Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

上海師範大学
2012年9月号 国際文化学部 Y.S

今学期は高級クラスを受講しています。このクラスは初級中級クラスとは授業内容がほんの少し違い、中国の歴史・文化を学ぶ機会が多くなっています。カリキュラムとしては、阅读,口语,听力,作文,中国概要の五つです。

一つずつ紹介すると、阅读は教科書の文章を読み、文章構成なども話し合って考えたりと、本当に読解をしています。 口语も教科書をもとに進めますが、一つの授業の半分はみんなとの話し合いと、その結果の発表に当てられています。 听力は、他のクラスが綺麗な標準語のCDを聞いているのと違って、標準語だけれどもいろんな地域のなまりの入ったCDを聞いています。そのため、とても難しく最近は授業に行くのが嫌になるくらいです。しかし、将来仕事でいろんな中国人と接すると、なまりの標準語を話す方にも会うかもしれないので、この授業はとてもためになるのじゃないかなと思います。 続いて作文ですが、ガッチリとした作文ではなく、留言という会社や学校での上司などにメモを渡すときの書き方など様々な書類などの書き方を学んでいます。 最後に中国概要ですが、地理、歴史、文化を学びます。中国語を勉強するなら知っておきべき事ばかりなので、とても勉強になる授業です。

これらの五つの科目すべてに言えることは、冒頭でも述べましたが、先生が中国の歴史や文化をおりまぜて話をしてくださることです。そのため、これらを勉強したくてこのクラスに入った私には、中国語はもちろん、更に歴史や文化も勉強でき、とても意義のある勉強生活を送ることが出来ています。

みなさんも知っての通りこの九月にちょうど魚釣島の問題で反日感情が高まりまり、中国各地でデモが発生したり、日本企業が攻撃されたり様々な被害が起きました。日本の友達や中国の友達からも心配のメールなどを頂きましたが、私の住んでいる地域では危険を感じたことも特にありませんでした。日本のニュースで報道されているようなことはほんの一部のようで、領事館や日本料理店が密集してる地域のみが被害を受けていたみたいです。私の学校の周りはいつも通りの生活で、危害をくわえられたこともなければ、悪口を言われたこともありませんでした。 しかし、地下鉄やバスに乗っているときは少しの注意が必要でした。地下鉄などにはテレビが付いていて、日中関係が緊張している時期は魚釣島に日本船が侵入した等のニュースがひっきりなしに流れていました。中国の人達はニュースを熱心に見ているので、私は自分が日本人だと察知されないように注意する必要がありました。ばれても何もなかったかもしれませんが、やはり少し緊張感がありました。 この九月以外は危険を感じたことなどは特にありませんでした。

あまり比べすぎるのはよくないですが、中国で生活していると日本人の礼儀正しさを身に染みて感じます。例えば、代表的なのは[中国の人は並ばない]ところです。日本では電車を待つとき、スーパーのレジに並ぶとき、などなど当然のごとく順番抜かしせずにきちんと並びます。しかし中国ではこの常識がありません。電車では、前からどんどん入ってくるので降りようと思っても降りられませんし、何かに並ぶときはやっと自分の番が来たとおもったら突然抜かされるので、普段の生活でよくイライラしてしまいます。 また、言葉の面でも、日本人の礼儀正しさを実感することがありました。中国人の友達と接していると、「気を使いすぎ。友達なのだからそんなに気を使わなくてもいいのに」とよく言われます。しかし、こちらとしては自分のためにしてくれたことがあったから、「ありがとう」と言っているだけで、これは日本人としてはいたって普通の事なのに、彼らには気を使いすぎだととらえられてしまうようです。なので、いつお礼を言えばいいのかと少し悩んでしまったりもしています。 また、今知り合いの会社員に日本語を教えるボランティアをしています。そこで、自己紹介の例文を紹介する時に、[初めまして、どうぞ宜しくお願いします。]を学校で習った通り、[初次见面,请多多关照。]と訳して説明すると、「そんなの中国では、你好だけで大丈夫」と言われました。教科書に載ってるこれらのあいさつは、日本語から無理矢理訳したものらしいです。彼らが会社員ということもあって、彼らとの授業では上司や取引先との会話に重点をおいて進めているので、中国と日本の違いを知ることができとても面白く、また将来仕事にも役立つと思います。