Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

デュースブルグエッセン大学
2011年7月号 文学部 G.T

試験のこと

試験は授業と同じ教室で行われました。一番驚いたことは作文の問題でも他の設問と同じようにボールペンで書かなければならないことです。試験問題はそれまでの授業で扱ったプリント(教科書も龍谷生協のようなコピーショップで各自印刷してもらうので、指定された教科書があってもすべてプリントの感覚)から出されたのでそれほど難しくありませんでした。とは言ってもクラスにはドイツ語をかなり扱える学生が復習を兼ねて受けている場合が多く、彼らは倍速く問題を解いていました。

テスト期間中は日本と同様、図書館には学生が増え賑わいます。エッセン大学の図書館は龍谷のような仕切りのついた机はほぼ無いが、集中できるくらいの間隔はとられていて、また一人であることを気にする学生など稀有でグループ・個人それぞれ自分のペースで勉強していました。図書館で興味を持ったことは、論文やレポートの執筆をしている学生が図書館の鍵付きの透明ケースに本を大量に入れて勉強していることです。研究に専念できる設備とは何か。ドイツの町の図書館がきれいな空間で便利、大学の図書館が少し不便な一方、日本の町の図書館が古く、大学の図書館がお金をつぎ込んで整えられていることから日本の現状を残念に思いました。

余暇の過ごし方

ドイツの休暇期間が長いことは西欧各国の状況から推測はしていました。しかし7月15日の講義終了時から10月4日の冬学期winter semester開始までの約3ヶ月間に及ぶ休暇期間は思いのほか長かった。

私はまずオランダに行きました。オランダの呼び名は、”Holland””Niederland”と二つあります。オランダはわれわれの大学の地域(ノルトライン・ヴェストファーレン州)の北西に接する隣国で5時間ほどで到着します。私は電車を乗り継いで行きましたが、ほかの交通手段として飛行機やバスなどもあります。オランダはEU加盟国なので電車で国境を越える際も、一時停止することなく入国できました。その日はあいにくの雨で風も強く、満足に旅行することができませんでした。オランダはドイツ語圏からは外れていて、オランダ語がドイツ語の親戚であることからこんな意味だろうなぁと推測できるくらいでした。レストランでは英語で注文することとなり、少し焦りましたが問題ありませんでした。オランダと聞いて思い浮かぶのはアンネ・フランク、風車、チューリップやチーズなどだと思います。オランダのアムステルダムには、アンネ ・フランク一家がナチスから隠れ住み2年間を過ごした際に書かれた「アンネの日記」の舞台が記念館としてあります。公開時間の関係からその記念館や風車のある水辺スポットには行けませんでしたが、アムステルダム中央駅周辺の旅行で見たチューリップの種類の多彩さやチーズ工房のような店の数々には感心しました。

8月にはドイツ最南方のリンダウ(Lindau)を訪れました。リンダウはドイツのBodenseeに面する小さな浮き島です。ドイツの一番大きな湖でとてもきれいでした。南ドイツの気候は私たちが住んでいる地域とは少し異なります。エッセンが曇りがちで夏の終わりを感じ始めたころにリンダウに行ったのですが、そこは雲ひとつない快晴で日差しもとても強かったです。沖縄のような清々しい気候と日差しの強さ、そして西欧の建物からドイツとはまた別の国を訪れたかのような気分でした。

 

夏休み最後に訪れたのもドイツの南に位置する町、ブルガウ(Burgau)でした。その地を訪れることができたのは、スピーキングパートナーとの何気無いやりとりがきっかけでした。ホームステイの経験がない私にとってこの旅はとても貴重なものとなりました。日本に龍谷大学への交換留学生として来ていた彼女とドイツで再会することができ、ドイツでもタンデムを毎週のようにしていました。そんな中、彼女が実家のブルガウに帰ることを知った私が話を持ちかけると彼女とご両親は快く私を迎え入れてくれました。結局5日ほどお世話になりました。その期間でドイツの湿地地帯を訪れたり、彼女が地元の教会などを案内してくれました。一番印象に残っているのは、ウルムの大聖堂です。ウルムは哲学者デカルトが一時期滞在した場所であることを大学の講義で習った私としては交換留学先にドイツを選んで良かったと心の底から実感した場所となりました。

自由課題「物価」

ドイツに来て毎日のように驚いていることのひとつが生活費の安さです。ドイツは学生の財布にとても優しい国です。学生寮は月200ユーロ、私たちが納めなければならない学費は1学期200ユーロ強(この学費には交通機関への支払いも含まれているため、それにより学生証でNRW州内はすべて余分経費なく移動可能)ですみます。食品でいうと、お肉はさほど安くありませんがそれ以外の野菜や果物、パンなどは日本と比べるととても安いです。

自炊で節約