Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

リヨン第三大学
2013年4月号 経営学部 Y.K

この1年を振り返って

自分の中の世界が広がった1年だったと思います。留学生活の前半は、自分の心との戦いでした。就職といった未来への不安や自分の語学レベルの低さ、それを起因とする過去に対する後悔とそのスパイラル。最終的には「人生とは、生きるとは何なのか」ということを本気で悩んでいました。しかし、ある時、自分が死んでいることに気付きました。なぜなら、どうすることもできない未来や過去ばかりを嘆いて、「今」という時間を生きていなかったからです。

リヨンでは、色々な価値観や生き方をしている人に出会いました。神様の存在を心から信じている人や信じていた人、卒論作成ためアフリカへ行くという人、自分のやりたいことを見つけて人生を楽しんでいる人。そういった人々との出会いが私の視野を広げ、良い方へ導いてくれました。また、4月には日本人留学生のみんなと「日本留学説明会」を開催しました。そのためのパンフレットを作成するとき、フランス人が日本に来た時どんなことを疑問に思うか見つけるため、フランス人になりきって日本を観察しました。すると、普段より多く日本との違いを見つけることができました。例えば、切符の買い方ですらフランス人になりきってみるとたくさんの違いがあることに気付かされるのです。

こうした経験を通して、これまで興味のなかったものにも関心を持つようになりました。そして、互いに切磋琢磨できる友人をつくることもできました。留学生活の中でもっとこうしたら良かったと思うことはたくさんあります。しかし、そんな過去があったからこそ、今があると受け入れられるようになりました。本当に留学を決意して良かったと思います。

 

帰国後どう留学経験を生かすか

将来、教育関係の仕事に携わりたいと考えています。その際、フランスで見聞きし感じたことを基に、相手の人生に良い刺激を与えられるようにしたいです。また、留学を通して新しく興味をもったことにもチャレンジしていきたいと思っています。そして、改めて英語にも取り組もうと思います。英語が話せれば、さらに自分の世界を広げることができると感じたからです。以前は、英語に対して苦手意識を持っていましたが、共通点の多いフランス語を学ぶうちにその傾向が減少してきたように思います。フランス語は今後も続ける予定です。中級以上の教材が少ないので、今後はネットを活用して学習していくつもりです。いつかフランス語を使って仕事ができるくらいになりたいと思っています。

他には、これからフランスへ行く学生や来る学生の手助けをしたいとも考えています。さらに、フランス語にまだ興味を持っていない学生に関心を持ってもらうきっかけ作りをしたいです。フランス語は英語に比べると需要が少ないためか、ほとんどの学生が必修の単位分を学ぶとそこでやめてしまいます。多くの学生がフランス語の魅力を知らないまま学習をやめてしまっていると思います。私は、フランス語を学ぶことでたくさんの人と出会い、多様な価値観に触れることができました。フランス語は、英語だけでは見ることのできない世界へのチケットだと思います。

留学生活の中で、たくさんの人の支えがあって今の自分があるということを実感しました。自分を励ましてくれる存在がいるということを幸せに思います。私を支えてくれた人々に少しでも恩返しができるように頑張りたいと思います。

 

自由テーマ~留学を迷っている方へ

もしあなたが次のような理由で留学を迷っているならチャレンジすべきだと思います。就職活動の時期と重なる、5回生になってしまう、または親の猛反対を受けているなど。

3回生の秋、私は記念受験のつもりで交換留学生試験を受けました。「就職活動も控えているし、来年はもう4回生だから…。」そんな風に思って、留学をあきらめていたのです。しかし、今思えば出来ない理由を並べ立てて、挑戦しようとしていなかっただけなのです。一次試験を通過したことをきっかけに、留学したいという思いが再燃しました。同時に自分の意志ではなく、ただ周囲に流されて就職活動をしていた自分に気付きました。留学することに対し、両親は猛反対しました。父親の説得には5カ月以上かかりました。

就職活動の対策としては、留学経験のある先輩に就職活動の進め方を教えていただいたり、面接セミナ―に参加したりしました。他には、企業の方に選考日程や入社時期の融通について問い合わせるなど、自分なりに考えて行動しました。留学中はSPIや自己分析、企業研究を少しずつ進めました。留学は社会人になってからでもできます。しかし、社会にでる前の真っ白な状態で世界を見て感じることができるのは、大学生が最後のチャンスだと思います。