Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

フォンティス応用科学大学
2025 年 5 月号 国際学部 M.K

① 留学と語彙力

留学生活を通して語学力がどのように変化したかを振り返ると、私が最も実感しているのは「語彙力の向上」です。よくリスニング力やスピーキング力が伸びたと語る人もいますが、私自身はそこまで明確な変化を感じてはいません。ただし、「英語を聞いたり話したりすることに慣れる」ことと、「実際に聞き取れたり話せるようになる」ことは別物であると感じています。

例えば、留学中に「話せるようになった」と思っていたスピーキング力が、日本に戻った途端に発揮できなくなる可能性もあります。日本は英語を使わずとも問題なく生活できる環境であるため、英語に触れる機会が大きく減ってしまうからです。そのため、リスニング力やスピーキング力が本当に身についたかどうかは、帰国後もしばらく経過を観察しなければ分からない部分だと思います。

一方で、語彙力の向上についてははっきりと実感しています。留学中は、日常生活の中で自然とインプットとアウトプットを無意識のうちに高速で繰り返す機会に恵まれています。授業や買い物、友人との会話など、すべての場面が語彙を学ぶ場になっているのです。知らなかった表現に出会い、それをすぐに使ってみる。この「知る」と「使う」の距離がとても近いことが、留学の大きな魅力だと感じています。

日本にいても英語の本を読んだり、映像を見たりして新しい表現を学ぶことはできますが、それを実際に使う場が少ないと、記憶に残りにくいことがあります。留学中は、人との会話の中で表現を音でインプットし、すぐにアウトプットすることができます。「この表現いいな」と思ったら、次の会話でオウム返しのように使ってみる。その繰り返しが、語彙を「知っている」だけでなく「使える」ものに変えていくと思います。

語学力の向上は、もちろん個人の努力に大きく左右されますが、それでも留学は語学力、特に使える語彙力の成長を強く後押ししてくれる環境であると自信を持って言うことができます。

 

② PSVおめでとう

留学先のアイントホーフェンが熱狂に包まれました。というのも、PSV(アイントフォーヘンに本拠地を置くサッカーチーム)がオランダのサッカーリーグ「エールディヴィジ」で優勝したのです。サッカーにそこまで詳しくなかった私でも、この街に住んでいれば自然とPSVという名前を覚えることになります。

優勝が決まったのは、シーズン最終盤。私は途中まで「アヤックス(アムステルダムにホームを置くチーム)がこのまま逃げ切るのかな」と思っていたので、正直、PSVの逆転劇には驚かされました。特に大きかったのは、アヤックスが終盤の試合でまさかの取りこぼしをしたこと。それでPSVがチャンスを手にし、最終戦で勝って一気に順位をひっくり返したのです。リーグ戦でこんなドラマが起こるなんて、まるで映画のようでした。

そして優勝が決まった日、アイントホーフェンの街はお祭り騒ぎでした。普段は静かな街中が、赤と白のユニフォームを着た人たちで埋め尽くされ、広場では花火が上がり、通りのあちこちから音楽や歓声が聞こえてきました。私は友人たちと一緒にその熱狂の中にいて、あの瞬間、サッカーというスポーツが人々の心をこんなにも一つにする力を持っているんだと実感しました。

留学に来る前は、現地のスポーツチームの勝敗なんて自分には関係ないと思っていました。でも、生活の中で自然とチームを応援するようになり、その優勝を同じ空の下で迎える経験ができたことは、語学の勉強とはまた別の、かけがえのない体験だったと思います。PSVの優勝は、私にとって「アイントホーフェンに住んでいる」と実感させてくれた出来事であり、ここに留学に来られてよかったと思いました。