<カルチャーショックについて>
留学期間中、正直これといってフランスの文化や人の行動によって嫌に感じたり落ち込んだりしたことはありません。ただ、日本と違うなと思う点は「ルールが緩い」ことと「周りの目を気にしていない」ことです。日本では駅のホームやバス停で並び順に乗車しますが、こちらではその考えは無く後から来た人がふらっと前に入ってきたりするのは日常茶飯事です。それに対して特に指摘する人もいません。またフランスの地下鉄は基本的に改札を入る時のみ切符が必要です。そのため一度入ってしまえば出る時に再度切符を出す必要がないので、人が入った後の改札口を無理やり押さえて駅に入り無賃乗車をする人がよくいます。そういう人たちは抜き打ちで行われるコントロールの検査に時々引っかかっています。
他には他人からどう見られるかを気にしておらずその場その場で自身がしたい行動をしているようで、自由でいいなと思います。例えば天気のいい日が続くと公園には水着姿で芝生に寝転ぶ人や、住宅街の道端に椅子を出して優雅に本を読む人など。またフランスあるあるなのが、ボイスメッセージでのやり取りです。道端や電車内、カフェなどでも1人でスマホに向かって話す人や、イヤホンなしに相手からのボイスメッセージを大音量で聴く人など、どんな会話をしているか周囲の人に丸聞こえなのですがそれを一切気にしていない様子が個人的には面白いなと感じています。
同世代の違いで言うと、日本より政治や国際情勢に関心があり意見を持っている学生が多いです。大学に限らず、壁やトイレの落書きの多くは「〜反対!」などと政治的な内容ですし、SNSのプロフィール欄やPCに貼っているステッカーに「自分はこうした意見を持っている人です」と意思表示している人を割とみます。こうした場面に限らず授業内やレストラン、などいつでも積極的に自分の意見を相手に出すことが良いとされているのだと感じる場面に多く出会いました。
<8ヶ月が経って>
4月の中旬で私が履修していた授業は全て終わり、そこから期末テストがあります。いくつかの授業では期末テストがフランス語での長文論述で留学生には難易度が高いため代用として「レポート」や「口頭試験」を準備してくれます。私が受けた口頭試験は事前に出されたお題に沿ったプレゼンを準備し先生に一対一で発表をした後、先生からのいくつかの質問に口頭で答えるというものでした。非常に緊張しましたし、直前までは不安だったのですが、結果何とか終えることができた時には語学力の成長と達成感を実感しました。なかなか自分で成長の度合いを知ることは簡単ではないですし成長できているか不安になる時があると思いますが、一年近く外国に暮らして得た経験は自分が気づかないうちに身についているのだと気づくことができました。
テスト期間は長くテスト日程も散らばっているため合間を縫って、南仏のCannes、Antibes、Nice、Mentonを訪れました。これらの街間は電車ですぐ移動可能ですし暖かくなってきた4月がまだ繁忙期前なので行く時期としてはおすすめです。フランス人の多くがVacanceで訪れ、また美術に興味のある私はピカソやマティス、シャガールなどの画家が長期滞在し彼らの作品に影響を与えた南仏を体感したく、ただ海を見たり小さな美術館を訪れたり、美味しい料理を食べたりとゆっくり過ごせたことでいい気分転換をできました。そのおかげでLyonに帰ったときにまたテストを頑張ろうという気持ちになれました。留学期間中はつい気を張ってしまいがちですがヒーリングできる時間を持つことも重要だと思います。
Un match de rugby à Lyon
La bibliothèque de Lyon3
Antibes