―試験について―
東フィンランド大学の試験のシステムは日本の大学のそれと、そこまで大きくは違っていないように私は思います。私は主にBusiness School、Department of Social Sciences が開講している講義を取っているので、他の学部の講義や試験のシステムについては分からないですが、私の知る限りでは、試験のシステム、あるいは単位取得のための方法は、受講する講義によって異なります。レポートの提出、プレゼンテーションを課すもの、レポートの提出だけを課すもの、レポートもプレゼンテーションも課さず、講義の最後にペーパー試験を課すものなど、その方法は多岐にわたっています。注意しなければいけない事としては、フィンランドの大学は日本の大学と違い、講義の開講期間が各講義によって異なっており、試験日も異なるという事です。日本の大学のように、セメスターの始めから最後まで続く講義もありますが、その様な講義は少なく、ほとんどの講義は、2,3ヶ月で終わります。そのため、試験日も異なってくるという訳です。またこれも講義によって異なりますが、ペーパー試験を受けるほとんどの場合において、履修登録とは別に、事前に試験の登録をしなければなりません。この様な情報は、講義の中で教授も言及すると思われますが、各講義のシラバスに明記されているので、ミスを犯さないよう履修登録の際、あるいは不安になった場合はそれを注意して確認する事をお薦めします。
―フィンランドの大学におけるStudy Culture―
フィンランドの大学教育を扱ったほとんどの文献やウェブサイトなどにおいて、Academic Freedomというワードは登場するでしょう。Academic Freedomは、いわゆるフィンランド大学教育における重要な理念の1つで、字のごとく大学は学生が自分の学修したい事を自由かつ柔軟に、誰からも強制あるいは制約される事なく学修できる環境を提供すべきだ、という事を意味しています。また同時に、各学生はAcademic Freedomを保障されるのと引き換えに自身の学修計画においては、全てにおいて自身が責任をとる事を求められます。約半年フィンランドの大学で学修をして来ましたが、なんてフィンランドの大学で学修できる学生は恵まれているのだろうと、私は感じています。大学の設備、特に情報設備は素晴らしく、また教授や大学職員の方々は学生からの質問や意見に対し、真摯にそして親切に手厚く対応してくれます。本当にフィンランドの大学は、学生が自身の研究に専念できる環境を実現し、学生に提供しているな、と実感しています。そしてもう1つ、フィンランドの大学あるいは教授は試験やレポート、プレゼンテーションの中で学生に対し、どれだけ授業で扱った内容を覚えているかではなく、授業の中で扱った内容、あるいは理論、主張を踏まえ、どの様に自分はそれらを解釈しているか、あるいはある1つの事例において、どの様にそれらの理論を応用する事が可能か、という事を求めます。私もフィンランドに来た当初は、study cultureの違いに戸惑い、苦戦しましたが、今は慣れ素晴らしい環境のもと学修できる喜びを実感しています。