Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

リヨン第三大学
2015年12月号 法学部 H.I

<治安、危険を感じたこと、トラブルについて>

2015年11月13日のパリでのテロ以降、街中で警備員や兵士の姿を見かけることが多くなりました。市立図書館では入り口で荷物チェックをするようになったり、また年末で人々が一か所に集まりやすい時期であるため、警戒が必要ではあります。ただしテロ直後に比べれば明らかに警戒感は薄くなったようで、市立図書館での荷物チェックもだいぶ適当になりました。これがいいことなのかどうかはわかりませんが。

トラブルについては小さいものも含めれば数限りなくありますが、大きなものとしては部屋の水漏れがあります。台所の天井からたまに水がたれてくるのですが、ちょうど台所の照明のところにたれるため運が悪いと部屋のブレーカーがすべて落ちます。台所の照明のもとのスイッチを切ればそれ以外はブレーカーをあげればすぐに使えますが、台所の照明は漏れた水が乾くまでは使えません。入居時に説明は受けましたがたびたび水漏れと停電が起きるため何度も管理人に抗議していますが、気を抜くと再発するので正直今も完全に直ったのかどうかは不明です。そもそもなぜ直してから入居させないのか不思議でしょうがないのですが、これもフランスならではといえるでしょう。

<Le trot atteléについて>

普通の人は知らないマニアックなフランス文化シリーズ、第三弾はLe trot attelé。

日本でも凱旋門賞などフランスの競馬は知られていますが、今回書くのは競馬の一種であるLe trot attelé(繫駕速歩競走)についてです。これは騎手が直接馬の上に乗るのではなく後ろの繫駕車という荷車のようなものに乗って行う競馬のことをいいます。走り方も凱旋門賞や日本の競馬のようにGalop(襲歩)ではなくTrot(速歩)で行います。騎手が直接騎乗するTrotの競馬(Le trot monté)も行われているようですが、フランスでは一般的にTrotの競馬というとこのLe trot atteléのことを指すようです。Le trot ateléは日本では行われていないということなので、実際に観に行ってみました。

私のいるLyonにはCarré de soieとParillyという2つの競馬場があり、訪れたのはParllyの方です。12:55~16:20の間にLe trot atteléが8レースと競馬学校の生徒(全員女性)による練習も兼ねたLe trot montéが1レース行われました。G1のような大きなレースではなかったので観客はまばらで、ほとんどの観客は馬券を買っていました。競馬そのものについてはやはりTrotということで速度が遅く、また馬券を買っていないせいかもしれませんが手に汗握るということはありませんでした。興味深かったこととしてはスタートがゲートに入ったり一列に並んで各馬一斉に、というわけでは全くなく、所定時刻以降にスタートラインを通過することによって行うヨットレースと同じ方法が取られていたことです。そのため基本的にスタート時の位置取りやタイミングに失敗するとかなり厳しいものとなっていました。またスタート位置が観客席からかなり離れた場所にあることとスタートの合図がないため、気を抜いているとすでに始まっていたりしました。

日中とはいえ12月に屋外でずっと突っ立っていたのでとても寒かったです。みなさんもこの時期に観に行く場合は厚着をしていきましょう。