カルチャーショックについて
日本とドイツの生活は基本的にはほとんど大差ないと思って構わないと思いますが、細かいことに目を向けると文化の違いが見受けられと思います。例えば、電車やバスの中でもドイツ人は携帯電話をマナーモードにせず、かつ大声で会話をします。ドイツ人の友達に携帯電話は失礼にあたらないのかと尋ねたところ、携帯電話を使うこと自体は何の問題もなく強いて言うなら会話の内容によるということです。そして、電車やバスの中でも犬や猫などのペットは一緒に乗ることができます。
また、タクシーを利用する際にはタクシー乗り場に行くか電話でタクシーを呼び出します。基本的に流しで走っているタクシーはありません。また、自動ドアではなく手動でドアを開けます。そして、多くの人が後部座席ではなく前部座席に座り、ドライバーと会話を楽しみます。後部座席に座るのは失礼なのだそうです。
また、ドイツ人にとって人と話すときには目をみて話すのがとても大切なことです。目を見て話さないのは何かを隠していると思われるそうです。日本ではあまり目をみて話すのはよくないとされるので文化の違いはとても面白いなと思いました。カルチャーショックを感じるたびに、私という人格形成において日本の文化というものがとてもとても深くそして無自覚に染みついていて、私は日本人であるのだなと改めて強く自覚させられました。
教育システムについて
ドイツの教育システムは日本のものとは大きく違います。まず、Kindergarten(幼稚園)を卒業するとGrundschuleで6歳から10歳まで学びます。その後、Hauptschule、Realschule、Gesamtshule、Gymnasiumの4つのSekundarstufe Iからそれぞれの学力や希望に合わせて学校を選択します。入学の際には試験などはありませんがGrundschuleでの成績を考慮して学校を選びます。その後、Hauptschuleからは多くの人がBerufsausbildung、Berusfachschuleで専門的な職業の勉強をします。HauptschuleからUniversität(大学)に行くのは不可能ではありませんがとても難しいようです。RealschuleからUniversitätに行くのはHauptschuleよりは容易で、全教科の評価平均3.0以上が必要です。
また、Universitätに行くにはGymnasium Sekundarstufe IIに3年間通いAbiture(大学へ進学するための試験資格)を獲得する必要があります。そして、ドイツ政府が若い人材をより早く働き手として獲得したいという理由でこの期間を2年間に短縮しました。ノルトラインーヴェストファーレン州では2011年1月から始められています。しかし、そのために2013年には2010年にGymnasium Sekundarstufe IIを始めた生徒と2011年にGymnasium Sekundarstufe IIを始めた生徒の卒業時が重なってしまい、大学側の受け入れが間に合わずに多くの生徒が希望する大学や学部を選択できないという問題が起きたそうです。
また、日本と大きく異なる点は義務教育期間であっても生徒の学力が基準に達していない場合は次の学年に上がらずにもう一度同じ学年で勉強することができるということだと思います。教師から同じ学年をリピートすることを強制されることもありますが、自分の学力が次の学年に達していないと考える場合には本人の意思で同じ学年に留まることもできるようです。幼少期から個人の権利や自由、自主性を重んじるのがドイツの教育システムの特徴なのではないかと思います。