Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

上海師範大学
2015年8月号 文学部 T.M

〈試験について〉

上海師範大学の試験は4月の終わり(期中考試)と6月の終わり(期末考試)にそれぞれ二日かけて行われます。(今年は期中が4/27~28、期末が6/22~23でした)

試験科目は普段受けている授業と同じ4科目(読写、听力、泛読、口語)です。試験は100点満点で、授業で習った部分が試験範囲となります。この二つの試験の点数と平常点(出席日数、態度、課題など)などを合わせて、学期末の成績評価がなされます。

以下、各科目の形式などについて、簡単に説明させていただきます。

 

読写

試験範囲:期中…第一課~第十課  期末…第十一課~第二十四課

読写の試験では、並び替えや穴埋め、造句(与えられた単語や文法を用いて一文作る)など解いた問題のほか、200字程度の作文が課せられます。並び替えや造句は教科書の練習問題等とほぼ同じであり、穴埋めも量詞などが主なので(しかも授業中に説明のあったもののみ)、復習さえすればそれなりには解くことができます。また作文に関しましても、授業で取り扱った内容に関連したテーマが事前に与えられ、試験にまでにあらかじめ準備をしておくことが可能なので、いくらでも対策をしておくことが可能です。

听力

試験範囲:期中…第一課~第五課  期末第六課~第十課

听力の試験では会話や長文などを聴いた上で問いに答える問題と、听写(書き取り)の問題があります。前者は教科書とまったく同じ問題であり、すでに授業で一度解いたものを再び解く、といった状態になります。また听写に関しましても、教科書の中の単語しか出ないので、こちらも復習さえすれば割と簡単に解くことができます。

泛読

試験範囲:授業でやった範囲(飛ばし飛ばし進められるので、範囲から外される課も有り)

泛読の試験では、授業中に学習した文章や語句に関する問題のほか、新たに二題新出の文章が出題されます。泛読の授業はほかの科目と比べて授業の進行が遅く、そのため授業中に全く触れられることのなかった課などもでてきます。よって試験範囲も飛び飛びで、授業で扱った範囲のみが出題されます。

泛読では問題の出題形式が教科書とは変えられていたり、先述のように初見の問題などが出題されたりします。ですが、問題自身は比較的簡単で、きちんと文章や問題文を読めば(この科目では俗に言う「ひっかけ問題」も多数出題されますので)、難なく解くことが可能です。問題文はしっかり読みましょう…。

口語

試験範囲:期中…第一課~第六課  期末…第七課~第十三課

口語の試験はほかの三科目とは異なり、筆記試験ではなく口答試験となります。試験は先生と生徒の一対一で行われるため、待ち時間が非常に長いのも特徴です。

試験内容は大きく分けて二つ。一つは教科書の音読で、試験開始のときにくじを引いて読む課を決め、指定された範囲を音読する、といったものです。くじ引きのため、どの課を読むことになるのかはわからないので、すべての課を読めるようになっておく必要があります。

もう一つの内容は「スピーチ」です。授業中に学習した内容に関連するテーマが事前に与えられ、それに関してスピーチ・紹介などをすることになります。字数制限、時間制限などはありませんが、あらかじめ指定された単語を一定数以上用いる必要があります。

こちらも試験開始時にくじびきを行い、どの課の内容に関連した話をするか決めることとなります。そのため事前にすべての課の復習、話題探しなどをしておく必要があり、他の科目よりも準備に時間がかかるように思います。私はもとから「話す」ということが苦手で、話題探しなどにも時間がかかるため、あらかじめ一通りの流れを考え、何度も練習する、などといったこともしておりました。

 

左写真のように、面試でのスピーチで必ず使わなければならない単語は事前に知らされます。このうち7個以上の語を使う必要があります。

 

 

 

 

 

以上が試験内容となります。基本的にどの科目も試験直前の授業では復習の時間が設けられるため、そこまで深く心配することはないように思います。(もちろん授業後の復習は大切ですが…)

余談ですが、師範大の試験ではカンニング防止のため、試験開始前に携帯電話の電源をきり、かばんなどに入れて教卓の所まで持ってくる・記入はすべてボールペンで行う、などといった対策がとられているため、試験時はボールペンを忘れず持っていく必要があります。

 

〈上海における「日本」について〉

上海はグローバル化された都市です。そのため、市内の至るところに世界各国の企業などが拠点を持ち、また日本人街、韓国人街といった地域も存在しています。

今回はそんな上海で見かける「日本」を紹介させていただきたいと思います。

 

・製品

電化製品や食器など、様々な日本製の商品が取り扱われています。日本でも広く知られているように、「炊飯器」や「ウォシュレット」などの電化製品は、現地のスーパー(日系だけでなく、カルフールなども)でも販売されており、実際に多くの中国人の方が購入されているようです。ちなみに授業担当の先生の話によると、日本製の炊飯器は中国のものと比べ価格が異常に高いそうで、中には10倍ほどするものもある、とのことでした。

また、上海の街中では日本車も多く見かけました。(トヨタ、ホンダ、ニッサン…etc)

・食品

上海のスーパーなどでは度々日本の商品や日本風の商品を目にします。お菓子や飲み物、調味料など、ジャンルも様々です。上海市内には日本製食品専門店や日系スーパーなどもあり、そこでは日本の製品を入手することが可能です。私は渡航時、味噌汁やカップラーメンなどを持って行きましたが、場所さえ知っていればこちらでも十分手に入るので、それほど大量に持って行く必要はなかったなぁ…と今になって思っています。

また、日本食レストランも数多く存在します。なかには「なんちゃって日本食」のような名前だけのようなものもありますが、もちろん本格的な和食を提供している店もあります。値段は普通の中華料理と比べると高めです(というか、海外製や海外企業の商品・食品の大半は中国製のものよりも高いです…)が、日本人や中国人だけでなく、其の他の国の方も利用されているのを目にします。本当に高いですが…。私は前学期、日本の味が恋しくなった時などにたまに利用しておりました。

・本DVD

上海の大型書店等では、中国語のものをはじめとし、世界各国の本が取り扱われています。日本の本も複数販売されていました。(内容は全て中国語で書かれています)また、日本語を勉強するための参考書やガイドブックなどの他、日本の漫画作品などもありました。

また、上海の、特に日本人関連の地域の近くには多数のDVD販売店があります。私自身はまだ購入したことはありませんが、1枚15元(約300円)かそこらで購入が可能とのことでした。何よりも驚きなのがその品ぞろえで、日本でも発売されたばかりのはずの作品がほぼ同時期に上海でも出回る、などといったことも起こります。中国の作品の他、洋画、邦画、歌手のライブ映像、アニメなどかなりの量がありました。

・コンビニ

上海には至るところにコンビニがあります。日系の「ファミリーマート」、「ローソン」、「セブンイレブン」などもその一つです。地下鉄の駅や街中など、様々なところに店舗があります。商品の内容もおにぎりやお弁当、おでん、パンなど日本のコンビニとほぼ同じです。

以前南京に旅行に行った際、街中に上記のような日系コンビニが全くなく、上海に戻った際にファミリーマートの看板を見て「あぁ、上海に戻ってきたなぁ…」と感じる、などといったことがありました。そのように感じるほどたくさんの日系コンビニが上海にはあります。