ASUにおける学びについて、書きたいと思います。私は、龍谷大学では文学部臨床心理学科に所属し臨床心理学について学んでいます。アリゾナ州立大学では、私は、国際的な多角的な視野をもつ臨床心理士として、必要とされる知識やスキルを学ぶことが可能な授業を履修しています。そして、大量の英文を読み、知識を得て、講義を受講しディスカッションや、復習を通して、知識を整理し、自己の考えをまとめる能力を身につけています。以下には講義内容を書きたいと思います。
①授業紹介
Introduction to Psychology(心理学概論)
この講義において、心理学の歴史に始まり、研究法、脳科学、学習、認知、知能、学習、発達と基礎心理学の全ての範囲の知識や理論を学んでいます。日本で学んだことと比べると圧倒的な量の専門用語(action potential活動電位、schizophrenia統合失調症)や知識を身につけ、日本の心理学との相違を比べることでより、意欲的に学ぶことができます。また、英語で書かれた心理学の論文を読む際に、授業で得た専門用語や研究に関する相関係数等の英語での知識が非常に重要になると感じます。また、講義期間中に研究に関わることになっており、4回被験者となり、2本の論文を要約することになっています。英語で書かれた論文を読むのは容易ではありませんが、龍谷大学でゼミの際に要約していた心理学論文と形式が全く同じことに感動しました。
Hunan Development (人間発達)
この講義において、人間の生から死までの期間における身体的、心理的、言語や数学、空間的思考能力等の認知的や他社との関わり等の社会的観点から人間発達を複合的に学び、そのような発達的観点を踏まえて保護者や、教育者、社会はどのようにサポートしていくべきかについて考えています。例えば、青年期における友人関係は徒党cliqueから仲間crowdと人数が多くなり、グループ内の価値観の一致からグループ外からの他者評価を気にするように変化していき、そこでの友人関係形成をどのように支えていくかという内容です。この講義の特徴としては、国や民族ごとの統計的比較が多く引用され、人間発達の世界的な文化差について理解することができます。
Elements of Interpersonal Communication(対人関係におけるコミュニケーション要素)
この講義において、コミュニケーションについて非常に体系的、また系統的に学んでいます。具体的に、何故、コミュニケーションが生じ、どのように発展していくのか、そして、相互の関係を向上させるコミュニケーターになるため、コミュニケーションの分類、要素、過程、文化差、性差等について深めて学んでいます。また、教授が設定するactivityを通して、学んだ内容を実践していくという内容です。この講義では、私はしばしば、collectivistic culture 団体主義的文化の観点から individualistic culture 個人主義文化との比較をして、発言し、授業に貢献するように心がけています。
Personal Growth in Human Relationships(対人関係における個人的成長)
この講義では、友人関係、恋愛関係、最も親密な関係、権力関係等のさまざまな対人関係のなかでどのように人が成長していくかについて学んでいます。そして、関係性のなかで、自己と他者との健全な境界線の設定の仕方や葛藤、相互依存の望ましい解決の方法について講義で学習したことをもとに自己の考えを展開しレポートを書くことが求められます。この講義は大学生としての日々の生活に密接した内容で、興味深いと感じます。また、比較的新しい分野でもあるため、教授が授業中に多くの論文を引用し、多角的な視点から関係性について学ぶことができます。
②ASUでの学びについて
アリゾナ州立大学は8万人の学生が在籍している全米の中でも超マンモス校のうちの一つで、Introduction to Psychlogyでは500人の生徒が受講しています。そのため、その中で、自主的、積極的に学習することが求められます。例えば、講義は非常にに早い速度で進むため、毎週約120ページの予習が授業理解には欠かせず、試験前には多い際は、約500ページの内容を理解し、覚えていくことが必須です。日々、深夜まで図書館で学習し、休日も試験明けの土曜日を除き学習に励んでいます。授業後は、理解が曖昧な箇所は必ず、教授やTAのもとにいき、質問し解決するように心がけています。しかし、それでも理解が不十分の箇所が試験前に出てくるため、その際はオフィスアワーに教授の研究室を訪れ、1時間程度質問し理解するようにしています。非常にストレスを感じ、腹痛をこらえながら教科書を読み進め、時に感情的になり、涙がこぼれることも多々ありました。しかし、紙に書き、出来る限り冷静に状況を分析して、どのように行動すれば最短距離で解決できるかを考え、より効率を上げるため自己改善するように心がけています。また、困難を感じる度に自身に何故学んでいるのかを問いかけ、ここで得た知識やスキルが5年後、10年後、クライエントさんとのセラピーの中でに役立つと信じて学習を進めています。また、全ての科目で日本と同様の成績を保ち続けるにはタフさが求められますが、試験の結果に反映され最近では、地元の学生からどのように学んでいるのかとしばしば聞かれ、共に学習に励んでいます。