留学生活でのトラブル
一度、路上で汚いガラスの破片が足に突き刺さることがありました。破傷風のワクチンは子供のころに受けていましたが、それから10年以上経過しているのでもう効果がないはずでした。加えて、気分のせいもあるのか段々と体調が悪くなってきました。数日後に、ドイツでお世話になっている牧師さんに少し相談したところ、大変ありがたいことに病院へ連れていってくださいました。その日は週末だったので救急の病院に行きました。電話で一人で状態について説明したりするのはまだ難しく、また、救急病院は離れたところにあったので、牧師さんなしにはそちらへ掛かれなかったでしょう。対面だと医師の方ともまだコミュニケーションがとりやすいので、自身で説明し、破傷風ワクチンを打ってもらうことができました。
寮の前のベンチに寝転んでいて、財布が服から転がり落ち、それに気づかずそこに置いたままにしてしまったことがありました。すぐに気づいて慌てて戻りましたが、ほんの数十分の間で中にあったお札と1セントくらいの小銭以外すべての現金が盗まれていました。幸いカードや学生証はそのままでしたが、数日分の食費が一度になくなり手痛い被害でした。そのほかにも、深夜に駅にいたら同僚に電話したいから携帯を貸してほしいと自転車にのった男性がいきなり話しかけてきたことなど、このドイツの地方都市でも日本とは比べ物にならないほど危ない状況がありました。留学される方は、現金を1つの財布にまとめて入れておかず、複数に分けて持っておくなど基本的なことを留意なさってください(私はその時複数の用事があり、その財布の留意事項について忘れていて、結果的に痛い目をみました)。
ドイツの夏休み
今年のドイツの夏はとても気温が高く、エアコンは公共施設にしか置いてないドイツの生活には一苦労しました。しかし、こちらでできた友人に誘われて、近くの湖に泳ぎに行けたことは素晴らしい経験でした。みんなでビールを飲み、浜辺でボール遊びをし、終わりごろには、みんなで煙草をすいながら浜辺で談笑しました。私はドイツの美しい湖をとても気に入り、以前京都に交換留学に来ていたドイツ人の友達やバディさんと一緒にその後も何度か湖で泳ぎました。
また牧師さんたちと一緒にヴッターパールの山の中で一日ハイキングをしたことも私にとって大事な経験です。ドイツの美しい木々と太陽に照らされて、自然を楽しみました。しかしながら途中で道に迷ってしまい、私たちが森を抜けたころにはとっくに日が落ち、時計をみると午後10時になっていましたが、今振り返ってみるとすべてよい経験でした。そのほかにも彼らと共にクサンテンにあるローマ博物館に行ったことも忘れられません。以前はその土地もローマ帝国の範疇にあったそうで、出土したコインや大きな浴場、復元された円形劇場(アンフィテアトルム)を見ると、歴史を肌で感じることができました。円形劇場で言葉を発してみると、観覧席の小さな声もおどろくほど場内に響きました。ですから、2000年前にローマ帝国の人々が客席にひしめき、わずかな声も出さないようにして演劇を見守っていたことを想像すると、じんわりと心にしみるものがありました。