Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

上海師範大学
2016年1月号 経営学部 Y.F

この留学を振り返って

ついにこのマンスリーレポートテーマを書くときがやってきました。後期が始まったばかりのときに友達と最後のマンスリーレポートテーマについて、「この留学を振り返って」とか書きたくないね、ずっと留学してたいねと議論したのが昨日の事のようです。数多くの先輩たちも言っているように本当にあっという間の1年間でした。特に後期の時間の流れる早さは信じがたかったです。私の場合は入学当初から留学をしたいと思っていた訳でも、留学をするために中国語を学んでいた訳でもありません。むしろ交換留学の試験を通過し、あとは書類を提出するだけとなってもなお留学に行くかどうか悩んでいたほどです。当初留学を悩んでいた理由はたくさんあったのですが、留学を終えた今改めて考えてみると、それらの理由はどれも取るに足りないものだったと思います。散々悩んではいたものの、最終的には行かないで後悔するより行って後悔しようという結論に至ることができて本当に幸いでした。この1年間の留学で得たものは、言語能力の上達であったり、国や社会に対する新しい見方、一歩引いて客観的にものを見る術だったり、先入観のもつ恐ろしさなど、見てとれる、言葉に表せるものばかりではありません。これらを得ることが出来たのも大変喜ばしいことではありますが、もっと物の見方考え方の根本にあるものから変わったように思います。また、この1年間でさらに人と関わる事が好きになりました。様々な国から来た留学生たちやインターン先の上司たち、上海で働く日本の方々や、なんと言っても苦楽を共にした同級生たちに出会えたことが一番の財産です。このような方々と出会えたことで私の留学生活もより一層充実したものとなりましたし、なにより皆様とお話できる機会があったことで、自分の考えに変化も生まれました。今振り返ってみれば、留学に来なかったら分からなかったこと、やらなかったこと、出来なかった経験が山のようにあります。留学に来たことで他の多くの学生よりも刺激的で自由な1年間が過ごせたと思います。自分に回ってきた交換留学というチャンスを十分に活かせた悔いの無い完璧な留学生活にすることはできませんでしたが、それでも得たものは多く、満足しています。本当に留学に行って良かったと心から言えます。許されるならもう1年上海に留学に行きたいくらいです。自分の経験からも、もし留学に行くかどうか悩んでいる人がいれば絶対に行った方がいいとおすすめします。自分の目で見て耳で聞いて身をもって経験した方が人から聞いたりネットで見るよりもずっと自分の中に残ると思うからです。

 

冬休み

テストが終わってから2週間ほど、中国の遼寧省というところに行ってきました。遼寧省は中国の東北地方に位置する省で、1月下旬のこの季節はちょうど気温が最も寒く、日の最低気温はマイナス20度にも達するところです。地図で見れば分かりますが北朝鮮の上あたり、緯度で言うと日本の北海道と同じくらいの位置にあります。最高気温でもマイナスを上回る事は無く、読んで字の如く極寒でした。軽い気持ちでジーンズにスニーカーで行ったら迎えにきた人にすごく怪訝な顔をされました。寒さには強い自信があったので一旦空港の外に出てみると、初日早々地獄を見ました。その後3秒で車に乗り込んだおかげでなんとかなりましたが、なんせ中国の車なので詰めが甘くすきま風でつま先が冷え込んで痛かったです。この2週間ほぼ毎日膝下まであるダウンジャケットにブーツという完全装備を着用して過ごしたのですが、唯一外気に晒されている顔面は常に痛く、風に頬を斬りつけられているようでした。対策に使い捨てのマスクをしようと試みたのですが、冬場に室内と室外の寒暖差で発生する結露のように、呼吸によってマスクの表面と外の気温の寒暖差が大きくなって結露が発生してしまい、短時間でマスクがあり得ないほど濡れるという予想だにしない事態に陥り断念するという経験をしました。面白かったです。これほど寒い遼寧省にわざわざ行ったのは春節を過ごすためでした。中国の春節といえば爆竹が有名ですが、近年では環境に良くないし危ないからと規制がかけられる都市も多く、特に私が留学している上海は都会なので規制が厳しくあまり中国のお正月気分を楽しめません。一方遼寧省ではそんな規制は無く、地面も雪なので爆竹による火災が発生する心配も比較的低いので本当にたくさんの爆竹や花火があがっていました。花火は中型の打ち上げ花火を自分の家の近くであげてお正月を盛り上げて遊ぶ事が目的なのに対し、爆竹は春節の日の食事の前に必ず鳴らさないといけないものらしく、近所のみんなのお食事タイムがわかってなんだかほっこりしました。年を越す前に餃子を食べるのが習わしなので食事の前の爆竹は深夜も響き渡り、年越し当日の朝から次の日の朝まで花火も爆竹もずっと鳴り止みませんでした。でも、みんな当たり前のように起きているし、毎年のことだし、これが年越しだと不満に思う人も居なかったと思います。庭で打ち上げ花火をあげるのもそうですが、日本ではありえないことなので新鮮でした。春節は一年で一番中国の経済が動くだけあってどこにいっても人ごみで、街中が縁起の良い赤色に染まり、日本のお正月よりもお祝いムードが強くてとても楽しかったです。毎日至る所から親戚が集まっては豪華な食事をするので相当太りますが、機会があればまた中国で春節を過ごしたいです。