Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

リネウス大学
2012年10月号 社会学部 M.I

授業紹介

今回はSwedish Culture, Leisure and Sportsについて紹介します。この講義では講義名の通り主にスウェーデンのスポーツや文化について学びます。クラスの受講生はすべて留学生で、スウェーデン人の教授と体育科の教育実習生が先生となり授業を進めていきます。具体的にはしっぽとりやベースボール、ドッヂボール、体操・ダンスなど、スウェーデンの初等教育で学ぶスポーツやゲームを行います。こちらではゲームのルールが日本とは異なるので最初は戸惑いましたが、慣れると新鮮でとても楽しいです。また、この講義では遠足があり、スウェーデンの伝統的な街並みや、地元のスポーツクラブ、アイススケートリンクなどに赴きアクティビティを行います。そのほかにも学内にある森の中で、火のおこし方を習ったり、スウェーデン人がキャンプをする際に作る一般的な料理に挑戦したりしました。日本の教育方法とは大きく異なるスウェーデン式の講義に触れることができ、とても勉強になりました。 この講義を受講してもっともよかったことは、スウェーデンのことだけでなく他国の文化についても学ぶことが出来ることです。レクチャーの中で、スウェーデンと自国の文化や価値観の違いについてディスカッションしたことが私にとってとても良い経験になりました。

 

カルチャーショックについて

こちらに来てスウェーデン人の価値観と社会福祉制度について感銘を受けました。 スウェーデンの価値観を学ぶ中で「平等」の精神を良く耳にします。スウェーデン人にとってこの価値観は非常に重要で、社会福祉制度や日常生活に至るまでいたるところにこの価値観が反映されています。「平等」に関して、男女平等が私にとって最も興味深いです。スウェーデンは日本に比べ婚姻率が低く、離婚率が高い国です。そのためシングルマザーや内縁カップルも多く男女共働きするのが一般的で子育てや家事も夫婦間で分担して行います。また、女性の就業率も非常に高いことで定評があります。労働市場の48%は女性で、産業では女性労働者が欠かせない存在となっています。また、パブリックセクター部門の性別構成比率は女性3割、男性7割という比率です。そのうち、保健・医療、教師のぶんやでは女性が8割を占めます。これらのデータからも、スウェーデンは女性が働きやすい社会環境が整っていると言えます。女性環境の例をいくつか紹介すると、保育所やホームヘルパー制度が充実、幼児を持つ親は男女共に育児休暇(450日)を取る権利がある、幼児を持つ親の労働時間の短縮、長期の有給休暇などが挙げられます。 また、これは有名な話ですが、スウェーデンは世界で最も優れた福祉国家の一つとして知られています。国民の教育や福祉の機会均等などが徹底されており、学費や医療サービスは無料で提供されます。大学などに在学中は奨学金が給付されるなど様々なサポートも充実しています。そのため、社会人になった後も仕事をしながら大学に通ったり、大学卒業後大学院に進む学生も数多くいます。私のクラスメイトにも、高校の先生や大学職員をしながら大学へ通っている学生や、子連れで授業を受けている学生がおり、初めは大変驚きましたが、勤務時間が少なく個人の自由の時間を尊重するスウェーデンではこれらのケースは珍しくないようです。

 

旅行について

今月末にスウェーデンのヨーテボリという都市に1泊2日で旅行に行きました。ヨーテボリはベクショーから電車で3時間ほどの距離で、スウェーデンではストックホルムに続き第二の都市として栄えています。ヨーテボリにはヨーテボリ美術館やスウェーデンで最大規模のジェットコースターがあるリセベリー公園という遊園地などの観光スポットが沢山あるので、一日ではまわりきれないぐらいでした。 また、第二の都市というだけありショッピングモールの数や規模がベクショーとは比べ物にならないほど大きく驚きました。スウェーデンの友達と一緒に行ったので、ショッピングの際にスウェーデンにしかないブランドやお土産屋などに連れて行ってもらえました。また、スウェーデンの伝統的な柄や装飾などをお店や衣服のいたるところで見ることが出来ました。スウェーデンの都市を訪れる際は、せっかくなのでスウェーデン人の友達と一緒に観光したり、事前に情報を集めてから回ると、異なる視点からスウェーデンの文化を見ることが出来るので楽しいと思います。 また10月はハロウィンの時期なので、カフェではハロウィンらしくカボチャやお化けのケーキが売っていたり、ショッピングモール全体がハロウィン風に装飾されていたりととても可愛かったです。今回は短期の旅行だったので、街の隅々までまわる時間がありませんでしたが、出来ればクリスマスシーズンにまた訪れたいと思います。