この留学を振り返って
これまで留学を考えたことも海外に行きたいという気持ちも全くなかった。特に留学はいわゆる「意識高い系」の人や恵まれたコミュニケーション能力を備えている人が行くものというイメージだったからだ。残念ながら私はそのようなタイプの人たちとは真逆であった。なので、留学が決まった時は「本当に私が行っても良いものなのか」とかなり焦ったし不安になった。
しかし、いざ行ってみると周りの留学生たちはいろんな考えを持っている人たちばかりで気楽に留学生活を送ることができた。みんな、今置かれている環境で最大限楽しむことを一番によく考えていたと思う。同じ寮に住んでいるならシェアキッチンでごはん会をしようだとか、近くに森があるならそこで鬼ごっこをしようだとか、日本でできなさそうな楽しいことを思いついてすぐ実行していた。そのような人たちのおかげで、私一人ではしないようなことを含め多くの経験ができ、今回の留学を有意義に過ごすことができた。本当に想像以上に多くのことを学び得たと思う。
このように今回留学を振り返った際、「良かったなぁ」と思うことのすべてに共通するのは、周りの人たちに恵まれていたことであると思う。ドイツに到着したその日から人に恵まれていた。行く先々で人がやさしかった。このようにやさしい人たちの助けがなければ、私の留学は何もなしえなかったどころか、最初から破綻していただろうと心底思う。
留学経験をどう活かすか
学問的にもわずかながら成長はあった(わずかながらというのは、もちろんたくさん成長できる機会はあったが、私の容量の悪さゆえに少ししか成長できなかったということ)。特に勉強に対する姿勢も変わったと思う。たとえば、英語とドイツ語に対してのハードルがぐっと下がったことである。これによって自身の専攻において文献を読んだときに、原語でも調べてみようと積極的に考えることができるようになった。また、今までは質問することにかなりの勇気が要ったが、今では質問することへのハードルが少し下がった。後の度胸がついたということに繋がるが、質問する際に「質問内容がポンコツでも私は悪くないから」とポジティブともネガティブともいえない自信がついた。そこは今後の研究生活においてしっかり伸ばしていきたい。
学問的な成長も大切だが、むしろ学問的のみではない全般的な成長の方が忘れたくないと考えている。全般的な成長は挙げるならキリないがそれでも数個取り上げるなら、日本ではできない経験ができたこと、それによってある程度の度胸がついたこと、困る前であってもたくさん人に頼ること、したい/したくないと考える前にやってみるという選択をしてみることあたりである。留学では本当に度胸がつく。最近は「留学のあの時よりマシかぁ」などと思い、怖気づいたり緊張したりすることも少なくなった。そして人に頼ることや、とりあえずやってみるということをしていると、その後良い方向に行くことが多い。この成長は学問の場以外でもどこでも役立つので、普段から意識して過ごしていこうと考えている。
勢いまじりで考え始めた留学*であったが、この1年間は何にも代えがたい経験であり留学して本当に良かったと考えている。
*先生と話しているときに留学の話になり、その際に留学に興味があると勘違いされてしまったことが発端。断り切れない性分であったためにそのまま話を進めてしまった。だが考えてみると私の専攻とドイツの相性がかなり良い。ヘンなきっかけではあるが、そこからは真面目である。
留学するために協力してくださった先生方と両親に心から感謝している。加えて、今回の留学生活に関わってくれたすべての人たちに大変感謝している。