グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

モスクワ大学
2012年9月号 文学部 S.T

留学後期授業風景

9月に入ると、ロシアでは新学期が始まり、夏休みには静まりかえっていた大学構内もにわかに活気づきます。留学生達には、クラス分けテストが行われレベルにあったクラスに再度振り分けられます。そして今回のクラス分けで私は、台湾人と日本人の合同クラスに入ることになりました。新しいクラスでは、前期と同じように文法をはじめとした、講読、音声学等を学ぶことになります。授業風景については講義のレベルの違いこそあれ、留学前期との大幅な違いは感じられません。

その他授業以外では、留学生向けのモスクワ近郊へのツアーが文学部で企画され、ロシア人のガイドが安価な値段で様々な場所を案内してくれます。ツアーではロシア語で名所を解説してくれるので、ロシア語の学習にもなるでしょう。

 

治安・危険を感じたこと

日本から見たロシアのイメージは、よく日本人が冗談で使う「おそロシア」という言葉から見て取れるように「暗くて怖い」でしょう。このイメージは、第二次世界大戦後多くの日本人がシベリアで抑留され強制労働させられその地で亡くなったことや、冷戦時アメリカ側のフィルターを通してソ連を見ていた日本人にとってしかたがないことかもしれません。また日ソ共同宣言を経た現在でも未だに残っている、北方領土問題のためどうしても負のイメージをロシアに抱きがちです。確かにソ連崩壊後急激に治安が悪化し、ネオナチ等の暴徒が増えたことも事実です。しかしながら私は現在では他のヨーロッパ諸国に比べても、ロシアだけがそれ程飛び抜けて危険だとは感じません。
海外において絶対に安全ということはありえません。そのことを忘れずに常に周りに注意して、行動する限りロシアも決して危険な場所ではありません。

次に、私がロシアで気をつけていることを、幾つか紹介したいと思います。まず最初に、一人での夜間の行動を避けることです。もちろん、全ての行動を複数で行うのは不可能ですし場合によっては深夜帯に一人での行動を余儀なくされることもありますが、夜間行動する時はできるだけ二人以上で移動することをお勧めします。何故ならば、ほとんどの強盗・強姦を企てる犯罪者は一人でいる者を狙うからです。そしてどうしても一人で夜間活動する場合は、常に周りを警戒することです。地下鉄の駅から大学寮内までは、徒歩だと25分近くかかります。特に大学寮付近の道路は街路樹が多く見通しが悪く、また通行人も少ないため注意が必要です。

実際に私の知り合いも大学寮の手前で強盗に遭っているため、寮付近だとはいえ夜の公道には注意が必要です。周りに注意を向けることにより、犯罪者にも自分が警戒していることをアピールできるため犯罪に遭う確率を多少は軽減してくれるでしょう。このように、海外に行った時に気をつけることをやっていれば、ロシアにおいてもそう簡単に犯罪に遭うこともないでしょう。また普段からの情報収集も欠かすことはできません。外務省や親しいロシア人からデモや事件の情報を事前に手に入れ、その情報を踏まえて行動することが非常に重要です。しかし人間は、どうしても何事にも慣れてしまう生き物です。そのように自分の中に油断を感じた時に、自分の行動を見直していくことこそ事件や事故に巻き込まれない、一番の予防だと私は考えています。

(写真右は赤の広場にて)

 

自由テーマ ロシアでの散髪

留学中最初で最後の散髪にトライしてみたので、今回はその様子を書いてみたいと思います。
ロシアの散髪事情は日本とどのように違うのでしょうか。日本人にもロシア人女性の美しさは、非常に有名だと思います 。けれども男性のイメージはどうでしょうか。強い、大きい等の意見はよく耳にしますがおしゃれ、格好いいといった意見はあまり耳にしません。これは、ロシア人が思い描く理想の男性像にも深く関わりがあると考えられます。ソ連崩壊まではロシアでも知的でおしゃれな男性が女性に人気があったようですが、ソ連が崩壊すると状況は一変し、力強く頼り甲斐のある男性に人気が集まります。これは、ソ連崩壊直後の社会不安により女性達がより、わかりやすい頼り甲斐のある男性を求めたからではないかと私は考えています。そして現在はというと私の目には、男性は未だにおしゃれからは程遠いロシア人がよく映ります。そして髪型も十把一絡げの角刈りか無造作ヘアーが、根強い人気を持っているようです。

そんな中私は、大学寮内にある美容室に行って来ました。結論から言うと非常に良い意味で、裏切られたと感じています。まず接客態度ですが、このレポートでも散々お伝えしてきたようにロシアの接客は決してよくありません。けれども今回挑戦した美容室は、まず受付のロシア人女性に髪を切りたい旨を私が伝えると直ぐさまカット担当の人に引き継いでくれました。このことだけでもひたすら待つことを要求するロシア人の接客から考えると、破格の対応といえます。そしてカット担当の女性も「襟足はどの位切るのか?前髪は残すのか?ワックスは使うか?」と様々な質問をしてくれ、こちらの要望を真剣に聞いてくれました。そして30分後そこには、ご満悦の表情のアジア人と一人の美容師が立っていました。最後に会計を済ませに受付に戻ると、550ルーブルという非常に安価な値段を告げられました。私は今回行った理容室は、私がロシアで出会った接客の中でもトップクラスの接客だったと感じています。そのため、次回以降モスクワ大学に留学する学生にも是非モスクワ大学寮内の理容室に行ってみることをおすすめします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(髪をカットしてくれた美容師)