フランスから、イタリア、イギリス、ベルギー、オランダに至る一ヶ月ほどの旅をしました。まるで欧州の美術史の歴史を一気に体験してきたようでした。古代美術、ルネサンス美術、そして18世紀の近代美術。時代によって美意識が違うため、お互いに影響しあい、美しい絵画の裏の意味に興味をそそられ、もっともっと知りたくなります。パリにあるオルセー美術館 (Musée d’Orsay) は、一番印象に残っています。オルセー美術館は19世紀の美術作品を中心に集め、特に印象派の画家の作品が数多く収蔵されています。印象派は、暖かい色使い、幸せな雰囲気の作品が多く、観ているだけで明るく晴れやかな気持ちになります。盛んだった時期は短いが、近代美術に深い影響を与え、私は好きです。
次に行った、ロンドンにあるナショナル.ギャラリー(National Gallery)でも、アムステルダム国立美術館(Rijksmuseum)でも、親しい印象派の作品を見つけたら、嬉しくて小躍りしたくなりました。こういった世界に名高い絵画は自分の目で見なければ、絵を描く技法による質感の変化や、塗料を塗り重ねた立体感は分からないでしょう。すばらしいっと思ってから、画家が絵を通じて表現したいコトに求知心がどんどん膨らんできます。これは、紙印刷の本では体験できないことです。中国の諺にある「讀萬卷書,不如行萬里路」は、万冊の本を読むより、旅に出ようという意味で、実際に体験することの重要さを言っていますが、この一ヶ月深々と感じました。
オルセー美術館、1876年ルノワール
『ムーラン・ド・ラ・ギャレット』
ダンスホールである『ムーラン・ド・ラ・ギャレット』は、娯楽の場所として当時評判がよくなかった。同じテーマで他の画家が描いていた内容は暗く、人々の交流がないのが多いのに対して、ルノワールが心の中のイメージを描いた人物は緊密に接し、楽しい人間像を表わした。素晴らしい事に、葉の隙間から透き通る光を、絵画に散じるので、ピカピカと瞬いている。そして、地元の人がモデルを担当するのも新鮮である。学術派では、貴族また歴史上の有名人がモデルになることが多いからです。
ナショナル.ギャラリー(ロンドン)、1888年フィンセント・ファン・ゴッホ
『ひまわり』
ゴッホは南フランスのアルル滞在時、新しい美術理念の発信地として、黄色の家を借り、尊敬しているゴーギャンに共同生活を誘う手紙を何度も書いた。彼の返事が返ってくるまで、わくわくした気持ちで、自分の技法と新たな色使いをすべて『ひまわり』に使用し、よく練習した。合わせて12点描いた。ロンドンにあるのは、ゴーギャンが来る前に、彼の評価をもらうため、ゴッホが精一杯努力して描いた作品で、第八番目のものです。細かく見たら、塗料の重ね塗りによる立体感や、小さいな交差で色を埋め、単なる色の塊ではありません。
偉大な絵画を創造した画家たちは、若いときから基本技法の練習を何回も繰り返してきた。偉大なと言われる理由は、技法の熟成はもちろん、伝統を越えて、思想上の革新を成し遂げたことことにある。彼らは、当時の人が試したことがないことをやり、社会の批判を受けても、勇気を持って自分の考えを堅く守っていた、尊敬すべきことだと思っています。ベルギーの画家グスタフ.クリムトがある絵を描いた。女神が真相の鏡を持ち、周りが「もしあなたの成就や芸術がすべての人を満足させなければ、じゃあ、一部の人を満足させよう。」と文字が綴られている。(『Nuda Verita』,1899)私も彼らのように、自分の信念を守りつつ頑張りたいと願っています。
『Nuda Verita』,1899 Gustav Klimt