように見えます。北京は風の強い日が多く、雨の降る日も少ないため、毎日のようにこの綿毛が舞っています。

慣れてしまえば気にならなくなるというものではなく、目口鼻耳に入ってきたりして鬱陶しいです。食堂の窓などが開いていたりしていて食堂内にも綿毛がふわふわと漂っていることなどもあり、食べ物についたりして気になります。風の強い日に綿毛が夕日に照らされて輝いているのを窓から見ると綺麗なくらいで、外にいるときはまさに百害あって一利なしといった感じです。中国人はちょっとした大気汚染のときより、この季節にマスクをつけている人が多いくらいです。綿毛が口や鼻に入るのを防ぐためや、アレルギーを持っている人がいるためのようです。逆に留学生は大気汚染の酷いときに比べると、マスクをしている人は減ります。

この綿毛は、北京の街路樹として多く植えられているポプラと柳によるものです。春になるとポプラと柳が柳絮という綿毛に包まれた種を飛ばすのです。これらの街路樹は2008年の北京オリンピックに向けて、北京市の緑化率を上げるため大量に植樹されたそうです。柳絮の発生を抑制するため注射を木に打ったりしているようですが、以前の状況を知らない私からするととても収まっているようには思えません。柳絮は最近のものというわけではなく、北宋代の詩人である蘇軾の漢詩などにも登場しています。中国では昔から春の風物詩なのです。

北京の暗い冬の終わりと短い春の始まりを告げる柳絮ですが、柳絮そのものは決して歓迎されていません。それでも気温が上がり空気も少しずつ良くなっていくこの季節は、やはり皆どこか嬉しそうです。

柳絮