Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

上海師範大学
2016年10月号 経営学部 Y.F

カルチャーショックについて

留学に来たばかりの頃ならたくさん書けたのかもしれませんが、中国に来て半年以上が経った今、中国での生活に慣れすぎていて、カルチャーショックと言われてもいまいちピンとくるものが思い浮かびません。ショックを受けるほどの文化の差を感じたことがないからだとも言えるし、私が文化の差を甘んじて受け入れてしまっているという可能性もあると思います。しかし、日常生活を送る中でちょっとした違いが目につく事は少なからずあります。例えば、中国人のほとんどは東洋医学の影響を受けてか、冷えに敏感です。お店にご飯を食べに行って出される水は必ず常温の水か、熱々の白湯です。日本と違って夏でも氷水は出てきません。氷水どころか冷えた水が出てくる事もごく稀です。食卓といえば、お店のテーブルにあらかじめ用意されてある小皿は、少なくとも上海では骨などの食べられなくて捨てるものを置く用の小皿です。正式な場所ではおかずを取り分けるのに使ってはいけません。現地の人はこの小皿が無い場合、直接テーブルに食べかすを置きます。小皿に関しては地域によって差があると聞いたので、あくまで上海ではそのように使う事が多いということです。また、私が今まで行ったことのあるお店で禁煙または分煙がされていたことは一度もありません。お食事処やカフェで食事をしていても隣の席で平気でタバコを吸っていたりします。タバコに関しては、そもそも喫煙所という場所も概念も無く、普通に路上でタバコを吸いながら歩いているので、前に歩いている人が吐いた煙をもろに吸ってしまう事もしばしばあります。一方で、電車の優先座席を使用できる人たちの中に子供が含まれていたり、現金ではなくスマホアプリを使った支払い方法が普及していたりと、良い面での違いもあります。特にこのアプリで支払いを済ませられる制度は本当に便利で、その普及率にも驚かされました。この点においては日本より進んでいるのではないでしょうか。日本でもぜひ普及してほしいです。

 

黄山

10月の末に3日間の学校主催の語学研修旅行に行ってきました。今回は、黄山、宜兴、扬州の3つのルートが用意されており、私はそのうちの黄山ルートに行ってきました。安徽省の黄山は世界自然遺産にも登録されている著名な山のひとつで、前々から行きたいと思っていたのでちょうどいいタイミングで旅行のルートに含まれていて私は歓喜しました。初日は龙川の风景区に行ってきました。龙川に沿って出来た小さな村を散策したのですが、この日はガイドさんが付いてくれてこの地方の歴史や昔からの習わし、家屋についての豆知識などを細かく教えてくれて話を聞くのがすごく面白かったです。村自体も大きくはないですが風情があって水がきれいだったのが印象に残っています。上海ではあれほどきれいな水が流れている川を見ていません。二日目はいよいよ黄山に登る日です。この日はあいにく朝から雨が降っていたのですが、山の上の方は雨が弱いというガイドさんのきっと根拠は無いであろう謎の説明を受け、雨天決行となりました。そもそも黄山は一年の90パーセントは雨が降っていると言われるくらいよく雨が降る地域のため、多少の雨は想定の範囲内で、実は前日から先生たちがカッパを用意してくれていました。それに加え、山の7分目くらいまではロープウェイで楽々登るので大丈夫だろうという見解でした。しかし、いざロープウェイを降りて黄山からの景色を見てみると期待むなしく一面真っ白でした。本当に真っ白で何も見えませんでした。こんなに視界って白くなるんだなと感心するくらいの驚きの白さでした。もちろん雨も土砂降りでガイドさんの”山の上は雨が弱い説”は何だったんだと誰もが絶望していましたが、来てしまったなら仕方ないと雨に打たれ風に吹かれながら少し急な階段を上って、広場のようなところまで登りました。しかし、雨が強すぎてさすがに先生たちも学生が風邪を引いてしまってはいけないと、このまま山頂を目指すか、ホテルに帰るかの選択を学生たちにしてもらおうと多数決を取りました。結果、私のバスは満場一致で撤退を選択し、そそくさとホテルに帰りました。元々は1日登山の予定がお昼頃には下山してしまったために、部屋でシャワーを浴びる事と夕食まで待機ということが伝えられました。そのあと急遽夕食の後にこれまた多数決で屯溪老街に行く事が決まり、夜の屯溪老街で黄山名物の毛豆腐や煎饼を食べ歩きしました。三日目は、宏村という1000年の歴史を持つ村に行ってきました。人工湖にかかる橋の景色が美しかったのもそうなのですが、何より印象に残ったのが絵を描いている人の多さです。村のあちこちでキャンバスを広げてそこの建物や風景を描いている人をたくさん見かけました。年齢層も画風も様々で、珍しい光景でした。悔しいのが三日目に限ってこれでもかというほど晴れ渡ったことです。黄山の景色こそ見れませんでしたが、この3日間で新しい友達も出来たり、バスの中で留学生たちが中国語の歌を披露してくれたりと黄山以外のところで大満足の楽しい旅行となりました。