Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

東フィンランド大学
2014年10月号 法学部 N.S

【環境について】

まず、大学内の施設については特筆するほど日本と違ったところはありませんが、食堂のランチがとてもリーズナブルな価格でパンとサラダが食べ放題であるところや、医療施設が整っており診察代が無料であるところなどが、フィンランドの大学においての強みであると思います。また、仮に大学の中心から少し離れた後者で講義を受けたとしても、いたるところに食堂があるため、わざわざ戻らずともその場の近くで昼食をとるとこができます。図書館やパソコン室、喫茶店などの設備も滞りなく、広い敷地内であっても痒いところに手が届く環境になっていると思います。

住居については、自分の住居は静かでいいところですが、大学までの距離は決して近いとは言えません。自分の友人には大学からとても近くて立地がいい住居にすんでいますが、その代わり毎週末はクラブ状態であまりプライベートは確立されていないようです。どの住居も長所と短所がつきものではありますが、住んで都にしています。

また、ヨエンスーの中心街の街並みはとても小規模でシンプルです。最初は少し戸惑いましたが、慣れてしまえば迷うことはまずないと思います。日常生活を送る上で必要なものは手に入りますし、店の人も親切で、こちらの顔を見ると英語で接客してくれます。ただ、これもサービス面での話ですが、商品を入れる大き目のプラスチックバックが有料であったり、また見せによってはトイレも有料なところがあります。環境問題について配慮しているところが、街を見渡すと垣間見れると思います。

【フィンランドの最大の資源は人材】

今回も、現地の人間から聞いた話を元にテーマを選びたいと思います。日本では職業を失ってしまった場合、生活保護という項目で国が生活費をまかなってくれる制度が存在します。しかし、生活保護という名目とは裏腹に、実際申請したところでそのための条件・審査が厳しく、さらには端からまともに取り合ってくれることすらない「水際作戦」まで行われています。フィンランドでも生活保護のような社会保障の制度があると耳にしたのですが、日本より理にかなった緩すぎもきつすぎもしない条件で、申請が可能であると見受けました。

フィンランドの教育制度は、言わずもがな世界各国から注目されています。不況の時代、資源の乏しいフィンランドでは人を第一の資源と考え、国際競争に残るために人材教育に力を注いだとされています。まだ少しだけではありますが、自分がこの国で講義を受けた際、主体はあくまで受講生であり、教授が能動的に延々と話をしていることはありませんでした。むしろ、教授でさえも講義においての受講生であるのではないか、という印象すら受けた場面もありました。

このように、この国は国そのものが権力を持つのではなく、人ひとりひとりを丁寧に扱っているよう、現段階では感じています。フィンランドについて肯定的な意見ばかりを書いていますが、いずれはもう少し柔軟な角度から見てみたいと思っています。