Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

東フィンランド大学
2016年5月号 経済学部 D.K

―この留学を振り返って―

約9カ月間の交換留学プログラムも、5月で終わりを迎えようとしています。この9カ月間、多くの事に困惑し、失敗し、そして自分の語学スキルに不甲斐なさを感じる事も多々ありました。しかし、世界各国からの留学生、そして現地フィンランド人との会話や交流を通して、日本に居ては学ぶ事のできない多くの事を吸収し、大きく成長した事を私自身、強く実感しています。この9月間は私にとってかけがえのない宝物であるのと同時に、色々な意味で意義のあった、ある今後意義があるであろう投資であった事を強く確信しています。長期留学を経験する事にマイナスな事なんて1つもありません。強いて1つ挙げるとしたら、コストがかかるくらいの事でしょう。しかし近年は、各国政府も国をあげて学生に留学を推奨、そしてサポートしている事、またグローバル化による国境を超えた大学間の提携強化などにより、コスト面も含めたあらゆる留学への障壁が取り除かれてきています。この留学で人生観あるいは、自分の中の世界が変わった、と言うのは誇張し過ぎかもしれないですが、外国で起こっているニュース、あるいは外国の国々そのものに対する自分の中の認識が大きく変わった事は確かです。この留学を通して、いかに今まで自分は日本という小さな島国の中で、日本でしか話される事のない日本語を使い、日本語しか使いこなせないが故に起こる情報量の制限の中で生活してきたか、という事を強く実感させられました。言うまでもないですが、世界は広いです。そして、私達は世界で起こっている事のほんの極一部しか知らないのです。英語が使いこなせるのと、こなせないのでは、アクセスできる情報の量も大きく変わってきます。より多くの情報にアクセスできる事が人間の幸せに繋がるかどうかは分かりませんが、英語という世界共通言語を通し、外国の人々とコミュニケーションを取り、自分の知らない他国の文化や情報に触れられる事は人間の幸福の一つであるのと同時に、膨大な数の国々から成る地球に生きる人間の醍醐味だと、私は信じています。

 

―帰国後どう留学経験を活かす予定か―

私は現在、大学4回生ですので卒業後の進路について真剣に考え、行動に移さなければならない状況にいます。元々、交換留学を決意した大きな要因の1つは、長期留学の経験があり、英語が使いこなせ、海外の人と円滑にコミュニケーションが取れる事は、就職に有利、あるいは大きなアドバンテージになるだろうと信じていたからです。グローバル化が急速なスピードで進展し、国際市場は競争力を増す中で、さらには少子高齢化などの問題により国内市場は衰退する状況下で、日本の企業は海外に目を向け、シェアを獲得し、基盤を築く事が必要不可欠になってきています。そんな厳しい状況下で、英語を使いこなせ、海外の環境に容易に順応できる、いわゆるグローバル人材は、確かに今の日本企業にとって最も魅力的な人材でしょう。しかし、私は留学経験がある事が、あるいは英語でコミュニケーションを取れる事が就職活動上、どの様にアドバンテージとなってくるのかとても曖昧なままでいます。言い換えると、就職活動をする中で、私はこの9月間のフィンランドでの留学経験をどの様にアピールしてよいのか分からないままでいるという事です。留学経験とキャリア形成の関係の理解、効果的な留学経験のアピール方法をよく理解し、実践できる事が、今の自分に最も求められている事だと認識しています。