Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

オーボアカデミー大学
2022年 11月号 国際学部 W.S

①授業について

 授業は主に対面で行われるものと、自分のペースで読み物やレポート作成を進めるself-studyのコースの二種類があります。私は帰国後に龍谷大学での単位認定を希望しているので全て対面形式の授業を履修しました。また、こちらでは教育学部で勉強しているのでほとんどの授業が教育に関係する内容で、主にclass teacher(日本での小学校教員)養成の課程です。そのため体育や工作の授業も開講されています。私が現在履修している教育系の科目は ‘A didactic focus on foreign languages’ 、’Multicultural Education’ 、’Practice’ の3つで、他にも’Urban/Rurban gentrification’ などいくつか社会学系の授業とスウェーデン語の授業も履修しています。授業はクウォーター制のものとセメスターのものの両方があり、10月の途中で終わった授業と新しく始まったものもあります。授業にもよりますが、英語で開講されている授業の受講生は留学生がメインで、現地学生は基本的には少ないです。体育や工作はスウェーデン語がメインで開講されており現地学生も多く、英語での説明も多少はあるそうです。

 こちらの授業と日本での授業の大きな違いは学生の数です。私が履修している科目は多くても学生は20人弱で、基本的には教授と学生の距離が非常に近いです。また、時間割や教室は必ずしも毎週同じではなく、TUUDOというアプリを使って毎度確認します。授業の多くはセミナー形式で、ディスカッションに参加することが求められます。私は自身の語学力不足に加え、日本では教育を専門に学んでいなかったこともあり、英語で教育に関することを議論するのにはかなり苦労しました。ですが、他の国のシステムや、既に教員経験のある大学院の留学生の話も聞けて、授業は非常に面白いです。またグループでの課題も多く、授業時間外に集まって指導案を作成したり、プレゼン準備やPodcastの作成を行います。(Podcastの作成とは、Reading等から学んだことや分析等をグループでディスカッションし、その様子を録音する課題です。私はフィンランドに来て初めてこの形式の課題を行ったのですが、他国から来た留学生やフィンランドの現地学生はよく行っているようでした。)また、課題に関してはリーディングが課されることが多いです。個人的に課題は予想していたほど重くはなく、龍谷大学GS学科での応用科目の方が重い課題が出ていたような気はします。また、クウォーター制で10月に終了した授業でも12月のセメスターの終わりまで課題が出続けることもあったり、日本でのやり方とは異なる点も多いです。

⇑Swedishのコースの様子

 

②Practice Schoolについて

 以前のレポートでも少し書きましたが、オーボアカデミーヴァ―サキャンパスは教育学部がメインで、近くにオーボアカデミー系列の小中高があります。これらの現地校はPractice Schoolと呼ばれ、現地の学生もそこで実習を行っており、実習に来た学生専用の作業部屋もあります。交換留学生もPracticeという科目を履修すればそちらの現地学校で見学と実習を行うことができます。この科目は決まった時間割があるわけではなく、履修生は各自空いている時間にPractice Schoolに行くことができます。そして、好きなgradeの好きな科目を見学することができるので、ずっと同じクラスについて全科目見学したり、一科目に絞っていろいろなクラスや学年の授業を見学することもできます。

 また、Practice Schoolの第一言語はオーボアカデミーと同じスウェーデン語なので児童はスウェーデン語で授業受けています。ですが、English Departmentという部門があり、そこでは各学年20人前後の生徒がほとんどの授業を英語で受けています。そのため、留学生もEnglish Departmentでは授業内で教師や生徒が言ってることを理解することができます。なので、私は基本的にEnglish Departmentで見学・実習を行っています。

 留学生が単位を貰うには30時間以上の授業見学に加えて、4時間の実習、文化を児童に紹介するCulture event への2回以上の参加と、振り返りレポートの提出が必要です。私はこれまでに宗教の授業で、神道の紹介と仏教の授業の導入部をやらせていただきました。

 また、学校自体は私が通っていた小学校とは大きく異なり、見学は非常に興味深いです。例えば、English Departmentの生徒は1クラスの中に2学年の生徒が在籍しています。別々の教室で異なる科目を受けることもあれば、2学年同時に同じ内容を勉強したり、授業時間の前半は同じ内容を進め、後半のみ学年に分かれてレベルの異なる活動することもあります。教室の座席は異学年の児童同士が協力できるように2学年の生徒がばらばらに配置されています。教室によっては生徒が全員座って活動するためのカーペットがあったり、ソファーがあったり様々です。他にも、生徒はiPadを使いこなし、ほとんどの授業で何かしらの形でiPadを使用して学習している姿も印象的でした。

⇑ある週の授業関連のスケジュール

留学生の授業はあまり詰まっていないので、空いてる時間にPractice Schoolに行ったりグループワークや各自課題を進めます。