Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

上海師範大学
2015年11月号 文学部 T.M

〈授業紹介〉

私は現在、中等1級(以下 中一)に所属しております。

「中一」の授業は前学期に所属していた「初等三級」と科目、授業数、クラスの人数や授業形式などほとんどの点でほぼ同じです。よってここでは「中一」、「初三」の両クラスの異なる点に関して紹介させていただきます。(共通する点に関しては、5月のレポートをご覧ください…)

・クラス構成

私のクラスでは過半数が韓国人、そのほかにインドネシア、タイ、アメリカなどの留学生が一緒に授業を受けています。私のように前学期も上海師範大学で勉強をしていた学生の他、今学期から入ってきた学生も多くいらっしゃいます。この比率などはクラスによってさまざまなようです。

・授業内容など

読写:「初三」の授業と比べ、教科書中のテーマに関して討論する機会が多くなりました。この科目では「読む」、「書く」以外に、中国の文化や習慣などに対する理解を深める、といった点も重視されています。教科書に関しては、内容の難易度が少し上がり、また以前はあった新出単語の日本語、韓国語訳がなくなり、中国語と英語での表記のみとなりました。

听力:教科書中の内容に「成語」が多く含まれるようになり、また音源のスピードも上がったため、難易度が上がったように思います。問題の答えだけでなく、「今何が問われているのか」、「どうしてそのような回答になるのか」という点がより一層重視されるようになりました。また各課の初めには、その課のテーマに関連する簡単な討論なども行います。

泛読:「初三」よりも専門的な内容が増え、また文の言い回しや問題の複雑さなども上がったため、全体的に難しくなったように思います。また問題に答える際、一つの語に対する各国語中の認識の違いなどから、度々誤読が起こるようになりました。

口語:「初三」同様討論などを行うほか、暗唱なども度々行われるようになりました。また教科書の文中の成語の数も増えました。

 

以上が「中一」の授業に関してです。この他、前学期同様選択科目が開講され、またスピーチコンテストや運動会なども行われます。(これらは任意選択、任意参加です)

写真:授業で使用する教科書            左は前学期の初級クラスのもの、右は中級のもの 単語の説明が英語のみになりました!(内容も少し難しく…)

〈学生旅行に関して〉

上海師範大学では、各学期ごとに一度、ICCS企画の留学生旅行が行われます。旅行先は4つの中から一つ選ぶ、ということになります。それぞれの行き先ごとに日数や費用なども異なっています。(日数は1~4日、費用は400~3000元程度です)

前学期の旅行先は①临安天目山②南京扬州③千岛湖富春江④少林寺云台山龙门石窟、後期は⑤天目湖温泉⑥黄山宏村⑦泰山孔庙⑧桂林漓江でした。ちなみに①②⑤は一泊二日、③⑥⑦は二泊三日、④⑧は三泊四日となります。(後期の場合、申し込み人数が一定数まで集まらなかったため、⑦泰山、⑧桂林は実施されませんでした。)

私は前期は南京・揚州の、後期は黄山・宏村の旅行にそれぞれ参加しました。ここではその際の体験などを紹介させていただきます。

・南京揚州

南京・揚州旅行ではいくつもの公園(庭園)をめぐり、また中山陵に行ったりもしました。中山陵は孫文の陵墓で、南京の観光名所の一つです。頂上からの眺めは非常に印象的でした!南京や揚州は上海と非常に近い都市ですが、街の様子などは異なります。この旅行中にはそういったことにも気づかされました。

写真:

左)中山陵頂上からの眺め

右)公園内のスペース 女性が歌を、男性が楽器を演奏なさっていました。

 

 

 

 

・黄山宏村

黄山・宏村旅行では主に二つ、黄山登山と宏村訪問とを行いました。

相互学習の相手の方から聞いた話によると、黄山は中国の中でも特に風景の美しい山である、とのことでした。黄山に関連する故事の中には、“五岳归来不看山,黄山归来不看岳”

「五岳(中国道教で敬拝されている5つの山)から帰ると他の山を見る気にはなれず、黄山に登ると五岳をも見る気にはなれなくなる」といったものもあるそうで、その評価の高さを伺えます。(黄山>五岳>その他の山)

ということで、非常に期待していたのですが、当日は天候に恵まれず、深い霧のせいであたり一面真っ白だったため、風景などは全く見ることができませんでした。小雨で、上海市内と気温が10℃以上違い、風も強いため、ただ単に寒くしんどい経験となってしまいました…。

写真:うまくいけば右写真のような風景を見ることができたらしいのですが、何もかも真っ白でした…

 

 

 

 

宏村に行くころには天気は幾分かマシになっていました。宏村では中国の昔ながらの生活風景を見ることができます。宏村内部には複数の水路が流れており、そこで野菜を洗っている住民の方などもいらっしゃいました。これは900年ほど前にこの村ができて以降変わることなく残っている習慣だそうです。水路を流れる水は(少なくとも見た感じは)日頃上海で目にしている水路とは比べ物にならないほどきれいでした!水の安全性が全く保障されない中国において、こういった光景を目にすることができたことに本当に驚きました。上海のあわただしく騒がしい街の様子と比べ、素朴な雰囲気の村は時間の流れが違うかのようにゆったりと、すごく穏やかな雰囲気でした。この八ヶ月の中国での生活の中でもっとも好印象な場所だったように思います!

写真:

左)宏村の外観 歴史ある…という感じでした

右)日本でもなかなか目にかかれない光景

 

 

 

 

 

この学生旅行は、ホテルの予約や交通手段の確保などといった面倒な作業が一切いらず、また個人で行くよりも確実に安い値段で参加できるのでお勧めです。が、反面時間の制限などが厳しく、各観光地を楽しみきれないということもあります。遅刻した人を待たなければならないため、最終的に回る地点が減らされたり、異常なまでにタイトなスケジュールが組まれていたり、自身の希望や予想とは全く異なるということも考えられます。

そういった面では、旅行先で自由に行動したい、ゆったりとした日程を過ごしたい、何か見たいものや体験したいことがある、などという方には向いていないかもしれません。