Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

東フィンランド大学
2012年12-1月号 文学部 D.T

冬休みのこと―

東フィンランド大学の冬休みは、個人によって始まりと終わりの時期が異なります。とゆうのも、履修する授業によって前学期の終わり、次学期の始まりのタイミングが違うからです。私の場合、12月8日に最後の授業が終わり、その日から冬休みがスタートでした。

前々からの計画で、冬休みはヨーロッパ各地を旅行しようと決めていたので、一か月ほど前から準備を始めました。いくら陸続きの国が多いとは言え、フィンランド国外へ出るため、海外旅行には変わりありません。事前の下調べ、宿泊先、渡航方法等、色々な準備が必要でした。まず調べ始めたことは、航空会社です。最近よく耳にする「格安航空会社」がヨーロッパにも何便か飛んでおり、先学期からこちらに留学している友達などに聞いた結果、”Ryan Air”、”Easy Jet”の2つが挙がってきました。どちらも、日本では考えられない程の安値でヨーロッパ各地を行き来できます。電車の方が数段値段が張るので、感覚がおかしくなりそうですが、それほど安いのです。

渡航期間を2週間(クリスマスまでにはフィンランドに戻りたかったため)とし、渡航先を、興味のあったイギリス、フランス、イタリアと決めました。さらに、各地に日本で出会った友達が多くいたため、滞在先として利用させてもらうという計画もありました。どちらの航空会社も、予約を早くすればするほど安いということだったので、できるだけ早いうちに飛行機をおさえました。渡航手段が決まれば、次は滞在先です。今回はロンドン、リバプール、パリ、リヨン、ミラノという5都市の移動だったため、リバプールとリヨンにいる友達の家に泊めてもらうことを除いても3箇所のホステルに予約する必要がありました。そこで私が利用したのは、WorldHostel.comという世界中のホステルが掲載されているPCサイトです。このHPでは、利用者の意見、立地、ホステルの詳細などの情報が載っており、同時に予約もすることができます。

授業が終わった翌日の9日、フィンランドのTampere空港を出発してイギリスのStansted空港に飛びました。ロンドンには5日間という、この旅最大の滞在期間であったので、ゆっくり観光地を周ったり、買い物する時間を用意していました。この旅を全体的に見て言えることですが、幸運にもほとんどの日で雨が降らず、移動にはそんなに困らなかったように思います。一つ大変だったことと言えば、ホステルを12人部屋で予約したため、帰ると21時には電気が消えており、すでに寝ている人がいて真っ暗な中で行動しなければならなかったことです。もちろん、部屋にいる人数が増えれば増えるほど多少値段の変動はありますが、フランスやイタリアで少ない人数の部屋に宿泊した際は、とても居心地が良かったのを覚えています。また、ロンドンでの観光にはOne-day passがとても便利です。これは、地下鉄のinformation centerで購入することができ、6£で地下鉄と市バス(有名な赤色のバス)が乗り放題で利用できます。このチケットのおかげで、2,3日でだいたいの有名な観光地を周ることができました。

ロンドン滞在の後は、電車に乗ってリバプールへ移動しました。龍谷から留学している日本人の友達の家に滞在させてもらい、2日間という短い時間でしたが、英語圏の国でのイギリス人との交流はとても刺激になったように思います。また、龍谷に留学していた懐かしい友達との再会も、とても印象に残っています。

その後は一度ロンドンに戻り、Luton空港からフランスのCharles de Gaulle空港に飛びました。パリは、色々な意味でとても印象に残っている街です。まず、空港から地下鉄でホステルに向かい、着いたところがとても治安の悪い場所だったことです。今になって思うことですが、ホステル選びはとても重要だと思います。しかしHPでホステルを選ぶのには限界があります。なぜなら、数枚の綺麗な写真と地図上での位置説明では、その場所の治安や雰囲気までは分かりにくいからです。そんな中、心に残る出会いもありました。ホステルに到着後、4人部屋で予約していたはずが15人部屋に案内されたり、ホステル自体の治安も悪かったりと、到着早々不安な思いをしていると、ようやく案内された4人部屋のルームメイトがとても良い人たちだったのです。彼らもイギリスに留学しているチリ出身の方たちで、荷物を降ろしてそれまでの話をすると、「私たちもあなたたちのことを信じるから、あなたたちも私たちのことを信用して下さい。」と言ってくれたりと、2日間本当によくして下さいました。

翌朝から動き出したのですが、前日までの悪いイメージから一転、パリの美しい街並みと景色に圧倒されました。その感動は、リヨンに移動してからも同じでした。リヨンへは、パリ市内からTGVに乗って移動しました。リヨンの大学に通っている友達に連れて行ってもらった教会や大聖堂、街並みはパリとはまた違った印象で、もう一度来てみたいと強く思った街でした。2日間のリヨン滞在も、観光にパーティーにととても有意義なものになりました。

最後の国であるイタリアには、リヨンのSaint-Exupery International空港からMilan-Malpensa空港へのフライトで行きました。1日という短い滞在だったので、心残りはたくさんありますが、ミラノ市内の有名な観光所、街並みはしっかりと目に焼き付けてきたと思います。ホステルに関しては、この旅で一番良かったと思います。というのも、ホステルには見えないホテルのような内観と、とても静かで落ち着いた館内だったからです。もちろん、到着してみるまでどんなホステルかということは分からないですが、長い移動を経てホステルに着いてみて自分たちの予想を、良い意味でも悪い意味でも裏切るホステルに出会うということも、お金をできるだけ使わずに行う旅行の、一つの醍醐味ではないかと思いました。

長々と書いてきましたが、このような旅行も留学に来てこそ出来る一つの人生経験ではないかと思います。特にヨーロッパへの留学を考えている方にとっては、しっかりとした準備をすれば、とてもフレキシブルにそして簡単に色々な国を周ることができます。参考までに、今回4回の飛行機移動をしましたが、トータルで150€(日本円で約16,000円)ほどでした。おそらく、日本では考えられない値段だと思います。ひたすら勉強を頑張ったご褒美として、長期休暇を利用してたくさんの国への旅行をしてみるのもよいのではないでしょうか?