現地の学生、友人について
致死量の人、そしてまさに言葉の暴力である。悩みごと、つらかったことの9割は自分の語学力の乏しさが原因であった。相手の言っていることを理解できなくて何回も聞き返してしまうのが毎回申し訳ない。しかし何回聞き返してもほとんどの人は丁寧にやさしく繰り返してくれる。この時、愛嬌が本当に大切である。しかしそれはおバカという意味ではない。日本ではおバカは可愛がってもらえたりするし、「真面目ちゃんで面白くない」というヘンなレッテルを貼られたりすることはない。そこから運が良ければ加点方式というところだろうか。非常に楽であった。しかし、ドイツでおバカをだすと本当に馬鹿と思われてそこから一切加点されない。本当に一発でオワリである。したがっていかに馬鹿を隠しつつ、愛嬌のある子になるかが大切である。これには英語・ドイツ語がうまくしゃべれないときでも、頑張って「私、喋ろうとしています」「私、ちゃんと考えています」感を出すことが一番良い方法であったと思う。みんな絶対に待ってくれるし、本当に困ったら助けてくれる。喋らないと完全に空気扱いになってしまうのでそこは大変つらい。しばしば「アジア人差別ってどうだったの?」とか言われることがあるが、正直「人種」差別するような人間からするとアジア人は「差別して良い人間」という対象にすら入っていない気がする。「人種」差別するような人間ではなくてもなんとなく「あれ、この人、私のこと見えてないのかな?」と思うことがしばしばある。その点からしても喋らないと完全に空気になってしまう。一度、トルコ人10人のパーティーになぜか日本人1人私だけ招待されて、全員終始トルコ語でしゃべっているし、なんならトルコ語でしゃべりかけてきたときは本当に苦しんだ。この時ばかりは何もできなかった。いまだにあの状況は何だったんだと心から思う。それでも楽しかった。
ポーランド関連の忘れたくないエピソード
・ポーランド旅行中、空港の搭乗口で搭乗時間を待っていた時のこと。目の前に座っていた夫婦がゴミを投げ、見事ゴミ箱にシュート。たまたま顔を上げてしまいシュート現場を目撃。大喜びしている夫婦と目が合ってしまう。ドヤ顔グッドサインをされる。私は小さく拍手を送る。私は自分の手に持っているゴミに気づいてしまい、これはどうしたものかとひどく悩んだ。ここで私がこれを投げずに、歩いてゴミ箱のもとへ行き捨ててしまったら興ざめしてしまうのではないかと悶々としながら30分ほどゴミを握りしめることになった(隠していた)。
・ポーランド旅行中、姉の友人のポーランド人におすすめされたレストランに訪問したときのこと。私の旅行はすべて博物館ハシゴ旅ということで、友人からあまりにも評判が悪くほとんど一人旅である。その日も博物館ハシゴの最中にレストランに一人で入った。すると、隣に座っていた同じく一人旅中の女性に声をかけられて相席した。彼女曰く「お互い別々の席で食べるのって意味が分からないから」だそう。「あはは、そうですね」とは返したものの、思い返すと「そんなことないだろう」とは思う。しかし、彼女との会話はとても楽しく素敵な出会いだったと思う。彼女のこのようなところを見習いたい。
・Monschauでみかけたポーリッシュポタリーがあまりにも可愛かったので、ポーランドでマグカップを一つ購入。しかし私が一目ぼれしたヨット柄の食器が見つからなかったのでドイツで探すことにした。寮から2時間未満で行けるとても小さな町にポーリッシュポタリー専門店があるとのことでそこに向かうことにした。その際、降りるバス停をひとつ間違えてしまい、見渡す限り草木、鳥しかない場所に取り残されてしまう。本当に小さな町なのでバスが全くなくそこから徒歩で行くことしかできなかった。何とか到着したときには営業終了の10分前であった。全力で申し訳なさそうな顔をして「遅い時間にすみません、まだ開いていますか」と尋ねると、店主さんは怖い顔と声で「もちろんだよ。ゆっくり時間をかけて選んでね。駅まで遠いから帰りは私の車で送ってあげよう」とおっしゃってくれた。典型的なドイツ人である。念願のヨット柄の食器を購入した後、駅までの車内ではこの町のことを話してくれ、私が留学生であることを伝えるとやさしいドイツ語でゆっくり話してくださった。本当に人に恵まれているなあと感じた思い出のひとつである。