オリエンテーション、講義、日本語学科が開催するイベントへのボランティア、図書館での学習を通して現地の学生と友人になりました。留学当初は、置かれている状況が似ているため、お互いに慣れないアメリカに試行錯誤しながら各国から集まる交換留学生同士で友人になりました。そして、講義が始まると同じ講義を受講した心理学科のアメリカ人の学生、一般のインターナショナル生と課題や試験を助け合いながら友人になってゆきました。 また、窓から景色の見える席が図書館にあり、日々そこで学習していると、ライブラリアンの方や後ろの席で日々学習するメディカルスクールを目指す学生と友人になり、休憩時間に将来の目標や日々の大変さについてお互い話していました。
また、学習に打ち込みながら、友人と過ごす時間も大切にしたいと考えたため、昼食、夕食は、友人と食べるように習慣化し、会話を通して友人の考え方について知ろうとし、また英語の練習をしていました。他に、美術館に一緒に訪れたり、ポットラックパーティを開いたりし、心から信頼のおける友人が増えていくことで、アリゾナ州立大学の生活が龍谷大学での生活のような感覚になっていきました。 友人になる際に、国籍、出身地域に関わらず、感覚が似ている、尊敬できる、また話していて興味深い等の感覚を大切にしていたと思います。文化間における家族に関する講義の中で、個人の違いは, 国ごとの差以上に国内における違いの方が大きいということを学びました。私自身、「日本人だから~な性格」とステレオタイプ化されるのが苦手だったため、友人に対しても意識的に一人ひとりの個性や考え方を重視するようにしていました。
②講演会について
前学期の講義の担当教授の方から引き続き多くのことを深く学びたいと考えたため、教授にお願いし、毎週オフィスアワーに教授のオフィスに訪れ、シャドウイングさせていただき、教授と他の生徒の対話の様子を観察させて頂いたり、特定のテーマについて例えば、青年期の自殺や大学における性同一障害を抱える学生へのサポート等について話合っていました。また、月に数回、教授に付いていき講演会に行く、また自身で足を運ぶ等の授業外での学びの機会をいただきました。感銘を受けた講演会を以下に挙げたいと思います。
女性の権利のために奮闘している弁護士の方の講演会で、どのように偏見なき、共生的な社会にしていくかという内容でした。個人化が進む社会の中で自身の経験と他者の経験を会話を通して共有しながら他者を尊重していくこと、そして、沈黙は時に同意と同じであり、偏見に対して声を個人的、集団的レベルであげていくことが重要であるということを学びました。
黒人差別について研究をしている教授の方からの講演会で、現代社会でも存在する人種差別にどのように市民は、立ち向かい公平な社会に向かうのかという内容でした。誰が、かつて奴隷として所有物として扱われてた状況から現在の社会を想像しただろうかと問いかけ、今、現在の状況、エビデンスのみに焦点を当て諦めるのでなく、一人一人がさらなるよりよい社会を想像し、正義について考え、現在の状況を超えていくことが社会運動では欠かせないという内容で、心が揺さぶられるような感動的な講演会でした。 このような講演会を通して、一市民として、社会について学び理解することに加え、より安心して暮らせる社会にむけてさらに行動していきたいと考えました。
③心理学学会への参加
アリゾナ州立大学で行われた心理学学会に参加させていただきました。一つは、学部生と大学院生、アリゾナ州立大学と他大学の教授が主体のカンファレンスで、もう一つはアリゾナ州の心理学会の学会でした。修士課程と博士課程とでは、得られる資格はどのように違うのか、大学院進学のためにどのような研究が必要かという話、また精神科の視点からの話等を伺いました。質疑応答では、留学生として大学院進学や、就職にどのような障害があるかとういうことを質問したところ、実力があれば障害はないとおっしゃっていただき、一学期を通して感じてきた実力が重視されるアメリカ社会らしいと思いました。また、最も印象に残ってることは、アリゾナ州立大学の学部生の研究発表でした。パネルを用いて、生理学的身体機能と心理状態の関連性や、マウスを用いてストレス下での脳のシナプスの変化等の研究を発表していて、同じ世代の学生が行っている研究レベルの高さに驚き、非常に刺激を受けました。学会への参加を通して得られた知識によって将来への視野が広がり、さらに自身を向上させていきたいと考えました。
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