12月23日あたりから、学校は休みになります。スペインでは、クリスマスのほうが正月よりも大切にされています。街中がイルミネーションで飾られ、街ではクリスマス前からたくさんの市が開かれます。そこでは、クリスマスに必要な飾りが売られています。Belénというキリストの家を模したものもその一つです。クリスマスになると、家にキリスト誕生のときを再現するミニチュアを各家庭で飾るそうです。教会や街中にもそのベレンはあります。広場で開かれる市にベレンの人形や、家の模型などが売り出されます。どれも工夫を凝らしていて、細かくて、かわいいものばかりでした。
そして紹介したいのは、バルセロナのあるカタルーニャ州独自の文化です。カタルーニャ地方では、Caga tioといって丸太で作られたものがあります。(写真左 本当はもっと大きい)どの家庭にも大概あるそうなのですが、クリスマス前には、これの前に食べ物や飲み物を置いておきます。(大概それはお父さんやお母さんがこっそり食べておく)そして、クリスマスになると、Caga tioにマントをかけて、子供たちはその背中を、Caga tioの歌を歌いながらたたきます。そして、マントをめくるとCaga tioの下にプレゼントがある、というものです。これを、クラスのみんながやってくれたのですが、すごく楽しくて、すばらしい文化だと思いました。そしてもう一つ、Caganer(写真右)という人形です。こちらもカタルーニャの伝統ある置物なのですが、これは幸せ(豊作など)を呼ぶ人形だといわれています。かたちは少々下品ですが、これもカタルーニャの有名な文化です。最近では、FCバルセロナの選手や、歌手などの有名人、ドラえもんや、クレヨンしんちゃん、ハローキティーなどのCaganerも登場しています。市ではこれらのCaganer,Caga tioもたくさん売られています。クリスマスはやはり家族で過ごすイベントなので、その時期にはみんな故郷に帰ってしまいました。
それに比べると、正月は全然派手ではありませんでした。スペインの風習では、大晦日の日、1月1日に日が変わると同時に、12粒のぶどうを食べます。私たちは友人が連れて行ってくれたバルで新年を迎えたのですが、1月1日を迎えると同時にマドリードのPuerta del solで12回、鐘が鳴らされます。それをテレビで見ながら、鐘にあわせて12粒のぶどうを食べました。新年にスペインでしたのはそれだけで、みんな次の日から普通の生活に戻っていたと思います。そのため、日本人にとってはとても違和感のある正月だったといえるでしょう。年が明けた実感がありませんでした。
そして、6日には、Los reyes magosという行事があります。これは、スペインの風習ですが、3人の博士が贈り物を届けてくれるという風習です。5日の夜中に、らくだにのった博士が子供たちにプレゼントを届けてくれます。悪い子には炭を置かれるそうです。この風習はキリスト教からきており、スペイン全土がこの日を祝います。5日には街全体で、パレードが行われます。数々の美しい衣装や、山車が練り歩く様は圧巻されました。パレードでは、たくさんの飴がばら撒かれます。子供たちはそれを、袋を持ってかき集めていました。そしてその行列の中には、郵便屋さんが居り、その郵便屋さんは子供たちの願いの書かれた手紙を回収していきます。そうすると願いがかなうといわれています。
Los reyes magosが終わるとすぐに学校が始まります。しかし一月中旬にはテスト期間が始まるので、ほとんど授業はありません。テストは、科目によって形式が違います。私が受けたのはすべて筆記テストでしたが、中にはレポート提出のテストもあります。テストが終わると同時にまた春休みのような長期の休みが入ります。二学期は2月13日あたりから始まる予定です。
そして一月はバーゲンが始まる時期でもあります。およそ1ヶ月間、服やアクセサリーなどいろいろなものがすべて値下げされます。ほとんどの店がおよそ30~50%オフなので、たくさんの人が買い物をしていました。ただ、この時期、同時にスリなどの犯罪も増加します。私もついに置き引きの被害にあってしまいました。幸いにも貴重品が財布だけだったからよかったものの、私の友人は別の日にかばんごとパスポートも取られてしまっていたので、油断は出来ないなと思いました。やはり、年末年始は人が多い分犯罪が急増するのだそうです。5ヶ月もこちらに住んでいて少し心に隙が出来ていたのでしょう。ほかの留学生にも話して注意を促していますが、これからこちらへ留学する予定の人には特に気をつけていただきたいと思います。