Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

バレンシア大学
2023年 7月号 文学部 K.U

○この留学を振り返って

常に刺激の日々でした。スペイン語がうまく伝わらず苦労する日々、日本と正反対といっていいほどの文化の違い、ほぼ全てが刺激的でした。勉強になって、新しい考え方が取り入れられ、素敵な日々でした。しかしこう思えるような余裕ができたのも留学生活が数ヶ月経ってからのこと。私の性格的には困難があってもすぐに切り替えられるタイプだったので、何か問題があるのは覚悟していましたが、なんとかできるだろうと思っていました。しかし、行ってから現実を見ました。うまくスペイン語を伝えられないストレス。右も左もわからない何もできない自分。授業に行っても最初は一人ぼっち。孤独でした。初めて自分をコントロールできていない自分と出会いました。正直、一週間目はご飯も喉を通りませんでした。学校に行く道が怖く、聳え立つ彫刻の立派なスペインの建物が今にも僕を襲ってきそうで全てが敵にみえていました。そんな一週間。だんだん状況は良くはなりましたが、思い描いていた自分の理想の留学生活とは程遠い。そんな焦りが私を襲います。スペイン語も上手くなっているかわからない。余裕のない生活が1ヶ月半続きました。自分を見失っていました。しかし、時間が解決してくれるというのも事実で、次第に友達がたくさんできていき、学部のサッカーのチームに誘ってもらいそこからクラスの友達ができていき、僕のスペインの大学生活も軌道に乗っていきます。授業でわからないことがあれば教えてくれるような素敵な友達もできました。授業はやはり100%は理解できず、授業後一人で歩いて帰る道は少し落ち込みますが、その気持ちが常に私のスペイン語勉強へのモチベーションでもありました。私生活も友達と週末はクラブに行ったり楽しくなっていきました。3ヶ月経った頃にはすっかり楽しく刺激的な毎日に変わっていました。日本では体験することができないたくさんの体験をしました。ルームメイトのラマダン期間中の生活を見れたり、ラマダン中の食事を食べさせてもらったり、ドイツ人の友達とサーフィンや、色んな場所に遊びに行ったり、スペイン人の友人とハイキングに行ったり、カザフスタンの友達との生活、会っていなかったら興味を持っていなかったであろう国のことに興味が湧き、日本にいた時よりもさらに見る視点が変わったと思います。それと同時に日本の良さにも同じくらい気づくことができました。これは日本から一度出てみないとわからない事だっただろうなと感じます。

 勉強面でもすごく刺激を受けました。スペインの積極性、わからないことがあれば質問をする姿勢はすごかったです。履修した授業も興味深く、将来につながるようなクラスばかりでした。前期テスト中に、こんなの合格できるのかと絶望した科目も、後期の再試でスペイン語で問題を解けている自分に驚き、さらに合格できたという結果は、私にとって大きな自信になりました。

○留学経験をどのように活かすか

 生活面では色んな経験をしたことで、さらに広く、寛容な視野を持って世界を見れるのではないかと思います。特に大学生活でお世話になった友人が言っていた言葉を思い出します。彼は右も左も分からない僕をすごく気にかけてくれる友人で、カザフスタンから三年前にバレンシアにきて四年間バレンシア大学で勉強する学生でした。彼は常に、「僕が一年目の時に君と同じ立場ですごく苦労したんだ、君の気持ちをすごく理解できるし、君にはバレンシア生活をなるべく早くなれて楽しんでもらいたいんだ」と。たくさんの人にサポートしてもらいましたが、彼は特別でした。僕は彼から困っている人がいれば手を差し伸べてあげられるような人になるべきだということを学びました。やはり外国人として生活上で少なからず差別などもあります、そういう時にいつも思うことが、同じ人間なのに、なぜそう言った嫌なことをしてくるのか、人は人で皆平等であるはずなのにと。だからこそ私は今まで以上に人に優しくそして困っている人がいれば手を差し伸べてあげれるような人になりたいとこの留学生活を通して今まで以上に強く感じ、それを日本での生活にも落とし込んでいきたいと思います。

 勉強面では、将来に活かせるような理論や実践の仕方を学びました。学んでいくうちにこう言った仕事がしたいとも思うようになりました。それを、スペイン語や英語を使ってできれば素晴らしいですが、まずは一つ一つ自分がしたいことを明確にしてこの留学生活の生活面、勉強面を活かせるような人生を構築していきたいと思います。