試験のこと
オーストラリアでは、一週間単位で授業が行われ、12週間で一学期になります。つまり、日本と違って、一学期は3カ月にも至りません。しかし、一学期の期間が短い分、一つ一つの授業はとても濃密で、学生は徹底して勉強をする必要があります。実際、先生も所行で全て説明してくれることはなく、ポイントだけの解説で、残りは学生自ら自主勉強で補わなければなりません。この自主勉強は一科目につき一週間6時間は必要とされています。つまり、学生はだいたい4科目をとっているので、一週間24時間、一日だいたい4時間は宿題やテスト勉強を除いた、授業のための予習復習にさくことになります。毎週だいたいは何かしら課題があるので、、、と考えると日本とは比べ物にならないくらいの勉強量が必要とされていることがおわかりいただけると思います。
さて、この日々の勉強の成果がですが、主に二通りの方法、レポートと試験、で評価されます。必ず両方課されるわけではないのが救いですが(笑)、それでも評価は厳しいので、これらに向けて学生はしっかり準備をする必要があります。とくに期末試験は大規模で、わざわざしっかり準備をするように、試験休みが設けられています(それだけ難しいと言えます。)。
また僕の通っているRMIT大学は7万人の学生が在籍しているだけあって、試験は大学では行われず、大きなスポーツ施設を借りて、何百人が一斉に試験を受ける仕組みになっています(まるでセンター試験のようですね)。この大人数が一斉に移動するわけですから、大学側も公共交通機関に頼んでトラム(路面電車)の数を増やして対応しています。日本とは比べ物にならないほど、大がかりなのです。試験の内容はというと、選択問題もありますが、主に論述で、数問も2時間ほどかけて回答することが求められます。丸暗記ではこたえられず、しっかり理解しているかを問われる質問が多いです。多くの海外からの学生がわざわざ学びに来るだけあって、授業の品質は本当に高いと思います(授業料もかなり高いですが)。
さて、このように毎日勉強で忙しい留学生活ですが、勉強だけに明け暮れるのももったいないので、余暇は勉強から離れて、オーストラリアの生活を楽しむように心がけています。その中で僕のお勧めの充実した余暇の過ごし方が、様々な学生イベントに参加することです。メルボルンには留学生が多く、留学生向けのイベントやサークルが活発なのです。そこではオーストラリア人はもちろん、様々な国籍の人と交流ができます。今まで様々なイベントに参加してきましたが、その中でも一番印象的だったイベントは、東日本大震災の体験話のイベントです。このイベントでは、福島の大学生およそ20人くらいを招待し、彼らに一人づつ、それぞれの震災体験を語ってもらうというものです。中には辛い話もあり、当時の困難な状況がひしひしと伝わってきました。メルボルンに来ている様々な国の人々には、遠い日本で起こった悲劇を知る機会はあまりありません。そんな中で彼らが語ってくれた事は人々に大きな影響を与えたと思います。はるばる日本からオーストラリアに、第二言語の英語でスピーチをしてくれた大学生の勇気に感動しました。